土地取引の目安となる宮城県内の基準地の価格が公表され、県全体では11年連続の上昇となりました。新型コロナに伴う行動規制が解除されて、景気が持ち直しているとして、上昇率は去年より拡大しました。
【写真を見る】「仙台駅東口の活性化が進んでいる象徴」宮城野区榴岡1丁目で上昇率20% 県内地価「プラス2.3%」11年連続上昇
県地価調査は、7月1日時点の県内405地点の価格を調査したもので、土地取引の目安となります。今年度の県全体の平均変動率はプラス2.3%で、11年連続の上昇となりました。上昇率は去年を0.6ポイント上回っていて、全体的には新型コロナの影響が和らぎ、地価の回復傾向が見られました。
商業地は、上昇率が3.9%で、全国6位でした。最高価格は、41年連続で青葉通りに面する仙台市青葉区中央2丁目の仙台東宝ビルで1平方メートルあたり418万円でした。
一方、上昇率が最も高かったのは、仙台駅東口の宮城野区榴岡1丁目で、上昇率は20%でした。
西山総合鑑定所 西山敦不動産鑑定士:
「ヨドバシ仙台第一ビルの開業、ペデストリアンデッキの整備、東口の活性化が進んでいる象徴」
一方、住宅地も上昇率が全国8位の1.7%で、去年を0.4ポイント上回りました。
西山総合鑑定所 西山敦不動産鑑定士:
「特に地下鉄の駅や大規模スーパー、病院などへの接近性の良いところの需要が高い。やや利便性が劣っても割安感のある地域についても上昇率が拡大している」
仙台市に加え、その周辺市町でも需要が増加しており、上昇率が最も高かったのは去年と同じ富谷市富ヶ丘2丁目で14.2%でした。
西山総合鑑定所 西山敦不動産鑑定士:
「開発が新しい団地が多くて、開発中の団地もある。子育て世代を中心に仙台市から流入するという流れも見られます」
一方で、新型コロナによる観光需要が減少するなどの影響は少なくなりましたが、人口減少や高齢化が進む蔵王町遠刈田温泉(マイナス6.2)や大崎市岩出山(マイナス6.2)などでは下落率が大きくなりました。