崩れた平穏相場と「最期」の日経平均株価高騰 後編

崩れた平穏相場と「最期」の日経平均株価高騰 後編

  • 財経新聞
  • 更新日:2021/09/15
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アメリカのダウ平均株価は、コロナ禍対策における大規模な金融緩和と財政出動に支えられて、世界を大きくリードしながら上昇を続けてきた。だが9月以降はその勢いを失っており、9月8日から13日までの期間においては、ダウ市場もナスダック市場も緩やかな下落となっている。

【前回は】崩れた平穏相場と「最期」の日経平均株価高騰 前編

特にダウ平均株価については、ここ1カ月間において約1,000ドルの下落となっていたが、9月14日には弱い経済指標(米消費者物価指数)を受けて、300ドルほどの大幅な下落となった。これらの資金がアメリカの株式市場から、活況な日本の株式市場に向かっただけと考えれば、そこまで憂慮すべき問題ではないかもしれないが、気になるのは、このところアメリカの経済指標が弱い結果となっていることだ。

コロナワクチンの普及によって、いち早く経済活動の正常化に大きく舵を切ったアメリカは、一時期は感染者の抑え込みに成功し、このまま経済復興への道を歩むのかと思われた。しかしながら、全国民の半数ほどがワクチン接種を進めたところで接種率が頭打ちとなってくると同時に、感染者も死亡者数も増え始めているという様相だ。

当然のことながら、当初は力強く回復してきた様々な経済指標にも陰りが見え始め、9月の雇用統計は市場予想の約72万人増を大幅に下回る約23万人の増加でしかなく、大きなネガティブサプライズとなった。続いて14日に公表された消費者物価指数も、芳しい結果ではなかったといえる。

大規模な金融緩和によって、ここまでの経済回復を確認したアメリカのFRB(アメリカの中央銀行としての組織体)は、いよいよテーパリング(金融緩和の縮小)へと舵を切り始めていたはずだが、回復に陰りがあるとすれば議論が巻き戻る。

もちろん、テーパリングの議論が巻き戻るだけであればまだよい。もし万が一にも、大規模な金融緩和が、コロナ禍という感染症に対して無力であったとすれば一大事だ。FRBの取り組みによって、アメリカ経済は回復せず、ただただ貧富差が拡大した上、資産のバブルを遺物として残しただけだったとしたら、どうだろうか。

コロナ禍後も活況である株式市場は全てマヤカシであったと結論付けられ、そこから一気にバブルが崩壊していくことも現実的になってくる。もちろんアメリカ市場だけではなく、同じく金融緩和を続ける世界中の中央銀行が間違った方向に進んでいたことになる。「アベノミクスの再来」など、とんだおとぎ話になるだろう。

これまでの市場は、経済指標が悪ければ緩和の継続、経済指標が良ければ経済の回復と、非常に心地の良い環境であったに違いない。しかしながら、今後も発表され続けるアメリカの経済指標の結果次第では、そんな桃源郷から一気に突き落とされる可能性が十分にあるといえる。

しばらくは日本の株式市場に資金が集まってくることが予想されるが、今後のアメリカの経済指標には、特に注目すべきといえるだろう。果たして、現在の日本市場の活況が、コロナバブルの「最期」の高騰となるのだろうか、注視していきたい。

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