40年前の日本海中部地震で被災した秋田県能代市の幼稚園では、地震から得た教訓を生かして園児の命を守っている。26日は園児も当時の災害に思いをはせ、真剣に避難訓練に臨んでいた。
訓練での呼び掛け:
「幼稚園の皆さん、地震です。先生のお話をよく聞いてください。机の下にもぐってください」
40年前の日本海中部地震で全壊した能代市の愛慈幼稚園。園では、教訓を受け継いでいこうと、毎年この時期に地震と津波を想定した訓練を実施している。
26日は園児56人が参加し、身をかがめて手で頭を抱える「だんごむしポーズ」で身を守ると、靴を履き替えずに庭に移動した。
愛滋幼稚園・相澤孝子園長:
「なんで(庭に)避難するか分かる?物が倒れてきたら、その下敷きになってけがしたりするし、頭打ったりしたら大変だよね。だから広いところに集まりました」
園は海の近くに建てられていて、40年前も津波が押し寄せる可能性があったことから、園児たちは年齢ごとに分かれ、近くの高台・能代公園に避難する。
3歳の園児はバスで移動。年中・年長組は歩いて公園に向かうが、通常であれば10分かかるところを、7分ほどで全員無事に避難した。
幼稚園の職員は、子どもたちに「幼稚園の子どもたちは手を合わせて『いただきます』グラグラグラグラ。給食を食べようとしたときに揺れたんだって。長い長い揺れでした」と40年前の様子を話して聞かせた。
園児たちは、40年前に自分たちの町で何が起きたのかを聞き、改めて防災への意識を高めていた。
園児は「早く逃げる」「テーブルの下にダンゴムシになって隠れる」「おしゃべりしない、押さない」と訓練で教えてもらったことを話してくれた。
愛滋幼稚園・相澤孝子園長:
「津波がやってきたら高い所に逃げなきゃいけないよということを、子どもたちにしっかり分かってもらえたかなと思います」