社説:ワクチン5割超 若年層への接種加速を

  • 京都新聞
  • 更新日:2021/09/15

新型コロナウイルスワクチンの2回の接種を終えた人の割合が人口の5割を超えた。

国内のワクチン接種は、審査に時間を要して2月開始にずれこんだ。供給不足もあって欧米に比べて遅れていたが、大規模接種会場や職場接種の導入で追い付きつつある。

現在は1日100万回ペースを維持しており、政府は希望者への接種を完了する11月をめどに行動制限の緩和を目指している。

ただ、変異株の広がりは予断を許さない。若い世代への接種加速と医療逼迫(ひっぱく)の解消が鍵となろう。

政府の集計によると1回目を終えた人は人口の63・0%、2回目は50・9%に達した。

だが、接種率は世代間で大きな差が生じている。先行して始めた65歳以上の2回接種率は88%なのに対し、8月から本格化した64歳以下は27・6%にとどまる。

現役世代は、仕事などの関係で日程調整が難しい人もいる。行政や企業は、希望者が受けやすい環境づくりを工夫してもらいたい。

国内データの分析では、4~5月の第4波に比べ、第5波では同じ期間で感染者数が3倍近くだったのに対し、死者は6割減だった。ワクチンの効果は表れている。

ワクチンの普及には、接種への正しい理解が欠かせない。

欧米では接種率が7割に達すると頭打ちになっている。背景には、ワクチンの安全性に対する不信感などから若者を中心とした接種控えがあるようだ。

政府は、副反応の調査結果も含め、最新データに基づく科学的知見を積極的かつ丁寧に説明してほしい。

希望者への接種完了を前提として、経済活動の再開に軸足を移す動きも出てきた。接種証明となる「ワクチンパスポート」の活用が、都道府県をまたぐ旅行や大規模イベントの参加の条件として検討されている。

ワクチン接種はあくまで任意で、病気などの事情から受けられない人もいる。差別的な扱いを防ぐことが不可欠だ。接種率の地域差解消も課題となる。

政府の対策分科会は「全ての希望者が接種を終えたとしても集団免疫の獲得は困難」との見解を示している。接種後の感染も少なからず確認されており、ワクチン効果を過信することはできない。

病床確保をはじめ医療体制の拡充を急ぎ、感染状況に応じて「密」を回避するなど基本対策の継続が求められる。

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