NEW
ロゴとアプリ版リニューアルのお知らせ
田原総一朗「“炎上”の西村大臣よ。今やるべきは支援金の約束だ」

田原総一朗「“炎上”の西村大臣よ。今やるべきは支援金の約束だ」

  • AERA dot.
  • 更新日:2021/07/21
No image

田原総一朗・ジャーナリスト (c)朝日新聞社

ジャーナリストの田原総一朗氏は、コロナ禍で苦しむ企業や国民へ支援金の必要性を訴える。

【この記事のイラストはこちら】

*  *  *

西村康稔経済再生担当相が、飲食店での酒の提供停止を徹底させるため、店に融資している金融機関に働きかけを依頼する方針を表明した。この表明は、すぐに撤回に追い込まれたが、酒類販売業者に向けた、酒の提供を続ける飲食店との取引停止の依頼は、しばらく取り消されなかった。

この発言は、多くのマスメディアで徹底的に批判された。たとえば、朝日新聞は7月11日の社説で、次のように強調している。

<コロナ対策の特別措置法では、緊急事態宣言などの地域では、酒を出す飲食店に時短や休業を要請・命令でき、従わない場合は罰則もある。だが、取引先を通じて経営に打撃を与えるようなことは、特措法にも緊急事態宣言の基本的対処方針にも書かれていない。

それゆえ「働きかけの依頼」のかたちをとったのだろうが、金融庁や国税庁といった規制官庁からの「依頼」は、事実上の強制になりがちだ。一方で、金融機関は、ただでさえ資金繰りの厳しい飲食店の死命を制する力も持ちうる。結果として過剰な制裁になりかねない>

4日の都議会議員選挙では、政府は自民・公明で過半数を獲得することを目標にしていて、自信も抱いていたはずだが、合計56人で、過半数の64議席に近づくこともできなかった。

9~11日に読売新聞が実施した全国世論調査では、菅義偉内閣の支持率は37%で、昨年9月の内閣発足以降、最低となった6月4~6日の調査に並ぶ数字となった。不支持率は53%である。さらに、東京都民の支持率は何と28%で、不支持率は63%となっている。

国民の多くが、菅内閣はともかく東京五輪を開催することが大前提となっていて、本気でコロナ禍を抑え込もうとすれば、当然中止を考慮しなければならなくなるので、結局、「かたちをつける」ということになったのであろう、と読んでいる。それこそが、国民に強い不信を惹起(じゃっき)させているのである。

だから西村大臣は、菅内閣は本気の本気で新型コロナの抑え込みに取り組んでいるのだ、と国民に強く訴えるために、あのような発言をしてしまったのではないか。

多くのマスメディアは、慌てて謝罪・撤回などしても、本音はごまかしようがないと糾弾している。

菅内閣が本気の本気で新型コロナの抑え込みに取り組んでいることを示すためには、どのような手法があるのだろうか。

私は、あえて7月18日放送の「激論!クロスファイア」に西村大臣の出演を強く求めたが、西村大臣は当然のように断った。

だが私は、「菅内閣は多くの国民から強い不信感を持たれ、大きな危機だ。その危機感から、西村大臣はあのような発言をしたのだろうが、最も苦しんでいるのは飲食業界であり、今必要なのは思い切った支援金を早く出すことだ。そのためにこそ、西村大臣は頑張るべきではないのか」と強調し、何としても出演して、それを国民に約束してほしい、と説得した。

西村大臣は、一度は承諾したのだが、ぎりぎりになって「誰もが強く反対するので、今回は勘弁してほしい」と言ってきた。誠に残念だが、菅首相には飲食業界を始め、コロナ禍で苦しむ企業や職を失った国民たちに、早く思い切った支援金を出すよう強く求めたい。

田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年生まれ。ジャーナリスト。東京12チャンネルを経て77年にフリーに。司会を務める「朝まで生テレビ!」は放送30年を超えた。『トランプ大統領で「戦後」は終わる』(角川新書)など著書多数

※週刊朝日  2021年7月30日号

田原総一朗

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加