色白=美?アジア系アメリカ人の私が困惑した「アジアの美の基準」

色白=美?アジア系アメリカ人の私が困惑した「アジアの美の基準」

  • コスモポリタン
  • 更新日:2021/05/07
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国や時代、個人の価値観によって大きく異なる「美しさの概念」。近年は、ありのままの自分を愛すボディポジティブな価値観が世界中で浸透しつつある一方で、いまだに社会に根付く「美人の定義」に傷つき、悩まされる人も…。

さらに、その“美のスタンダード”は、場所によって文化や風習が違うように、国や地域によって大きく異なることがわかっています。

そこで本記事では、<Good House Keeping>のライターであるフィリピン系アメリカ人のシャノン・マグレンテさんの体験談と専門家の解説を交えて、彼女たちが考える「アジアの美の基準」を紐解いていきます。

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色白=美しい?

2010年の夏に、両親が育ったフィリピンの街を訪れたシャノンさん。昼過ぎに、幼い従兄弟とビーチに行った後、祖母の家に戻ると、祖母に何度も「真っ黒に焼けたね」とビサヤ語で言われたそう。

「真っ黒になるよ」-- これは、シャノンさんが子どもの頃から母や叔母によく言われてきた言葉。そんな背景から、子どもの頃から太陽の下で日傘をさしたり、帽子をかぶったりするようになったそう。

「強い日差しから身を守るためというのはもちろんですが、年齢を重ねるにつれて、この言葉にはもっと深い意味があると思うようになりました。というのも、日焼けを避けようとするのは、カラリズム(肌が白いほうが社会的地位が高く、美しいという捉え方)が同じアジア人の中でも存在するからではないかと気づいたからです」

多くのアジアの国々では、色白であることが美しさと捉えられがちです。そしてこのプレッシャーの多くが「母親や家族によって植えつけられるもの」だと話すのは、バーモント大学の社会学の准教授であるニッキー・カンナさん。

カンナさんによると、一般的に多くのアジア人女性たちは「色白の方が美しい」と教えられてきたそう。そのため現代でも、異性の好意を得たり、人生で成功したりするには、肌が白いほうが良いと思い込んでいる人もいるんだとか。

歴史的にも、アジアには白い肌を望む文化が見受けられるんだそう。たとえば古代中国では「白い肌」がエリートで優秀な人を象徴した一方で、そうでない人は、太陽の下で働く肉体労働者であることを示唆していたといいます。

そういった価値観は未だに根深く、今でもアジアでは「美白」が重要視されているのだそう。

白人の母親とインド系の父親を持つカンナ先生は、「インドでは、美白クリームや美白石鹸が売れ筋なほか、肌を白くしたり、白く保ったりするためのサプリメントやフェイスマスク、レーザー治療などの需要も高い」と、解説。

「肌のホワイトニングは巨大マーケットで、有色人種、特に女性たちの不安感やコンプレックスを利用しているのです」

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大きな目への切望

白い肌と同じくらい美の象徴として捉えられているのが、大きな目とくっきりとした二重まぶた。

シャノンさん自身も、目を大きく見せてくれるディファインコンタクトを使用していたことや、二重まぶたにした手術の経験を話すYouTuberの動画を見ていた過去があるんだそう。

「10代のときはこういった整形に関する動画にとても興味がありましたし、人気YouTuberたちも同様の見た目でした。そしてやがて、『大きな目=美しい』と思うようになり、可能な限り目を大きく見せようと心がけていた時期もありました」

アジアにおける二重まぶた手術の歴史は19世紀に始まり、当初は特に台湾やモンゴルなどで人気だったのだそう。

これらの憧れが形成された理由としては、ハリウッド作品に登場する俳優たちの姿や、目の大きなアジア系の俳優たちを美しいと発信してきたメディアによる影響だとも言われています。

小さいアゴへの憧れ

世界で最も整形件数が多いのはアメリカですが、韓国も整形大国として知られています。

19歳から29歳の女性のうち、3人に1人が整形手術をしていると言われていて、『VIP International Plastic Surgery Center』によると、二重まぶたと同じように、アゴを削る手術も人気なんだそう。これは小さなアゴ、V型のアゴ先が理想とし、手術では口の中を小さく切開し、骨を削り落とすというもの。

さらに、鼻を高くする手術もアジアでは定番です。アジア人の鼻は平たく広めな傾向にあるため、鼻形成手術では、鼻を高くシャープにすることを目指すことが多いよう。

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アジアと欧米の美の基準の違い

アジア系アメリカ人のシャノンさんは、アジアと欧米の美の基準の間で揺れ動く難しさを感じていたよう。

「アジアでは、色白が讃えられている一方で、アメリカのメディアや社会では小麦肌が魅力的だとされています」

そんなシャノンさんは、フィリピンで「肌が黒くなる」と言われた一件から不安を抱くようになり、アメリカにあるアジア系スーパーで美白クリームなどを探しにいったんだそう。

「自分は色白を目指すべきなのか、アメリカ人の友人やセレブたちのように日焼けをするべきなのかと悩んだ時期もありました。でも、どちらの美の基準にも無理してまで当てはまる必要なんてないと気づき、今では気にならなくなりました」

社会が決めた「美の基準」に合わせる不健全さ

カンナさんは、美の基準はアジアに限らず、すべての女性にとって不健全なものであると考えているそう。

「アジアでは、多くの女性が色白になることを追求し、結果的には肌に良くない薬品まで使っていることもあります。一方の欧米では、皮膚がんの恐れがあるのにも関わらず、多くの女性たちが肌を紫外線に晒し、小麦肌を手に入れようとしています」

「さらにどちらの国でも、非現実的な細い体型が求められたりして、無理をし続ける人が今でもいます」

そんな呪縛から解放されるには、「自分自身の外見を否定するまえに、美の基準の歴史を探り、その基準が誰のメリットになっているのかを考えることが必要」だとカンナさん。また、整形手術をすることを悪として捉えたり責めたりするのではなく、女性たちが手術という選択をとる背景にある社会や文化、歴史に焦点を当てるべきだとも話しています。

※この翻訳は抄訳です。

Translation: Haruka Thiel

Good House Keeping

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