『コンフィデンスマンJP プリンセス編』が他の作品と違う理由 ヒロイン・関水渚の功績

『コンフィデンスマンJP プリンセス編』が他の作品と違う理由 ヒロイン・関水渚の功績

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  • 更新日:2022/01/16
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『コンフィデンスマンJP プリンセス編』(c)2020「コンフィデンスマンJP」製作委員会

「本物も偽物もない。信じればそれが真実」

シリーズ最新作『コンフィデンスマンJP 英雄編』の公開を記念して、1月15日にフジテレビ系『土曜プレミアム』にて地上波初放送される『コンフィデンスマンJP プリンセス編』(2020年/以下『プリンセス編』)は、冒頭のダー子(長澤まさみ)の台詞がひとつのテーマになっている。つい、できない言い訳を探してしまう私たちに、ダー子が優しく語りかけてくれるのだ。「私たちは、何にでもなれる。なりたいと思ったものになれる」と。

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連続ドラマから始まった『コンフィデンスマンJP』シリーズは、さまざまな手口を使い、悪党から大金を騙し取っていく“コンフィデンスマン”たちの活躍を描いてきた。視聴後のスカッとする感覚は、近年のエンタメ作品のなかでも随一だろう。毎回、「また騙された……!」と思いながらも、ハラハラするスリルを楽しんでいる自分がいる。

ただ、劇場版第2弾として公開された『プリンセス編』は、これまでのシリーズとは一線を画した作品だったように思う。作品を観終えたあとに残ったのは、心がじんわりとほぐれていくような優しい感情だったのだ。

物語は、世界有数の大富豪・フウ家の当主が亡くなったところから始まる。彼が遺した莫大な遺産を狙い、ダー子、ボクちゃん(東出昌大)、リチャード(小日向文世)の3人が、華麗にコンゲームを仕掛けていく……とここまでは、従来の流れと同じだ。しかし、子猫ちゃん(=ダー子たちの手下)として、コックリ(関水渚)が加わったことで、物語はハートフルな方向へと舵を切ることに。その結果、『プリンセス編』は新たなファン層を獲得。興行収入は38.4億円となり、前作を上回るヒットを記録した。

本作の主人公は、言わずもがなダー子である。しかし、“ヒロイン”は、間違いなくコックリだった。コックリは、身寄りのない陰気な女の子。ひょんなことからダー子に拾われ、子猫ちゃんとしてチームに加わることになる。何を聞かれても、無言で頷くことから、“コックリ”と名付けられた彼女は、ダー子の手によりプリンセスに仕立てられていく。そして、類を見ないほどの優しさを武器に、周囲の心を動かしていくのだ。

劇場版第1作『コンフィデンスマンJP ロマンス編』(2019年)で物語の鍵を握ったジェシー(三浦春馬)が、ダー子を惑わす唯一の男だとしたら、コックリは、ダー子を変えた唯一の女の子なのかもしれない。彼女に出逢ったことで、ダー子は、“本当の高貴”を知ることができた。“純真”という言葉が誰よりも似合うコックリは、ただ誰かの幸せをひたすらに想うことができる。太陽のような温かさで、人々の凍った心を溶かしていき、ダー子の気持ちまで変えてしまった。

「他人より優れていることが高貴なのではない。本当の高貴とは、過去の自分自身より優れていることにある」ーー。これは、冒頭でダー子が読み上げたアーネスト・ヘミングウェイの名言だ。本作を通して、この言葉の真意が少し掴めたような気がする。周囲を蹴落とすのではなく、自分自身と向き合い、その価値を“本物”だと信じて歩んでいく。難しいことのように思えるが、きっと私たちになら叶えられるはずだ。だって、誰もが誰かのプリンスであり、プリンセスなのだから。 (菜本かな)

菜本かな

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