『ウォッチドッグス レギオン』イギリスを分断した「不実のアルビオン」は民衆へ不寛容の牙を剥く【ゲームで英語漬け#35】

『ウォッチドッグス レギオン』イギリスを分断した「不実のアルビオン」は民衆へ不寛容の牙を剥く【ゲームで英語漬け#35】

  • Game Spark
  • 更新日:2020/11/22
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『ウォッチドッグス レギオン』イギリスを分断した「不実のアルビオン」は民衆へ不寛容の牙を剥く【ゲームで英語漬け#35】

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『ウォッチドッグス レギオン』の舞台であるロンドンを含め、現在イングランドは新型コロナウイルス対策のため、12月2日まで全面ロックダウンを実施中です。EU離脱の移行期間が年内で終了するため、この時期に身動きがとれないのは大きな痛手です。この2020年がイギリスにとって歴史的な転換点となるのは間違いないでしょう。

練習問題の解答

問題:REMEMBER THE LAST TIME WE OPENED OUR BORDERS.

解答例:国境を開いた最後の時を忘れるな

「REMEMBER」を用いた有名な文は真珠湾攻撃の「Remember Pearl Harbor」です。「Remember」には忘れたものを思い出す、常に頭の隅に置いておく、主に2つの使い方があります。後者はよく「忘れるな」と訳され、“Don’t forget”よりは強い印象を与えます。

あなたは誰のために声を上げる? ブレグジットと「不実のアルビオン」

「Tipping Point Cinematic Trailer」で、マスクを被ったレジスタンスは“There would be no one left to speak for me."と呟きます。これはナチス政権下のドイツを言い表したマルティン・ニーメラーの言葉に由来します。

First they came for the socialists, and I did not speak out—

Because I was not a socialist.

Then they came for the trade unionists, and I did not speak out—

Because I was not a trade unionist.

Then they came for the Jews, and I did not speak out—

Because I was not a Jew.

Then they came for me—and there was no one left to speak for me.

様々なバリエーションがありますが、こちらはアメリカ合衆国ホロコースト記念博物館に掲示されているもの。過激さを増す世論に沈黙していると、それはいずれ自分にも降りかかってくる、そんな自戒が込められています。

本作が題材にした「Brexit」問題の中で、この言葉は頻繁に引用されてきました。離脱派の中に、強硬に移民排斥を訴える派閥が現れ、それがかつてのナチズムを連想させるというのです。ヨーロッパのトラウマともいえるホロコーストの端緒が同様の過激な排外主義だったので、ナショナリズムが過熱すると「非国民」排斥にいずれ向かうのではないか、そんな不安が生まれています。

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EU離脱を進めるイギリスに対し、反対派の論説では「Perfidious Albion(不実のアルビオン)」という言葉が登場しました。「Albion」は古代ローマ時代に使われたグレート・ブリテン島の名称で、ドーバーなどで見られる「白い崖」が語源です。「不実のアルビオン」が最初に使われたのは17世紀に遡り、帝国拡大のために手段を選ばないイギリスを揶揄した言葉でした。ヨーロッパ協調から勝手に抜けようとするイギリスは「Perfidious Albion」である、ブレグジット関連ではこのように引用されます。

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『ウォッチドッグス レギオン』では、「ALBION」は人々を弾圧する存在として登場します。しかしそれは、排外主義を加速させる国民自身が生み出した怪物かもしれない――その牙が私たちに向けられたとき、果たして止めることはできるのでしょうか?

ロンドンドローンクルージング 聖地巡礼編

現実のロンドンでは外出制限令のまっただ中ですが、『ウォッチドッグス レギオン』のロンドンではのんびり観光旅行が可能です。多少デフォルメ、改変があるものの、主要なランドマークは精巧に再現されており、不審な動きさえしなければストリートギャングにメンチを切られることもありません。

さらに、貨物ドローンを使えば空を自由に飛べるので、地上からでは決して見られない絶景も独り占め。フォトモードで夜景撮影にいそしむのも楽しいものです。今回は作中で見られる名所の中から、ロンドンを舞台にした作品の「聖地」をピックアップしてご紹介します。

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ピカデリー・サーカス:BBCドラマ「シャーロック」

巨大な電光看板が目を引くこの場所は、ドラマのオープニングタイトルでも印象的ですね。本作のキーアートでも描かれています。看板は政府広報とアルビオンに乗っ取られたものの、建物の位置関係はほぼ完璧に再現されています。このアングルは電光看板の向かいにある建物の屋上からで、レイトレーシングが有効ならば、夜にはこのような光り輝く夜景を楽しめます。

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また、西側にあるカーブした通りはリージェント・ストリート。髪型の名前にもなったように、なめらかな曲線を描いて奥に続く姿には独特の美しさがありますね。ちなみにベイカー・ストリートはここからさらに北西のエリアにあり、ゲーム内では訪問できませんでした。残念。

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サヴィル・ロウ?:「キングスマン」

MI6もびっくりのスーパースパイが潜伏しているのが、このサヴィル・ロウ…のはずだったのですが、場所は合っているものの簡略化された通りがあるのみでした。本来であれば、高級なオーダーメイドスーツを仕立てるテイラーが多く店を構えています。この辺でスーツを着たスパイを見かけたら是非リクルートしてみましょう。

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キングスクロス駅:「ハリー・ポッター」シリーズ

ゲームの序盤のミッションでも訪れるこの場所は、魔法使い候補の学生がホグワーツ行きの列車に乗る駅ですね。ミッションでは中に入って探索するのですが、終了すると侵入が不可能になります。魔法のプラットフォームを探すなら忘れないようにしましょう。

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ロンドン・アイとジュビリー庭園:映画「けいおん!」

こちらの記事でも触れられていましたが、ロンドン旅行の最後で軽音部の卒業演奏を行う場面があります。その舞台になったのがロンドン・アイの側にあるジュビリー庭園でした。案の定アビーロードは範囲外。

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ロンドン橋:「ヴィンランド・サガ」

隣のタワーブリッジと混同されがちですが、童謡に歌われたロンドン橋は手前の地味な方です。「ヴィンランド・サガ」では橋を守るトルケルとの壮絶な戦いが描かれました。『デスストランディング』でも人柱伝説について触れられています。

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MI-6本部:「007」シリーズ

公には存在しない秘密のスパイ組織……だったのですが、現在ではロンドン市民の誰もが知っている観光名所。テムズ川をボートで疾走するのはお約束です。

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ロンドン塔:『仁王』

物語の冒頭でウィリアムが幽閉されているのがこのロンドン塔。苦戦した脱出の道のりを思い出すのではないでしょうか。ここでは常に6羽のカラスが飼育されており、いなくなるとロンドンが崩壊するという伝説があります。もちろん『WDL』でも侵入はできますが、中に囚われているのは誰なのでしょうか?

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ビッグベン:「ピーターパン」「メリー・ポピンズ リターンズ」

「ピーターパン」の冒頭ではビッグベンを起点にネヴァーランドへ旅立ちました。「メリー・ポピンズ リターンズ」では、とある約束の期限「ビッグベンの鐘が鳴るまで」に間に合わせるため、時計自体を巻き戻そうとします。夜の灯台にも見えるビッグベンは、奇跡が起きる不思議な力を秘めているようにも思えますね。ディズニーとロンドンは相性がいいのか、他にも「101匹わんちゃん」「プーと大人になった僕」の舞台になっています。

同じくロンドンを舞台にした『アサシン クリード シンジケート』では頂上に登れましたが、今作では時計盤より上には行けませんでした。その代わりに内部を探索するミッションがあります。現在のビッグベンは修復作業中で、現地に行っても足場に覆われて観ることはできず、鐘の音も停止しています。終了予定は来年で、コロナ禍や破損状態でさらに伸びる可能性も。ロンドン観光は当分お預けになりそうですね。

練習問題:次の問いに答えなさい。

現在のSNSと「2分間憎悪」の類似点について簡潔に述べよ。

作中のポッドキャストでも度々言及されるジョージ・オーウェルの「1984年」にはプロパガンダ装置「テレスクリーン」が登場します。テレスクリーンが発信するものの1つに「2分間憎悪」というコンテンツがあり、これは現在のSNSに起きている現象との類似性が指摘されています。一体どういうことなのか、皆さん自身で少しの間考えてみてください。

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