世界に誇る獣医の最先端治療 人工心肺を使い心臓を止めて手術することも

世界に誇る獣医の最先端治療 人工心肺を使い心臓を止めて手術することも

  • NEWSポストセブン
  • 更新日:2022/05/14
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機器が充実した手術室。手術の普及のため、国内外より獣医師、動物看護師の見学も受け入れている(写真/JASMINEどうぶつ総合医療センター)※受診には、かかりつけ病院からの紹介が必要

どんな時も寄り添ってくれる愛犬や愛猫も、人間と同様に歳を取れば病気になる。同時に、動物を対象とした医療の進歩は目覚ましく、高度医療に特化した病院も登場。海外にその名を轟かせる最先端治療を行う獣医もいる。

【写真4枚】僧帽弁修復手術の執刀医を務める上地センター長と水野祐医長。他、日本動物高度医療センターの写真なども

神奈川県横浜市の『JASMINEどうぶつ総合医療センター』が行っているのは心臓の僧帽弁修復手術。上地センター長と水野祐医長の2人それぞれが僧帽弁修復手術の執刀医を務める。

高齢の犬で最も多くみられる心疾患「僧帽弁閉鎖不全症」。特に小型犬に多く、左心房と左心室の間の僧帽弁が正常に閉まらなくなることで血液が逆流し、進行すると肺水腫や心不全などを発症して死に至る場合もある。根治的な僧帽弁修復手術で世界一の手術実績(約2360件)を持つのが、上地正実センター長だ。

「人工心肺を用い、心臓を60分間止めて手術します。小さなチワワの場合、僧帽弁の大きさは人間の小指の爪ほどですが、断裂した弁の腱を針と糸で元の位置に戻し、広がった弁の根元を縫い縮めて弁がうまく閉じるようにします」(上地センター長)

かかる費用は、手術費用143万円、入院やその後の通院などで合計212万~222万円。退院率は98.57%(2022年実績)。米国など海外から愛犬の手術を受けにくる飼い主も多い。

『日本動物高度医療センター 川崎本院』(神奈川県川崎市。※愛知県名古屋市、東京都足立区に系列病院あり。来春、大阪府箕面市に大阪病院を開院予定)で行われているのは尿管膀胱新吻合だ。

近年増加している猫の結石による尿管閉塞は、治療が遅れると死に至ることもあり、治療後に再閉塞の可能性もある病気だ。犬・猫向けの高度医療(二次診療)に特化した「日本動物高度医療センター」(JARMeC)は、「尿管膀胱新吻合」という手術で多くの猫を救っている。

「尿路確保法として尿路切開などの選択肢もありますが、当センターでは尿管膀胱新吻合を第一の選択としています。手術の難易度は上がるものの、手術による改善率が98・8%と高く、尿管再閉塞率が1%台と低いためです」(JARMeC川崎本院・山崎寛文院長)
※受診には、かかりつけ病院からの紹介が必要

取材・文/上田千春

※週刊ポスト2022年5月20日号

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