広島の「新人救援トリオ」が躍動! “投手陣再建”に今後重要となるのは...

広島の「新人救援トリオ」が躍動! “投手陣再建”に今後重要となるのは...

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  • 更新日:2021/04/08
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既に戦力となっている広島のルーキー栗林良吏 (c)朝日新聞社

2016年からセ・リーグ3連覇を達成したものの、過去2年間はBクラスに沈んでいる広島カープ。昨年はチーム打率、得点がリーグ2位ながら、チーム防御率はリーグ最下位のヤクルトに次ぐリーグ5位と、完全に投手陣が足を引っ張った格好となってしまった。特に弱体化が顕著なのがリリーフ陣だ。3連覇を支えた中崎翔太、一岡竜司、今村猛の3人が勤続疲労から揃って戦力とならず、過去2年間抑えを務めたフランスアも開幕前に右膝の手術を受けて長期離脱となっている。昨年以上に苦しい台所事情となる可能性は高いだろう。

ところがそんな心配はここまで良い意味で裏切られる形となっている。開幕11試合を終えて救援防御率は1点台と抜群の安定感を見せているのだ。そしてブルペンを支えているのが栗林良吏、森浦大輔、大道温貴のルーキートリオであることは間違いない。4月7日終了時点での3人の成績を並べてみると以下のようになっている。

・栗林良吏:5試合0勝0敗3セーブ0ホールド 防御率0.00

・森浦大輔:5試合0勝1敗0セーブ3ホールド 防御率1.93

・大道温貴:4試合0勝0敗0セーブ1ホールド 防御率0.00

栗林は社会人、森浦と大道は大学で実績を残してプロ入りしているとはいえ、これだけ揃ってルーキーがブルペンを支えるという例はなかなかないだろう。また栗林は愛知大学野球の名城大、森浦は阪神大学リーグの天理大、大道は北東北大学リーグの八戸学院大といずれもいわゆる地方大学の出身であるという点も興味深いところだ。

栗林はコンスタントに150キロ前後をマークするストレートと、決め球のフォークをいずれもコントロールよく低めに集められるのが最大の持ち味だ。真上から腕が振れ、上背以上にボールの角度も感じる。現在の調子を維持することができれば、現在投手コーチを務めている永川勝浩の持つ球団新人最多記録の25セーブの更新も視野に入ってくるだろう。

森浦はストレートは140キロ台前半が多いものの、独特のボールの角度があり、打者の内角を思い切って突くコントロールも備えている。チームに待望の中継ぎ左腕として貴重な存在となっている。大道は全身を使った躍動感溢れるフォームから投げ込む150キロ前後のストレートが最大の武器。ボールの勢いはブルペン陣の中でも1、2を争うものがあり、チームに勢いを与える投球を見せている。

広島の投手陣で楽しみなのはこのルーキートリオだけではない。昨年新人王に輝いた森下暢仁もここまで2連勝、15回を投げて失点0と2年目のジンクスを全く感じさせない投球を見せている。昨年はリーグ2位の防御率だったが、今年もあらゆるタイトル争いに加わってくる可能性は高い。

森下に続く若手の先発候補としては昨年5勝をマークした遠藤淳志、トミー・ジョン手術から復帰した高橋昂也の2人が二軍で安定した投球を続けているのも好材料だ。またリリーフ陣もケムナ誠、コルニエル、島内颯太郎、塹江敦哉は26歳以下とまだまだ若さがある。薮田和樹、岡田明丈、矢崎拓也のドラフト上位指名で入団した3人が伸び悩んでいるのは誤算だが、それを補えるだけの布陣となってきていると言えそうだ。

今後課題となってくるのは森下に次ぐ先発の柱を確立することではないだろうか。大瀬良大地、九里亜蓮、野村祐輔の3人はまだまだ余力があるように見えるが、年齢的なことを考えると徐々に後退期に入ってくると考えられる。それを埋めるのが先述した遠藤、高橋昂也だけでは少し物足りないのが現状である。

新外国人のバードとネバラスカスが合流してリリーフ陣に余裕が出てきたら、森浦と大道の2人は先発転向も検討すべきではないだろうか。また来年以降、フランスアが抑えとして戻ってくるのであれば、栗林を先発で起用するというのも面白い。主砲の鈴木誠也がこのオフにもポスティングシステムでメジャー移籍ということが考えられるだけに、来年以降は更に投手を中心に守り勝つ野球をすることが必要になってくる。今シーズンは順調なスタートを切ったが、中長期的なことを考えての投手編成も今後重要になってくるだろう。(文・西尾典文)

●プロフィール

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員

西尾典文

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