
テイラー・スウィフト(ABACA=ロイター)
17日にブラジル・リオデジャネイロで行われた公演でファンが熱中症とみられる症状で亡くなったことを受けて翌日の公演を延期した米歌手テイラー・スウィフト(33)が19日、公演を再開させた。
「土砂降りの雨の中、6万5000人のファンが一緒に踊ってくれるなんて、なんて幸運なのだろう?」とファンに語り、ブラジルでの初公演をサポートしてくれたことに感謝した。
17日の初日公演は39度の猛暑に見舞われ、23歳の女性が倒れて救急搬送されたものの帰らぬ人となった。この日のスタジアム内は、体感温度は60度に達し、他にも多くのファンが体調不良を訴えていた。記録的な熱波ににもかかわらず、運営側は会場への水の持ち込みを禁止していたと報じられている。
悲劇的なファンの死を受け、「打ちのめされている」「言葉にすることができない」と悲痛な思いつづったコメントをインスタグラムのストーリーで発表していたスウィフトは、復帰ステージでは記録的な暑さの中でショーを観に来てくれたファンに感謝の言葉を述べたという。その後、亡くなった女性に哀悼の意を示し、ピアノを弾きながら悲しみと心の痛みを歌った楽曲「Bigger Than the Whole Sky」をサプライズ熱唱。「さよなら、さよなら、さよなら/あなたは空よりも大きかった/あなたはただの短い時間以上の存在でした」と、涙ながらに歌っていたといい、ファンはこの曲は亡くなった女性へのオマージュだと推察している。
女性の父親は、「水の持ち込みが禁じられていたのか、救助態勢に怠りがあったのか、何が起きたか知りたい」と話し、捜査を求めていると地元メディアの取材でコメントしている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)