溝に倒れていた95歳の男性の命を救った若者8人に、警察から感謝状がおくられました。とっさの判断で人命救助を行ったのは、カンボジア国籍の技能実習生でした。
【写真を見る】「言葉が分からなくても…」カンボジアの技能実習生8人が『とっさの判断』溝で倒れていた95歳男性を救助
須崎警察署から感謝状が贈られたのはカンボジアからきた技能実習生8人です。高知県須崎市のミョウガ農家で、農業を学びながら働いている彼ら。「とっさの判断」で人命救助をしたのは、8月14日のことです。
実習生たちが異変に気付いたのは午後5時半ごろ。草がおおい茂った自宅近くから、助けを求めるような男性の声が聞こえたといいます。
(クン・ソックホーさん)
「ここに落ちて(倒れて)いた。おじいちゃんの『おーいおーい』だけ聞こえた。家にいたら音だけ聞こえて来てみたらおじいちゃんがいた」
その後、溝で倒れていた男性を発見。倒れていたのは、近くに住む95歳の男性で、声をかけても反応がありません。熱中症になっているのではと考えた彼らは、実習先の雇い主を通して警察を呼んだほか、家から水分を持ってきたり段ボールであおいだりしました。男性は救急車で病院に搬送され一命を取り留めました。
(ヤン・ソテェアさん)
「言葉がわからなくても気持ちは助けないといけない。助けてみんなうれしい」
警察によると、「もし男性が発見されていなかったら、命が危なかった」といいます。国境をこえた思いやりが救った、1人の命。警察は「目の前で困っている人がいたら助ける気持ちを忘れないでほしい」と話していました。