Googleから待望のスマートウォッチが誕生。アイビー・ロスが語る、感性と呼応するデザインとは。

Googleから待望のスマートウォッチが誕生。アイビー・ロスが語る、感性と呼応するデザインとは。

  • カーサ ブルータス
  • 更新日:2022/11/25

November 25, 2022 | Design | casabrutus.com | text_Hisashi Ikai

デジタルテックの新たな世界を切り拓くGoogleが、初のスマートウォッチ《Google Pixel Watch》を発表。同時発売した新型スマートフォン〈Google Pixel 7〉シリーズのことも含め、プロジェクトの最高責任者の一人である、ハードウェアデザイン部門のアイビー・ロスに話を聞いた。

No image

〈Google〉より、初となるスマートウォッチ《Google Pixel Watch》が登場。

Pixelファンにとっては、待ちに待ったGoogleのスマートウォッチ《Google Pixel Watch》が、ついに発売された。既成のスマートウォッチは角型が一般的であるのに対し、Googleが提案したのは、ぷっくりとした膨らみのあるラウンドボディだ。
「スマートウォッチの登場以前から、私たちが慣れ親しんでいる腕時計のかたちは、まさにこれ。腕に自然に馴染むフォルムを大切に守りながら、現代的でスマートな存在になることを第一に考えました」
Googleが手がける一連のデジタルデバイスの、ハードウェアデザインを統括するデザイナーのアイビー・ロスは、新製品のデザインの出発点をこのように語る。

No image

《Google Pixel Watch》39,800円(Wi-Fi)、47,800円(4G LTE)。

「身体にフィットする本質的なかたちとはなにか。デザインチームでディスカッションを重ねながら、インスピレーションの源になったのが『水のしずく』でした。デザインの系譜には、水の動きを意識した流線型は過去にもたくさんあります。しかし、私たちは単なる形状だけでなく、水滴がもつ柔らかさや滑らかさといった感覚的な側面をいかにデザインに取り入れられるか、検討を重ねていきました」

No image

「水のしずく」をモチーフとしたデザイン。形状だけでなく、水滴の持つ感覚的な要素もデザインに昇華した。

「スマートウォッチは日常的に身に着けるものですから、装着感が良いとともに、どのようなファッションにも対応するものでなければなりません。素朴でシンプルなデザインを目指しながらも、地味になりすぎないように肌触りや金属の艶感などのディテールにはとことんこだわりました」

No image

バンドの種類は現在20種類。ストレッチタイプからレザーまで、好みやシーンに合わせて選びたい。※写真内のメタルバンドは2023年春の発売予定。

充電時など、外した時には裏側も見えることから、装着しているときは目に触れない部分の仕上げにも手を抜かなかったという。彼女が統括するデザインチームには、インダストリアルデザイナーのほかに、機構設計、色研究、素材開発、化学者、パッケージエンジニアなど、数多くの異なる分野のメンバーから構成される。各分野の専門知識をクロスオーバーさせながら、約2年の年月をかけて完成に導いたという。

No image

充電ケーブルは、コロンと丸みを帯びたデザイン。付属品などのディティールにもこだわりが光る。

開発のプロセスでもっとも苦労したのが、メンバー間でコミュニケーションをとることだったと、当時を振り返るアイビー。
「今回発表した新製品の開発は、新型コロナウィルスの世界的蔓延と時期が重なってしまいました。例に漏れず、私たちは自宅からのリモートワークを強いられることになり、これまで大勢が1つのテーブルを囲んで、プロトタイプの検証をしていたのに、それが全くできなくなってしまったのです。作業が一気にスローダウンして、何度も気持ちが折れそうになりました。
でも、それぞれの家を最新のネットワークと流通システムで的確につなぎながら、最終的にはプロジェクトを完遂することができた。デザインの役割は、新しい形をつくることだけでなく、新しいタイプのコミュニケーションを生み出すことでもある。厳しい日々でしたが、自分たちが携わっているデジタルメディアやツールが、実際の社会のなかできちんと役に立っていることを実感できる良い時間でもありましたね」

No image

フィットネスサービスを提供するブランド〈Fitbit〉と連携。心拍数の測定や睡眠の解析など、日々の健康に役立つ機能が備わる。

スマートフォン〈Google Pixel 7〉シリーズでは、前モデルの外観デザインを踏襲。複数のカメラ関連パーツを整然と一列に収めたアイコニックな「カメラバー」には、艶感のある100%リサイクル素材のアルミニウムを採用し、よりプレミアムな意識が感じられるようにした。

No image

《Google Pixel 7》82,500円〜。3色で展開する。写真の色はレモングラス。

No image

《Google Pixel 7 Pro》124,300円〜。こちらも3色展開。写真はヘーゼル。

「ボディカラーも、基本となるブラック(オブシディアン)&ホワイト(スノー)に加え、7 Proには、緑がかったグレーのヘーゼル、7にはレモングラスを追加。ニュートラルながら、新鮮味を感じる色合いになるよう、細かな調整を重ねていきました」

No image

進化したカメラ性能により、最大30倍ものズームが可能。写真は1倍の写真。ここから画像をスライドすると……。

No image

過去に撮影した写真を取り込むと、自動的に修正する機能も。ピンがボケているこの写真も、スライド次の写真のように……。

新製品を発表したばかりのデザインチームでは、すでに数年先のプロジェクトが進行中。内容はまだ明らかにできないが、よりシンプルに、確実に必要とされる精度の高いものづくりを追求していきたいと語ってくれた。

No image

アイビー・ロス 1955年アメリカ生まれ。2016年より、Googleのハードウェア部門副社長として、デザイン、UXを担当する。これまでに《Google Pixel》《Google Home》《Google Wifi》《DaydreamView VR ヘッドセット》といった、一連のグーグルデバイスの設計・デザインに関わる。ジュエリーデザイナーとしても活躍しており、その作品は〈スミソニアン美術館〉や〈V&A美術館〉のパーマネントコレクションにも入っている。

casabrutus.com

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加