だしの旨味を生かした昔ながらの調味料「煎り酒」を使った、味わい深い一皿です。渋谷・松濤の人気居酒屋「爛缶(らんぷ)」に、爽やかで軽やかな酸味が効いた絶品つまみを教わりました。

■“ズッキーニとタコの梅肉和え”のつくり方
梅肉で和えただけでは出せない、味の深みは“煎り酒”。梅肉衣も加わり、酸味に奥行きが出る。
□煎り酒をつくる
(1)昆布を酒に浸す鍋に酒と昆布を入れ、約6時間置く。
(2)煮詰める中火にかけ、ふつふつとしたら昆布を取り、梅干しと鰹節を入れて弱火で酒が3分の2量になるまで煮詰める。キッチンペーパーで漉し、うす口醤油を加える。
※冷蔵庫で約1ヶ月保存可能。
□梅肉衣をつくる
(1)梅干しを叩く赤じその梅干しと甘口タイプの梅干しは種を取り除いて包丁で叩く。
(2)調味料と混ぜるボウルに入れ、煮きった味醂、うす口醤油、昆布茶を加えてよく混ぜる。
※清潔な蓋付き容器に入れ、冷蔵庫で半年ほど保存可能。
□ズッキーニとタコの梅肉和えをつくる
(1)下ごしらえズッキーニはピーラーで縞目に皮をむき、厚さ5mmのいちょう切りにする。塩少々(分量外)を入れた熱湯で10秒ほどゆで、冷水に取って水気をきる。ズッキーニに煎り酒をふり、軽く和えて下味をつける。

(2)タコをカットするタコは薄いそぎ切りにする。
(3)和えるボウルに汁気をきった①と②を入れ、梅肉衣でしっかり和える。


教える人

柿木信浩さん(右)、白石貴之さん
柿木さんは鹿児島県出身の40歳。渋谷「高太郎」で9年ほどの修業を経て独立。相棒の白石さん(41歳)は原宿「eatrip」の元シェフ。主に柿木さんがサービス、白石さんが料理を担当。
この記事はdancyu2020年9月号に掲載したものです。
文:佐々木香織 写真:本野克佳
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