170万年前の人類が「温泉」で食料をゆでて食べていた可能性

170万年前の人類が「温泉」で食料をゆでて食べていた可能性

  • GIGAZINE
  • 更新日:2020/09/16
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人類史上最古の道具使用の痕跡があることで知られる、東アフリカのオルドバイ峡谷に、かつて温泉が存在していたという論文が発表されました。人類が温泉のそばに定住していたことを示すこの発見から、専門家は「人類は火を使うようになる以前から温泉で食料をゆでて食べていた可能性がある」と指摘しています。

Microbial biomarkers reveal a hydrothermally active landscape at Olduvai Gorge at the dawn of the Acheulean, 1.7 Ma | PNAS

https://www.pnas.org/content/early/2020/09/14/2004532117

Did our early ancestors boil their food in hot springs?

https://phys.org/news/2020-09-early-ancestors-food-hot.html

古代の人類が温泉のそばに住んでいたことを突き止めたのは、マサチューセッツ工科大学ケンブリッジ校の研究者であるAinara Sistiaga氏らの研究チームです。2016年に、タンザニアのオルドバイ峡谷で実施された発掘調査に参加したSistiaga氏は、170万年前の地層から採取された砂の組成がその下にある180万年前の地層とは大きく違うことを発見しました。

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170万年前の東アフリカは、徐々に砂漠化が進行していた時期だとされていることから、Sistiaga氏は当初、砂の組成の違いは植生の変化に由来するものだと考えていたとのこと。そのため、Sistiaga氏はオルドバイ峡谷から持ち帰ったサンプルを分析し、植物由来の脂質を検出して当時の植物の種類を調べようとしました。しかし、サンプルから見つかったのは植物とは無関係な脂質だったとのこと。

そこで、Sistiaga氏が論文の共著者であるロジャー・サモンズ氏にデータの解析を依頼したところ、サモンズ氏は問題の脂質がアメリカのイエローストーン国立公園で発見されたThermocrinis ruberという好熱性細菌が合成する脂質と同じものだということを突き止めました。

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byKevin Oliver

サモンズ氏は、「Thermocrinis ruberは温度が80度を超えない限り成長することができません。オルドバイ峡谷のサンプルから、このような細菌が生み出す脂質が見つかったということは、当時のオルドバイ峡谷には高温の水があったことを明確に示していると考えられます」と述べました。

また、Sistiaga氏がサンプルを採取した場所は、石器や動物の骨といった初期の人類の生活跡が見つかっている場所と隣接していたことから、研究者らは「170万年前のオルドバイ峡谷には温泉が存在し、そのすぐそばに人類が定住していた」と推測しています。

Sistiaga氏は、「人類の遺跡のそばに温泉が存在した可能性があることは証明できますが、人類が温泉と関わりを持ったことを示す証拠はありません。おそらく、170万年前に姿を消した種の行動を知ることは非常に困難でしょう」と指摘。その上で「もし古代の人類が熱水の中に落ちてゆで上がった獣を見つけたら、それを食べないとは思えません」と述べて、人類が温泉で食べ物を調理していた可能性は高いとの見方を示しました。

研究チームは今後、オルドバイ峡谷でさらなる調査を実施し、今回見つかったものと同様の脂質や温泉の存在を示す兆候を探す方針とのことです。

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