【玉ノ井親方 視点】今場所の正代は一番怖い存在

  • スポニチアネックス
  • 更新日:2023/03/21

◇大相撲春場所8日目 ○正代(寄り倒し)若元春●(エディオンアリーナ大阪)

今場所は信じて良いかもしれない。正代が会心の相撲で2敗を守った。先手を取ったのは若元春。先に得意の左差しの形になった。もろ差し狙いの正代は左が入っただけ。それでも、右で相手の左脇をおっつけながらグイグイ前に出た。腰高なのは相変わらずだったが、若元春の上体を自分の腹の上に乗せるようにして一気に土俵を走った。

3場所連続で負け越していた先場所までとは別人のような相撲内容。立ち合いの踏み込みの力強さ、二の矢の攻めの速さは大関に駆け上がった頃の相撲を思い出させた。

好調の要因は体調が良くなったことだろう。本人が口にしないので詳細は分からないが、先場所まで覇気のない相撲が続いたのは、左肩を痛めていたせいではないか。そのケガが治って思うように体が動くようになり、相撲に切れが出てきた印象だ。元々、勝てば調子に乗りやすいタイプ。自分の相撲を取り切って白星を重ねていくうちに、立ち合いの出足も、前に出る圧力もどんどん良くなってきている。

中日を終え全勝の翠富士が先頭を走り、大栄翔が1差で追走する展開。2敗グループには霧馬山や琴ノ若ら成長著しい力士もいるが、経験も実績もある正代は一番怖い存在だろう。(元大関・栃東)

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