『ゲキレンジャー』以来の共演を荒木宏文×鈴木裕樹×塚田Pが語る「14年経っても一緒に芝居したいと思える人でよかった」

『ゲキレンジャー』以来の共演を荒木宏文×鈴木裕樹×塚田Pが語る「14年経っても一緒に芝居したいと思える人でよかった」

  • マイナビニュース
  • 更新日:2022/06/23
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●”トライアングル”でインタビュー

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映画と舞台を完全連動させるプロジェクト【ムビ×ステ】の第三弾、映画『漆黒天 -終の語り-』が、6月24日より公開される。

主演に俳優の荒木宏文を迎え、数々の人気舞台を手がける末満健一氏による脚本を、坂本浩一監督の演出により映像化した。江戸の町を舞台に、荒木が演じるのは、記憶をなくした男「名無し」。刺客たちに命を狙われながらも、名無しは尋常ならざる剣の腕で返り討ちにしていく。果たして名無しの正体は? 一方、その裏では与力である玖良間士道(演:鈴木裕樹)らがある計画を実行に移そうとしていた。

本作でのもう一つの見どころは、2007年に放送スタートした『獣拳戦隊ゲキレンジャー』で漢堂ジャン/ゲキレッドを演じた鈴木裕樹と、そのライバル的存在である理央を演じた荒木宏文が共演する点だ。マイナビニュースでは、『ゲキレンジャー』と『漆黒天』両作を手がけた塚田英明プロデューサーを交えた三者で鼎談を行った。

鈴木:
なんかすごいですね(笑)。

塚田:
こういうのは当時ありましたっけ?

荒木:
なかったんじゃないですかね。別々にインタビューというのはありましたけど。

――お会いするのはいつぶりですか?

塚田:
鈴木くんは『警視庁・捜査一課長』(テレビ朝日系)のレギュラーをやってらっしゃるので、毎年お会いしています。荒木くんはそんなに会えていないですね。でも、今回は”トライアングル”ですよ(笑)。昨日あらためて作品を観返して復習してきましたから。

鈴木:
絡めてきますね~(笑)。でも実は、映像作品でいうと、荒木とは『劇場版 炎神戦隊ゴーオンジャーVSゲキレンジャー』(2009年)以来で一回も共演していないんです。『ゲキレンジャー』の中でも唯一といっていいくらい定期的に会っていたんですけれど。

――特に、10周年を期待していたファンからすると、今回の共演はとてもうれしいことだと思います。

鈴木:
そうですよね。まあ、本当にいろいろありますから。長くなるから、もっと時間があればしゃべれたんですけどね(笑)。

――3人がそろうと、やはり当時のことを思い出されますか?

塚田:
『漆黒天』は二週間ほどでしたけれど、『ゲキレンジャー』は2年近く一緒でしたからね。やっぱりネタはたくさんありますよ。

荒木:
今思うと、けっこう許してもらっていたんだろうなと感じる部分は多いです。生意気にやっていたなって。どうでした? 生意気でした?

鈴木:
荒木は生意気だったでしょう?(笑)

塚田:
(笑)

荒木:
鈴木のほうが問題児だっただろ(笑)。スタジオの待ち合い場(※キャストやスタッフがロケに行く際などに集合するオープンスペースで、人通りが多く、宿泊には向かない)での話なんて伝説になってるよ。

鈴木:
僕は毎日そこで寝てて、青柳(夕子/制作デスク)さんに起こしてもらってたんですよ。

塚田:
帰らないんだよね。帰って寝なよって言われていたんだけど。

荒木:
そういうことも今になって笑えるのは、やっぱりやり切ったからだと思います。

●ゲキレンジャーは色あせない
――『ゲキレンジャー』は拳法がテーマになっているだけに、アクションも多く、ほかの作品とはまた違った苦労があったのではないでしょうか。

荒木:
JAEの方たちがすごく乗り気で、こういう拳法もあるよ、こういう動きもあるよと、ノリノリで提案してくれるんです。素面で動けると、変身後にできる動きの幅も広がるからって。当時はちょっと怖いかもなと思うアクションでも、どんどん挑戦していました。

鈴木:
現場では、どれだけ吹き替えに頼らないかを競っているところがありました。普通は吹き替えるものらしいんですよ。でも、バカなふりして「やらしてくださいよ」みたいな感じでした。もちろん、それはアクションチームの方たちを蔑ろにするという意味ではありません。やっぱり”カンフー戦隊”としてやっているからには自分たちもやりたいですという思いは伝えさせていただいていました。

塚田:
真面目に練習していましたからね。熱心すぎるあまり、鈴木くんはマイヌンチャクをカバンに忍ばせていて空港で止められた、なんてこともありました。

鈴木:
よく覚えてますね(笑)。

塚田:
印象的だったんですよ。「なんだこれ?」「……ヌンチャクです」って。

鈴木:
空港のセキュリティーで止められたんです。その時、宇崎ラン/ゲキイエロー役の福井未菜ちゃんと二人でトークショーのための移動だったんですけれど、あやうく「福井未菜ソロトークショー」になるところでした。「ゲキレッド役の鈴木裕樹は諸事情により出演を見合わせます」となっていたかもしれません(笑)。

塚田:
未菜ちゃんはロングバトン入れてなかったんだね。

鈴木:
バトンはさすがに入れてないでしょう(笑)。でも当時はトランポリンとか本当によくやっていましたね。

荒木:
やってたね。現場で、撮影の合間に教えてくださるんです。僕らの時は、変身前も録音がなくてオールアフレコだったんです。音が出ても問題なかったから、撮影の合間をぬって稽古もつけてもらえる恵まれた環境で、いっぱい動いていましたね。

塚田:
『ゲキレンジャー』は構造もちょっと特殊でした。戦隊のメンバーが3人いて、それに対する悪のメンバーがいるところに、のちに戦隊にゲキバイオレットとゲキチョッパー、悪側にはロンが加わる、チーム戦の番組だと捉えていました。戦隊だけが主人公じゃなくて、悪も含めた上での物語を意識していて、そこが特殊だなとは思います。

荒木:
試みとしてすごい挑戦でしたよね。

塚田:
そうですね。挑戦でした。良くも悪くも(笑)。

荒木:
まさにそうだと思います。だって、ヌンチャクとトンファーとロングバトンって、こんなの子どもが持って安全なわけないじゃんって当時思っていました(笑)。

塚田:
昨日復習のために1・2話を観ていたんだけれど、反省しながら観ていました(笑)。横で観ていたカミさんから「今だったらここはこうするとかあるの?」って聞かれて、「まずはここをこうするかな」とかそんな会話で盛り上がっちゃった(笑)。明日取材があるから、うっかり口をすべらせないように気をつけなきゃいけないって。

荒木:
少なくとも、翌年以降の作品作りに影響したかもしれませんね。こういうことはやっちゃいけないとか。

塚田:
それだけチャレンジをいっぱいした作品でしたね。

荒木:
でも、だからこそ愛着があるんです。ほかと違うという自信もあります。

鈴木:
それはすごいあるね。

荒木:
だからこそ、大人になってからもう一度見てほしいんです。

鈴木:
スペシャルだよね。昔の自分だからとか、まだ若くて拙いからだとか、そういうこととは違う次元にある作品という感じがしていて、あの瞬間の僕たちじゃなければできなかった作品。塚田さんが当時打ち上げで言ってくださった言葉が強く印象に残っているんです。「ゲキレンジャーという作品は色あせないものだ」って。本当にそう思います。

●ライバル役だったからこその再共演の難しさ
――お二人からすると、当時の塚田さんはどんな印象でしたか?

鈴木:
今とまったく変わらないんですよ。優しくて、僕たちのことをずっと見てくれている。なによりも、この人が一番戦隊シリーズのことを好きなんだろうなっていうのはすごい伝わってきて、それはずっと変わっていません。

――塚田さんもこのお二人がそろうのは感慨深いのではないでしょうか。

塚田:
感慨深いですね。当時はジャンと理央だけの本が出るくらい、2人の関係は作品を象徴していましたから。

荒木:
『ゲキレンジャー』以来共演がなかったというのは、ジャンと理央という色が強すぎて、キャスティングしづらかったということでもあるのかもしれません。ほかの現場で共演しても、元ライバルだという印象が強くなって作品に没頭してもらえない。だからどういうふうに仕事をさせるかを考えたときに、マネージメントする側でも、別々にすることが多かったのかもしれません。

でも、そんな二人が、東映の作品で十数年ぶりに共演する、というのはそれ自体が物語な気がしたんです。ここだったら共演しても別のエピソードとして見てもらえるし、昔から応援してくれていたファンの方たちも喜んでくれるんじゃないかと思えるタイミングでした。だったら、やる意味があるんじゃないか。時間の経過による変化と今回用意していただいた環境、そういうものがそろった機会だったんです。

塚田:
『漆黒天』は、今まで東映内でやってきた【ムビ×ステ】の新しい試みとしてワタナベエンターテインメントさんに参加していただいています。荒木くんが主演ということだったので、ならば鈴木くんにもお願いしたいなというのはありました。

鈴木:
こういうものって、もちろん塚田さんのように共演させたいと思う方がいてこそだというのは前提なんですけど、二人の中にそれぞれに対しての思いがなければたどり着いていないと思うんです。友情だったりリスペクトだったり、いろいろなものがあってこそです。だって嫌な奴とはやらないじゃないですか、たぶん(笑)。14年経っても、この人と芝居したいと思える人でよかった。次に一緒にやるとしたら何になるのか、自分たちの中でもハードルが上がっていたんですけれど、そのタイミングが今回だったんでしょう。久々に本気出しましたね(笑)。

――そんなお二人の共演を見ることができるのが、今回の『漆黒天』なんですね。

塚田:
魅力的な若いキャストたちが繰り広げる群像劇を作ってきた【ムビ×ステ】ですが、『漆黒天』はちょっと構造が違います。主人公である名無しを中心に、ほかのキャストは名無しに対してどうコミットしていくか、どういう機能であるのか。そこがすごく特徴で、全部名無しに集約している、”名無しの映画”なんだなと思いました。そのぶん主役に負担がかかっていると思うんですけれど、まさに”荒木映画”でしたね。

荒木:
僕は末満健一さんと『COCOON 月の翳り星ひとつ』でご一緒させていただいていたのですが、今回は末満さんが脚本だけで参加しているというのがとてもおもしろいところだと思っています。いつもは演出もしているイメージがあるのですが、映画『漆黒天-終の語り-』では台本だけを託して、坂本監督が撮られている。末満さんの世界観だけではなくて、坂本監督のイメージやアイデアが加わった状態で出来上がっているこの映画は新しい挑戦だと思いました。それは末満さんのファンの方からしてもそうかと思います。役者自身も、相手との芝居に本気で心を動かされて向き合える、恵まれた現場でした。それを映像でやれたというのがすごくおもしろかった。カメラの向こうに相手の目が見えるくらい、みんなドライから集中して演じていました。

鈴木:
荒木をはじめとするキャストのみなさんの表現はもちろん、坂本監督の演出が素晴らしい作品だなというふうに試写を見ていて感じました。音楽の使い方も素晴らしかった。全体を通して82分なんですけど、それがあっという間で、余分なものがない感じ。本当にスピード感があり、集中して観ることができるエンターテインメントになっていました。

塚田:
『漆黒天』を通して、時代劇ってやっぱりいろんなことができるしおもしろいということを作り手として再認識しました。『漆黒天』は、時代劇のおもしろさを感じてもらえる一本。アクションも本当にたくさんあるので、おなか一杯になっていただけるのではないでしょうか。

――今は配信もありますから、『漆黒天』を観て、次は『ゲキレンジャー』を観てみようと思われる方もいらっしゃると思います。

鈴木:
そうですね。『ゲキレンジャー』は今観てもらっても絶対おもしろいと断言できます。どちらも”ニキニキ”なので、ぜひご覧になっていただきたいですね。

荒木:
その際には、DVD特典にもなっている「臨獣トーク」もぜひ見てほしいです。

(C)2022 movie-st

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