打倒ヴェゼル!199万円~カローラクロスの衝撃

打倒ヴェゼル!199万円~カローラクロスの衝撃

  • 東洋経済オンライン
  • 更新日:2021/09/15
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2020年のタイでの発表から満を持して国内発売された「カローラ クロス」(写真:トヨタ自動車)

2021年9月14日、トヨタは新型クロスオーバーSUV「カローラ クロス」の日本仕様を発表し、販売を開始した。

カローラ クロスは、2020年7月にタイで世界初公開。タイや台湾ではすでに販売されており、人気を博しているモデルである。また、2021年7月には北米仕様が公開されており、「ヤリス クロス以上ハリアー未満」というちょうどいいサイズ感から、日本への導入に大きな期待が寄せられていた。

「カローラ」の名がつくSUVは、初代カローラが1966年に誕生して以来、初めてのこと。

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発表会では、「お客様の期待を超える室内空間・ユーティリティと、堂々としたデザインを兼ね備えたカローラ クロスを、カローラの価格帯でご提供させていただく」とコメントされた。

今回、カローラ クロスが導入されたことで、トヨタのSUVラインナップは、「ライズ」「ヤリス クロス」「C-HR」「ハリアー」「RAV4」「ランドクルーザープラド」「ランドクルーザー」「ハイラックス」の9車種が並ぶこととなる。まさに「SUVフルラインナップ」の様相だ。

C-HRもカローラ クロスと同じCセグメントのSUVだが、C-HRは室内空間よりもクーペライクなデザインを重視したパーソナルなモデル、カローラ クロスは後席や荷室の広さも重視したSUVらしいモデルと、すみ分けを図る。

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同セグメントながらキャラクターの異なる「C-HR」(写真:トヨタ自動車)

SUVでもカローラツーリングより安い価格設定

カローラ クロスは、歴代カローラが培ってきた「プラスα」の思想と「お客様に寄り添い、進化し続ける」という使命を受け継ぎ、「これからのカローラに求められる新しい姿を追求した結果、シリーズ初のSUVとして誕生した」という。

開発コンセプトは「新空間・新感覚 COROLLA」で、SUVならではの広い室内空間や高いユーティリティに加え、力強い走りと低燃費が両立されたと説明される。

価格(税込)は、ガソリンモデルが199万9000円から264万円、ハイブリッドモデルが259万円から319万9000円。同クラスのCH-R(238万2000円~)よりも、コンパクトSUVのヤリス クロス(179万8000円~)に近く、コストパフォーマンスの高さが光る。「カローラツーリング」(201万3000円~)よりも安価な、戦略的な価格設定だ。

「アーバン・アクティブ」をデザインコンセプトにしたというボディは、全長4490mm×全幅1825mm×全高1620mmで、最低地上高は160mm。全長はカローラツーリングとほぼ同じ、日本の市街地でも取り回しのしやすいサイズとなっている。

フロントマスクは、太い金属加飾で縁取られた大型のロアグリルを持つ日本仕様専用のデザインを採用。ハリアーにも似た雰囲気となっている。サイドビューでは、ブリスター形状のフェンダーが印象的だ。たくましいフェンダーは、RAV4にも通じるものがある。

ボディカラーは「プラチナホワイトパールマイカ」「セメントグレーメタリック」「シルバーメタリック」「アティチュードブラックマイカ」「スパークリングブラックパールクリスタルシャイン」「センシュアルレッドマイカ」「アバンギャルドブロンズメタリック」「ダークブルーマイカメタリック」の全8色で、定番から流行色までを揃える。

インストルメントパネルは、カローラシリーズとハリアーの中間的なデザインで、まさにカローラのSUVといったデザイン。上級グレードの「Z」には、本革+ファブリックのコンビネーションシートを装備する。

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ブラック基調となるカローラ クロスのインテリア(写真:トヨタ自動車)

C-HRのウィークポイントであった後席空間は、ファミリーユースでも十分な広さを確保。リアドア開口部の高さはクラストップレベルの787mmで、大きく開くリヤサイドドアと相まって高い乗降性を実現している。チャイルドシートの使用や子どもの乗せ降ろし時の負担軽減も考慮された設計だという。

ラゲッジルームの容量は5人乗車時でもクラストップレベルの487Lで、Cセグメントという限られたサイズの中で、最大限の空間を実現している。後席を倒せば、ロードバイクの搭載も可能だ。また、ラゲッジルームの開口部を地面から720mmの高さに設定するなど、荷物の積み下ろしのしやすさも考えられている。

ヤリス クロスやカローラツーリングには設定されない、ハンズフリーパワーバックドアもオプションで装着可能だ。リモコンキーを携帯していれば、リアバンパーの下に足を出し入れするだけで、両手がふさがっていてもバックドアを開閉できる

ハイブリッドには電気式 4WD 「E-Four」も設定

パワートレインは、ハイブリッド車とガソリン車ともに、カローラ クロス用に最適化された1.8Lエンジンを採用。

ハリアーやRAV4に採用される「ダイナミックフォースエンジン」ではないものの、アクセル操作に対してクルマが素直に反応し、シームレスで気持ちのよい加速感を実現するという。

ハイブリッド車では、クラストップレベルの26.2km/L(WLTCモード)の燃費を達成したほか、電気式4WDシステムであるE-Fourを用意することで、雪国ニーズにも対応する。

サスペンションは、フロント:マクファーソンストラット式、リヤ:トーションビーム式が基本となるが、E-Fourモデルのリアサスペンションには、これまでのカローラシリーズで熟成を重ねたダブルウィッシュボーン式が採用される。

その他、クラス最小レベルとなる5.2mの最小回転半径も、アピールポイントとして挙げられていた。ヤリス クロスは5.3m、カローラツーリングは5.0~5.3mだから、SUVとしては小回りが利くといえる。

セーフティは、最新の「Toyota Safety Sense」を全車標準装備。パーキングサポートブレーキとバックガイドモニターも、エントリーグレードの「G“X”」を除く全グレードに装備される。障害物の有無にかかわらずペダル踏み間違い時の急加速を抑制する「プラスサポート」も用意された。

ハイブリッドモデルには、アクセサリーコンセント(AC100V・1500W)と「非常時給電モード」がオプションで選択可能。非常時給電モードは、ハイブリッドシステムのバッテリーを停電などの非常時に電気ポットやドライヤーなどの家電製品を使うための非常用電源とするものだ。

SUV市場も“トヨタ一人勝ち体制”へ

これまでも多くのSUVをラインナップしてきたトヨタだったが、日本でのジャストサイズとなるCセグメントにファミリーユースに適したモデルがなく、「ヤリス クロスでは小さく、ハリアーでは大きく価格も高い」というニーズに応えられないでいた。そこに登場したカローラ クロスは、まさに待望のモデルであるといえる。

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「ハリアー」の価格は 299万円から。最上級グレードでは500万円に達する(写真:トヨタ自動車)

しかも、200万円を切る価格設定からとあれば、ホンダ「ヴェゼル」の大きな脅威となるだろう。エントリーモデルのG“X”ではアルミホイールなどの上級装備が省かれるものの、LEDヘッドライトをはじめ、実用上の装備は十分だ。

コンパクトクラスのライズ&ヤリス クロスと、ミドルサイズのハリアー&RAV4の間を受けるカローラ クロスの登場により、完璧なトヨタSUVフォーメーションが完成したといっていいだろう。

最大のライバルであるヴェゼルは、グレードによっては今も半年以上の納期を要するという。カローラ クロスの納車が順調に行えるとするならば、SUV市場で“トヨタの一人勝ち”となる未来も大いに考えられるのではないだろうか。

(先川 知香:モータージャーナリスト)

先川 知香

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