サッカー日本代表、W杯「最終選考メンバー候補」にみる森保監督の悩み

サッカー日本代表、W杯「最終選考メンバー候補」にみる森保監督の悩み

  • 日刊SPA!
  • 更新日:2022/09/23

◆W杯メンバー登録前の最後の代表戦

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森保監督。本番直前なだけに柔軟な采配を期待したい

11月21日に開幕するFIFAワールドカップ カタール2022。サッカー日本代表はドイツのデュッセルドルフで9月23日にUSA代表と、27日にエクアドル代表と親善試合を行う。本大会に出場できるメンバーを登録する期限が10月20日となっており、日本代表としてはその前に行える最後の活動となる。従って、今回のテーマは最終選考と言え、選手それぞれのパフォーマンスが注目される試合になるわけだ。

カタール行きの生き残りを懸けて争うことになる今回の招集メンバーは以下のとおりとなっている。

GK

川島永嗣(RCストラスブール/フランス)

権田修一(清水エスパルス)

シュミット・ダニエル(シントトロイデン/ベルギー)

谷晃生 (湘南ベルマーレ)

DF

長友佑都(FC東京)

吉田麻也(シャルケ/ドイツ)

酒井宏樹(浦和レッズ)

谷口彰悟(川崎フロンターレ)

山根視来(川崎フロンターレ)

中山雄太(ハダースフィールド/イングランド)

冨安健洋(アーセナル/イングランド)

伊藤洋輝(VfBシュツットガルト/ドイツ)

瀬古歩夢(グラスホッパー/スイス)

MF/FW

原口元気(ウニオン・ベルリン/ドイツ)

柴崎岳(レガネス/スペイン)

遠藤航(シュツットガルト /ドイツ)

伊東純也(スタッド・ランス/フランス)

南野拓実(モナコ/フランス)

古橋亨梧(セルティック/スコットランド)

守田英正(スポルティング/ポルトガル)

鎌田大地(アイントラハト・フランクフルト/ドイツ)

相馬勇紀(名古屋グランパス)

三笘薫(ブライトン/イングランド)

前田大然(セルティック/スコットランド)

旗手怜央(セルティック/スコットランド)

堂安律(フライブルク/ドイツ)

上田綺世(セルクル・ブルッヘ/ベルギー)

田中碧(デュッセルドルフ/ドイツ)

町野修斗(湘南ベルマーレ)

久保建英(レアル・ソシエダ/スペイン)

◆メンバー候補は33名に絞られた

上記の選手ら以外にも有力候補がいる。ボルシア・メンヒェングラートバッハ所属のDF板倉滉とボーフム所属のFW浅野拓磨は、負傷のため今回の招集を見送られていた。2人とも膝を痛めているが、「本大会には戻ってこられ、選考対象になれる状態」と、森保一監督が明かした。どちらも新天地でレギュラーをつかみ躍動していただけに残念で、本大会までに復調することを祈るしかない。

有力候補はもうひとりいる。ヴィッセル神戸の大迫勇也だ。負傷をきっかけに調子を落としており、今回も招集を見送られてしまった。森保監督下の日本代表において実績は十分にあるので、こちらも復調すれば最終メンバーに選ばれる可能性は大いにある。

今回招集された30名に板倉、浅野、大迫の3名を加えた33名が、森保監督の頭にある最終候補選手となるだろう。登録できる人数は26名となっており、このなかから7名が落選することになる。

◆GK、DF候補の注目選手は?

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ドイツで躍動する鎌田。定位置を掴めるか

前回大会までは23名だったが、今大会は26名に増枠されている。それでもGKは3枠となるだろう。これまでの実績でいえば、権田修一と川島永嗣は当確となるだろう。よって、シュミット・ダニエルと谷晃生で最後の枠が争われると予想されるので、この2戦では2人に出場機会を与えてもらいたい。

DFは4バックがベースになり、右SB、左SB、CBの右と左の各ポジションで2枠ずつが考えられており、最低でも8名が選ばれるだろう。今回は右SBが2名、左SBが3名、CBが4名の招集となっている。それぞれ2枠と仮定すれば、左SB候補になっている長友佑都、中山雄太、伊藤洋輝のうち1名が落選することになるため、今回の2試合で注目すべきポイントのひとつとなる。

CBでは、今年1月にセレッソ大阪からスイスのグラスホッパーに移籍した瀬古歩夢が招集された。クラブではCB以外にボランチとして起用されることもあり、そのユーティリティー性は板倉と重なっている。現状では、ブンデスリーガ1部でもしっかりと結果を残してチームを上位に押し上げた要因のひとりとも言える板倉のほうがプライオリティーは高い。だが、負傷の影響がどれほどかわからない現状のため、瀬古にも十分にチャンスがある。

とはいえ、26名に増枠されたことを踏まえると、DF枠は8名ではなく9名になる可能性も十分に考えられ、今回の招集メンバーがそのまま最終メンバーになることもあり得るだろう。

◆採用フォーメーションで左右されるMF枠

GKが3名、DFが8〜9名と考えれば、MF/FWの枠は13〜14名となる。DF同様に各ポジションで2枠という考え方が基本となる。ただ、最終予選のときに定着した「4―3―3」ではなく、「4―2―3―1」というオプションも考えられる。おそらくボランチ枠で3〜4名、サイドハーフあるいはウイングで左右2名ずつ、インサイドハーフあるいはトップ下枠で3〜4、トップ枠で2〜3名となるだろう。ただ、候補選手には複数のポジションをこなせる人材が多く、それを見越した選出になることが予想される。

ボランチの枠は実績から考えると、今回のメンバーである遠藤航、田中碧、守田英正、柴崎岳で決まりだろう。加えて、板倉あるいは瀬古もボランチの候補となるため、この4人で十分となる。3名と考えれば、柴崎が当落線上の候補筆頭と言えるだろう。

サイドハーフ、ウイングの枠について、右は伊東純也、堂安律、久保建英が有力候補になる。ただ、久保はインサイドハーフ、トップ下の候補にもなるため、3人とも選出される可能性がある。実際に、新天地を求めた所属クラブでは3人とも好調で、しっかりと定位置を確保しチャンスメーカーとして活躍している。

左は原口元気、南野拓実、前田大然、三苫薫、旗手怜央、相馬勇紀が候補になる激戦区だ。実績やユーティリティー性を考慮すると、原口、南野は当確と言える。残りの枠を前田、三苫、旗手、相馬で争うことになる。また、左右のどちらかになるかわからないが、このポジションの候補として負傷中の浅野も加わってくる。

インサイドハーフおよびトップ下の枠は、ほとんどが他のポジションもこなす選手で埋められる。「4―3―3」時のインサイドハーフで言えば、第一候補は田中と守田になるし、「4―2―3―1」の場所では久保がトップ下の候補になる。さらに、トップ下で言えばこのポジション特化している鎌田大地が最有力候補になる。続いてセカンドストライカーとして南野もこの枠の候補になる。ポジション争いの激しいサイド枠から久保、原口、南野をこの枠で扱うと、その3人に鎌田を加えた4名でほぼ確定になることが予想される。

◆FW枠、実績なら大迫と古橋だが…

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久保のポジションは激戦区だ

FW枠は古橋亨梧、上田綺世、町野修斗、そして招集外だった大迫の4名で争われることになる。実績で言えば大迫と古橋で決まりなのだが、低調な大迫を招集せずにE-1選手権で結果を残した町野を招集したことからもわかるように、森保監督が選考で最も悩んでいるポジションと言える。このポジションは最もゴールに近い位置で、必然的に得点が期待される。それだけに実績よりも調子の良し悪しで選ばれることを望む。選手の調子が選考基準で優先されれば、町野が選出されるサプライズの可能性も高まる。

MF/FW枠をまとめると、遠藤、田中、守田、伊東、堂安、久保、原口、南野、鎌田、古橋は当確になる。残り3〜4枠をその他の選手で争うことになるのだが、これまでの招集実績から言えば柴崎、三苫、前田の3名が選考レースを先導している。

ブラジル大会時に日本代表を指揮したザッケローニ監督は、「実力が同じなら若いほうを選ぶ」と自身の選考基準を明かしたことがある。代表チームにとって、この考え方は大切にしなければならない。もちろん、結果が優先されるので、そのときのベストである選手を選考すべきなのは当然である。ただ、代表チームは未来永劫続くので、次世代も見据えなければならない。それ故に、ザッケローニ氏が明かした選考基準は大切になるのだ。森保監督も迷ったときには、忖度せずに若いほうを選出してほしい。

<文/川原宏樹 撮影/松岡健三郎>

【川原宏樹】

スポーツライター。日本最大級だったサッカーの有料メディアを有するIT企業で、コンテンツ制作を行いスポーツ業界と関わり始める。そのなかで有名海外クラブとのビジネス立ち上げなどに関わる。その後サッカー専門誌「ストライカーDX」編集部を経て、独立。現在はサッカーを中心にスポーツコンテンツ制作に携わる

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