関脇琴ノ若、8勝目で優勝争いトップに並ぶ「慌てず落ち着いて決められてよかった」 大関昇進へ着々/九州場所

関脇琴ノ若、8勝目で優勝争いトップに並ぶ「慌てず落ち着いて決められてよかった」 大関昇進へ着々/九州場所

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  • 更新日:2023/11/22
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琴ノ若が上手投げで豪ノ山を破った(撮影・安部光翁)

大相撲九州場所10日目(21日、福岡国際センター)関脇琴ノ若(26)が豪ノ山(25)を上手投げで破って8勝目。勝ち越して2敗を守った。3大関は安泰。霧島(27)は錦木(33)を送り出して勝ち越し。貴景勝(27)は小結阿炎(29)をはたき込み、豊昇龍(24)は関脇若元春(30)を寄り倒し、ともに7勝目を挙げた。単独首位だった平幕一山本(30)が2敗目を喫し、2敗で霧島、琴ノ若、平幕熱海富士(21)、一山本が並ぶ。(観衆=6248)

厚い胸で受け止める。押させない。突進力が武器の相手の出足を立ち合いで封じた関脇琴ノ若が、素早く左上手を取って8勝目。勝ち越して優勝争いのトップに名を連ねた。

「攻められたが、慌てず落ち着いて決められてよかった」

寄られる場面もあったが、上手からの投げを連発。余裕を持って転がした。一年納めの場所。1月の初場所で新三役(小結)となってから6場所連続勝ち越して三役を堅守する。7月の名古屋場所では11勝、新関脇だった9月の秋場所は9勝。大関昇進の目安は「直近3場所を三役で33勝以上」とされ、今場所13勝を挙げると届く。初優勝となれば、数字にこだわらず昇進機運はさらに高まるに違いない。

母方の祖父は先代師匠の元横綱琴桜。父は師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)。横綱の孫にも〝佐渡イズム〟が染み込む。2連敗を喫した8日目の夜。福岡市内の部屋に戻った琴ノ若は稽古まわしを締めて土俵へ降りた。「連敗したし、自分のなかで感覚を戻したかった。その一日に懸けないと…。中途半端な相撲は取れない」。黙々と四股を踏み、すり足、てっぽう柱を打ち続けた。

師匠は「菊(元大関琴奨菊)ら先輩の背中をみてきているからね」。佐渡ケ嶽部屋の力士は、自身が納得いかないと本場所の取組を終えて部屋に帰ってからでも稽古場で汗を流す。同部屋付きのある親方は「番付が上の人でもそうしていた。自分も寝ているわけにはいかない。兄弟子から脈々とつながる気風です」。

大関昇進を果たせば、「琴桜」のしこ名を継ぐことは入門時からの既定路線。部屋の番付最上位。この「部屋頭」も背中でみせる。(奥村展也)

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