自衛隊の接種隊長を直撃!菅首相肝いりの大規模接種センターの予約ガラガラ問題【現場ルポ】

自衛隊の接種隊長を直撃!菅首相肝いりの大規模接種センターの予約ガラガラ問題【現場ルポ】

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  • 更新日:2021/06/10
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大規模接種東京センターの受付前(撮影/吉崎洋夫 JMPA代表取材)

東京・大手町にある新型コロナウイルスワクチンの大規模接種会場。予約システムの欠陥から始まり、5月24日の接種開始には、予約なしでも接種が出来てしまうなど多くの混乱が見られたが、今はどうなっているのか。現場からルポを伝える。

【写真】直撃した自衛隊の河野接種隊長はこちら

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「テキパキ対応していて、非常にスムーズに接種できて良かったですよ」

こういうのは6月9日、大規模接種東京センターでワクチンを接種した男性(78)だ。男性は正午12時の予約だったが、11時半に会場に到着。そのまま会場に入り、ワクチン接種、経過観察を経て、30分程度で会場から出てきた。

「2度目の接種は7月10日になった。孫とは2年も会えてませんが、もうちょっとの辛抱ですね。友達と会うのも楽しみです」

接種開始から2週間が経過し、運営のほうもだいぶスムーズに進むようになっているようだ。受付には断続的に人が入ってくるが、特に滞留することなく、会場の中へと消えていく。接種会場は4フロアに分かれており、接種希望者はそれぞれのフロアに割り振られ、接種をしていくことになる。

この日、報道陣に公開されたのは、10階の接種会場。予診票を確認する場所では、10個の机が並べられスタッフが予診票が正しく記入されているか確認していた。その後、予診、ワクチン接種、15分から30分の経過観察と続く。経過観察の場所に人が溜まっているが、それ以外の場所では人が待っているというようなことはほとんどなかった。

河野修一接種隊長はこう胸を張る。

「毎日ミーティングをして、一日の業務の中でどこに問題があったのか話し合って解決している。例えばイスの置き方一つとっても待つ人が増えないようにブースのすぐ後ろに設置して待ち時間を短縮する配慮をしたり、ブースの数を時間帯によって増やしたり減らしたりすることで、円滑に接種ができるように日々検討、努力しています」

防衛省によると、6月7日から13日までの予約について、7万3500件の枠はすべて埋まったという。菅義偉首相肝いりで始まった大規模接種も順調に進んでいるように見えるが、その実態は違った。

AERAdot.が入手した資料によると、8日10時時点の14日から20日(7日間)の予約件数は、7万件の予約枠に対し、1万1866件だった。さらに、21日から27日の予約件数は3864件にとどまっていた。

9日17時時点ではそれぞれ1万8129件、4850件まで増えたが、このペースで行くと大量に予約枠が余り、ガラガラになる。自治体でもワクチン接種が進み始めており、居住自治体で接種を済ませる人も多くなってきている背景もある。ある防衛省関係者はこう語る。

「はるばる大手町まで電車を乗り継いで行くのは高齢者からすれば、体力や気力が必要ですよ。それからネットからしか予約が取れないというのも大変です。そのようなことができる高齢者が接種を済ませた結果、予約が全然入らなくなったんでしょうね」

予約が埋まらないとなると、運営体制も変更を余儀なくされると見られる。医師や看護師などの接種隊は約290名。1日1万人の接種を想定した体制だ。予約枠が大量に余ってしまったら、どうするのか。河野接種隊長を直撃した。

「まだはっきりとわかっていないので、予約の状況に応じて調整していくことになる」。

政府内では64歳以下に対象を広げたり、接種券なしでもワクチン接種を行う案も浮上していると言われている。先の防衛省関係者はこう語る。

「自衛隊員や民間で雇用された派遣の看護師がもったいないですよね。やはり各地方に自衛官を派遣するのが良かったんだと思います。正直、菅首相がいい格好をしようとした独りよがりな政策だったのではないでしょうか」

大規模接種センターでワクチン接種に一生懸命取り組んでいる自衛隊たち。その努力が無駄にならないことを願いたい。

(AERAdot.編集部 吉崎洋夫)

吉崎洋夫

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