パチンコ雑誌はYoutubeで健全化するか? パチンコ業界を変えるYoutubeの力

パチンコ雑誌はYoutubeで健全化するか? パチンコ業界を変えるYoutubeの力

  • 日刊SPA!
  • 更新日:2021/07/26

◆販促ツールとしてパチンコと相性のいいYouTube

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業界のご意見番として、舌鋒鋭くパチンコ業界に斬り込む大崎一万発氏とヒロシ・ヤング氏

パチンコメーカー、パチンコ屋の販促ツールとして……すなわち、パチンコ業界にとって欠かせない販促ツールとなったYouTube。8月に設置されるユニバーサルの「SLOT劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[前編]始まりの物語/[後編]永遠の物語」は導入前にVチューバーの3D配信とコラボし、ツイッターなどではかなりの反響があった。

有名演者であれば10万回再生も当たり前。新機種のPVがメーカーからアップされることは最早当たり前、導入前の機種を検索にかければ試打動画も容易に見ることができる。もちろん他ジャンルでも多く見られる巨乳ユーチューバーも複数いる。

果たしてYouTubeはパチンコ業界をどう変えたのか? どう変えていくのか? 先日発売された新書、『新装版パチンコ滅亡論』の著者である大崎一万発とヒロシ・ヤングもそれぞれYouTubeに進出しており、本書の中でパチンコYouTube情勢を鋭く分析しているので引用しながら、解説していこう。

◆パチンコ屋が運営しているyoutubeは地獄

「自分がYouTubeやるにあたって、ホールのやっているチャンネルもいろいろ見たんだけど、もう地獄だね」

と語る大崎一万発氏が自身のYouTubeチャンネル「まんぱつ」を開設するにあたり、パチンコ屋が運営するYouTubeチャンネルをチェックしたときの率直な所感である。

「マジでM1の予選で1回戦落ちするみたいなことを延々やってるわけ(笑)。300回しか視聴がつかなくて、4回くらいで更新が止まっているのもあって、もう、ひどいひどい」

大手パチンコ屋のYouTubeを実際に検索してみると、有名演者を使ったものは当然ながら再生回数が多いものの、自社スタッフが出演したものは通常の再生数の10分の1以下。例を挙げれば「ギネスに挑戦する」「地域の観光名所を案内」「パチンコあるある」……それぞれ再生回数は1000回前後である。

「結果を問われるから数字を伸ばすために有名演者さんに声をかけ、タレントさんを起用したりして。パッと見の数字は伸びるんだけど、でも当のホールにはなんの意味もないことは多い。得してるのは演者だけ、みたいなね」

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大崎氏に続きYoutubeチャンネルを開設したヒロシ・ヤング氏

こうした大崎氏の意見に対して、ヒロシ・ヤング氏は自信がYoutubeチャンネル「ヤングちゃん、寝る?」を開設して改めて感じたことをこう述べている。

「自分で始めてみてわかったし、いろんな人が言っていることでもあるけど、やっぱりり継続がいちばんなんだよね。(中略)でも、企業がYouTubeに手を出した場合、業務だから割と早い段階で結果を問われるのは当たり前のこと」

7のつく日やゾロ目の日などに動画をアップすることで特定日の示唆を行うケースも多数あり、すべてが無駄とは言えないが、継続もおぼつかないパチンコ屋がやるYouTube、コンテンツとしてはやはり「地獄」であると言えそうだ。

◆「業界の犬」から脱却できるか

パチンコ業界の会社はメーカーにせよパチンコ屋にせよ広告代理店にせよ、ユーザーが負けたお金を出どころに商売をし、会社を大きくさせていった。それはメーカー・パチンコ屋から広告をもらっている攻略誌とその関係者にしても一緒である。

攻略誌はメーカーから広告をもらっている以上、メーカーに不利なことは書けない。1週間で客がいなくなる新機種であっても「あんなクソ台、誰が打つねん!!」とは言えないし、攻略法が出た機種を「あの機種の役物は止め打ちで攻略できる!!」と報じれば、下手すれば出禁(=取材不可能、新台の写真入手不可)となる。

来店イベントを行うライターはさらに直接的で、そのギャラは当然パチンコ屋から出ている……すなわちパチンコ屋で負けた客のお金が巡り巡ってライターの懐に入っている。当然、呼ばれたホールのことを「1000円12回転、設定1ばかりのクソ店」と表立って言うのは、損得勘定で考えれば大損である。

打ち手の味方の顔をしながらメーカーとパチンコ屋には何も言えないメディア・ライターをネットでは「業界の犬」と揶揄する者すらいる。しかしYouTubeではやや事情が変わってくるとヤング氏は語る。

「YouTubeという場では、その映像を見るヤツが多ければ、パチンコにまったく関係のない企業がそれに対して広告料を出す」

パチンコ客以外から収入を得るパチンコ業界人というのはこれまではほぼ存在しなかったが、ユーチューバーは広告主となりうるメーカーやパチンコ屋に忖度しない方が、人気は出て「再生数は伸びる=儲かる」のだ。もちろんYouTubeからも言論への制限はほとんどない。

◆Youtubeがパチンコ雑誌を健全化する!?

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Youtubeからの収益により、メーカーからの出稿に頼らない体勢ができれば、パチンコ雑誌も昔のようにファンに寄り添うことができる記事を書けるのでは……と、大崎一万発氏

いわば2ch的言論がパチンコ業界のメインストリームに突如として現れた……とは言い過ぎか。これに対して大崎氏はこう持論を述べる。

「オレは健全だった攻略誌の時代に戻るんじゃないかと思う。結局、攻略誌って、業界から広告料をもらうことで終わったわけでしょ。で、我々もパチンコ屋やメーカーからお金をもらう立場だから、言いたいことがあっても全部は言えなかったりする。でもYouTubeならYouTubeからお金をもらえるから」

業界メディアが「業界の犬」から脱却する、健全性を取り戻せる可能性がYouTubeによって出てきた。

7月に発売された「新装版パチンコ滅亡論」は新章1本新規収録。大崎・ヤングの2人がYouTubeデビューした舞台裏、パチンコ崩壊論では語られなかった「最近のパチンコなんでこんな出玉が速くなってるの!?」問題などパチンコファンにとっては興味深いトピックス満載。パチンコ文化の入門書としても最適だ。

文/ベンチ猪俣

―[パチンコ崩壊論]―

【ベンチ猪俣】

パチスロ必勝ガイドでの編集を経て現在フリーの編集及びライター業、兼スロニート。パチスロを中心にギャンブル全般が興味の対象。ツイッターアカウントは@bench_i

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