着る人を引き立てる、「一生モノ」のアクリスのスーツ

着る人を引き立てる、「一生モノ」のアクリスのスーツ

  • Forbes JAPAN
  • 更新日:2020/08/02
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Forbes JAPAN本誌で連載中の『紳士淑女の嗜み』。ファッションディレクターの森岡弘とベテラン編集者の小暮昌弘が「紳士淑女が持つべきアイテム」を語る。今回は6月号(4月25日発売)より、「アクリス」のジャケットとワンピースをピックアップ。

森岡 弘(以下、森岡):今回取り上げるのはこの連載初のウイメンズブランド、スイスで生まれたアクリスです。

小暮昌弘(以下、小暮):本誌では何度も取り上げられているお馴染みのブランドですね。名前は存じておりましたが、実際の商品を間近で拝見するのは初めてです。

森岡:目的をもち、自立した女性のためのラグジュアリーファッションとアクセサリーのブランドです。

小暮:最高級の素材と卓越したクラフツマンシップによって生まれるブランドだと聞いています。

森岡:華美ではなく、女性を引き立てる。仕立てや素材にこだわる、ある意味、メンズライクなブランドと言えます。

小暮:それゆえアクリスは、「ディスクリート(=控え目な)ラグジュアリー」と呼ばれています。

森岡:女性のパーソナルスタイリングの仕事をしているときに、よく「着る服がない」という話を皆さんから聞きます。世の中に服はたくさんあるのですが、スーツを探しているときに、重さを感じる、年齢がある程度上に見える佇まいがしっかりして見える服を見つけるのがとても難しいという相談を受けるのです。

小暮:全体がカジュアル化していますから、女性用のキチンとした服ならばなおさらです。

森岡:最近では女性が上司の場合もあるでしょう。初めての会社に挨拶に行ったときに、スーツを着た女性の装いが軽く、上下関係の勘違いから男性から名刺交換をしてしまったと仰っている人がいました。女性の品格ある服を探すということはやはり難しいものです。

小暮:アクリスのHPなどをチェックすると、創業者はアリス・クリームラー=ショッホという女性です。2代目の妻でビジネスを発展させた人も女性だそうです。アクリスはある意味、女性を知り尽くしているブランドでしょうね。

森岡:過去にはパリの老舗クチュールメゾンとも提携していたそうです。

小暮:スイスと聞くと、男性は「時計」のイメージをもちますが、素材も有名です。シャツ生地の良質なものが多いですし、私が愛用しているアウトドアウェアのストレッチ生地も確かスイス生まれでした。いずれも高級生地として知られています。

森岡:スイスは水がきれいなので、機械だけでなく、生地メーカーも多いのでしょうね。スイスのそういったバックボーンもアクリスには根付いているのだと思います。

小暮:現在、アクリスのクリエイティブディレクターを務める3代目、アルベルト・クリームラーは「まず、一片の生地を手にすることからクリエーションは始まります」と述べています。アクリスの故郷、サンガレンの街は古くからテキスタイル産業が盛んでアクリスは熟練の職人たちが集まる素材メーカーと協力し、最新のテクノロジーで独自の素材を開発しています。

森岡:女性のブランドで、素材をそこまで真正面から謳うことは意外とないと思います。それに仕立ても立体的でとても洗練されています。まさに女性をエンパワーメント(=引き立てる)してくれる服であり、ブランドだと思います。

小暮:着る人を引き立ててくれるから、世界中のセレブリティからも愛用されているのですね。アンジェリーナ・ジョリーやリース・ウィザースプーンなどのハリウッドセレブや、ミシェル・オバマ元大統領夫人、欧州中央銀行総裁のクリスティーヌ・ラガルド、米下院議員のナンシー・ペロシなどの有名人がワードローブに選んでいます。

森岡:彼女らの着る服はこれみよがしではいけない。「あれを着ているな」と思われてもだめです。品が絶対に必要なのです。ファッションではなく、スタイルをつくらないといけない。

小暮:そう思うと、素材や仕立てのよさだけでなく、コンセプトも紳士ブランドに近いのかもしれませんね。

森岡:シンプルで、上質で、品がある。着る人のキャラクターを邪魔しないどころか、アップさせてくれる。

小暮:この服にしても佇まいが本当に凛としている。よく紳士服でクラシックな一級品を一生モノと呼びますが、そんなテイストを感じるブランドではないでしょうか。

森岡 弘◎『メンズクラブ』にてファッションエディターの修業を積んだ後、1996年に独立。株式会社グローブを設立し、広告、雑誌、タレント、文化人、政治家、実業家などのスタイリングを行う。ファッションを中心に活躍の場を広げ、現在に至る。

小暮昌弘◎1957年生まれ。埼玉県出身。法政大学卒業。82年、株式会社婦人画報社(現ハースト婦人画報社)に入社。83年から『メンズクラブ』編集部へ。2006年から07年まで『メンズクラブ』編集長。09年よりフリーランスの編集者に。

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