鉄道技術展2021 - 東京メトロ17000系・18000系で採用された技術は

鉄道技術展2021 - 東京メトロ17000系・18000系で採用された技術は

  • マイナビニュース
  • 更新日:2021/11/26
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幕張メッセで11月24~26日の3日間開催される「第7回 鉄道技術展 2021」に東京メトロとメトロ車両が出展。新型車両17000系・18000系をはじめ、車両情報監視・分析システム「TIMA」、日比谷線で活躍した03系を他社に改造・譲渡するまでのビジネスモデルなどが展示された。

鉄道技術展2021 - 東洋電機製造、新型パンタグラフ&主電動機など

東京メトロは現在、有楽町線・副都心線で新型車両17000系、半蔵門線で新型車両18000系の導入を進めている。車体前面のライトの形状や内装などに違いが見られるものの、バリアフリー対応、「TIMA」の導入、感染症対策といった点で、17000系と18000系は共通する部分も多い。

車体が軽量アルミ合金製となっている点も両者共通。軽量化による省エネルギー化や、長寿命・無塗装化も可能な耐腐食性の獲得、リサイクル性の高さ、押出形材を使用することによる部品点数の削減と、高密度輸送に耐えうる強度を生み出したオールダブルスキン構造も特徴的だ。鉄道技術展では、模型とパネルを使用しつつ、17000系・18000系の特徴が紹介されていた。

エネルギー面で見ると、東京メトロの路線は急カーブや急勾配が多い上に、短い駅間で加減速を繰り返すことから、列車の運行に大量のエネルギー消費が必要となる。17000系・18000系では、フルSiC(シリコンカーバイド)モジュール搭載VVVFインバータ制御と永久磁石同期電動機(PMSM)を組み合わせることで省エネを実現。制御装置は、発熱が小さいことから小型化が可能になったため、従来品と比べて容積が38%縮小したとのこと。

「TIMA」は丸ノ内線の新型車両2000系から導入されたシステム。運行中の車両の状態をリアルタイムでデータセンターに集約し、指令所、車両基地、本社へ。デジタルデータで車両状態を「見える化」し、サービスの向上、運行支障時の対応の迅速化、メンテナンスの最適化を図った。

一方、東京メトロのグループ会社であるメトロ車両は、抗ウイルス・抗菌剤および洗浄剤「ハイパークリーン」についての展示を行った。

客室に「シルフィーミストAG」を用い、定期的な清掃時に車内で散布している。その上で、手すり・吊り革など人の手が触れる機会の多い部分は手拭きで直接塗布。内容成分は安定性銀イオン、ウレタン樹脂バインダー、エタノール、浸透剤、純水とのこと。エタノールによる除菌効果が発揮された後、ウレタン樹脂と銀イオンのミストによって抗菌コーティングがなされ、長時間続く抗ウイルス・抗菌効果が得られる。

年に1回、クーラーカバーを開けて熱交換器の清掃を行う際は「シルフィー01」を散布。名称は異なるが、内容成分の種類は「シルフィーミストAG」と共通しているため、エタノールによる除菌効果、銀イオンと樹脂の微粒子による抗菌・防臭効果を発揮するという。

洗浄剤「ハイパークリーン」は、アルミニウム製の車体に適した酸性洗浄剤。有機酸、反応促進剤、界面活性剤、増粘剤を内容成分としており、経年によるアルミ車体の汚れ・変色・くすみを除去する。パネル展示にて「ハイパークリーン」使用前・使用後の比較画像も示され、アルミニウムのやわらかい銀色が復活していた。

薬液を散布する噴霧器の実物も展示された。ホースを通して圧縮空気を送り込むタイプと、小型のポンプで空気を圧縮し、抗菌剤を散布するタイプの2種類がある。前者は圧縮空気をホースから噴霧器に送り、噴霧口の直前で薬液と混ぜることで霧状に散布する。後者はホースにつながれていないが、手もとのレバーで缶の中の空気を圧縮し、薬液を霧状に噴き出せる。クーラーダクト用の噴霧器は専用に用意されており、テーブルに置いた写真の上で使い方が再現されていた。

メトロ車両では、東京メトロの車両で長年培った技術を生かし、引退した車両を新型車両同然に再生して他の鉄道事業者に提供する取組みも行われている。設計から改造・検査・輸送を行い、譲渡先での試運転と納車、その後のアフターサポート(故障調査対応・メンテナンス部品の手配)までを一連の流れとして受け持つ。

その事例として、元日比谷線車両03系を長野電鉄・北陸鉄道向けにそれぞれ改造・譲渡した様子が取り上げられていた。03系はこれら2社に加え、熊本電気鉄道でも活躍している。現地に行くことで、03系を再び見られることになるだろう。

若林健矢

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