「柔道着さえ許されなかった」 コロナと闘い続けた3年生、辞めなかった部活動で得たもの【インターハイ柔道】

「柔道着さえ許されなかった」 コロナと闘い続けた3年生、辞めなかった部活動で得たもの【インターハイ柔道】

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  • 更新日:2022/08/06
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選手宣誓を務めた新田高・秋山【写真:宮内宏哉】

インターハイ柔道、選手宣誓を務めた新田高・秋山の思い

柔道の全国高校総体(インターハイ)は6日、愛媛県武道館で開幕。初日は男子団体が3回戦まで行われ、8強が出揃った。新型コロナウイルスに翻弄されながらも部活動に励んできた世代。選手宣誓で「柔道着を着ることも許されなかった」とコロナ禍の入学当初を振り返った新田(愛媛)の秋山大季(3年)は、支えられた両親や仲間への感謝を明かしてくれた。

武道館のど真ん中に立った選手宣誓。立派に務め上げた秋山は、入学直後のことをこう表現した。

「私たちは、柔道着を着て練習することさえ許されませんでした」

2020年4月、当時は新型コロナが蔓延して間もない時期。対処法もまだはっきりしておらず、密着を避けるため、相手と組み合って練習することはできなかった。着るはずだった柔道着の代わりに、ジャージにマスクを着用してただひたすら走っていた。

一度は落ち着いても、コロナは何度も部活動を脅かした。練習はできたり、できなかったり。試合で出た課題に取り組みたくても、思ったように時間が取れないこともしばしばだった。秋山は1年の夏頃、寮内に感染者が出た影響で、1か月近く故郷の香川・高松に帰省しなければならないこともあった。

数々の困難にぶつかっても乗り越えてきたが、当然辞めたくなったことだってある。昨年の愛媛県総体では個人戦決勝で敗れ、優勝を逃した。人生で一番落ち込んだ。「これ以上、やって意味があるのかな……」。両親にも電話で弱音を吐いた。「勝ち負けが全てじゃない。もう少し頑張ってみないか」。励ましを受けた後、頭に浮かんだのは柔道部の仲間たちの顔だった。

「もう一回やり直そう」から1年越しのリベンジ

小学2年生から始めた柔道を通じて、たくさんの人と繋がってこられた。コロナ禍においては顔を合わせられるのも当たり前ではない。高校で出会った仲間、指導者と育んだ絆は秋山の財産だった。「もう一回やり直そう」。1年越しのリベンジで個人戦(男子90キロ級)、団体戦ともにインターハイの出場権を獲得した。

団体戦には副将として出場。初戦だった2回戦の沖縄尚学戦では、開始たった19秒で内股による一本勝ち。チームを勝利に導いたが、3回戦で昨年の優勝校・木更津総合に0-4で完敗。秋山は唯一の引き分けだった。「新田らしい柔道、攻めはできましたが……詰めの甘さ、競り勝てない部分が出て悔しい。強かったです」と唇をかんだ。

悔しさは8日の個人戦男子90キロ級にぶつける。高校卒業後は大学で柔道を続ける予定。「高校で日本一、大学でも日本一を目指します」。コロナに翻弄されながらも辞めずに続けてきた高校の部活動。有終の美で飾る、強い意志をにじませた。

(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)

THE ANSWER編集部・宮内 宏哉

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