DV、住宅問題、シングルマザーの貧困...現代社会が抱える問題と希望 「サンドラの小さな家」を採点!

DV、住宅問題、シングルマザーの貧困...現代社会が抱える問題と希望 「サンドラの小さな家」を採点!

  • 文春オンライン
  • 更新日:2021/04/06

〈あらすじ〉

サンドラ(クレア・ダン)は夫ガリー(イアン・ロイド・アンダーソン)のDVから逃れ、職場から離れたホテルで2人の幼い娘と仮住まい中だ。ダブリンの家賃は高く、公営住宅の順番待ちは600番台と、仮暮らしから抜け出せそうにない。娘との会話から、自分で家を建てるアイデアを得たサンドラは、3万5000ユーロで家を建てる計画に取り組み始める。土地、資金、人材、知識など足りないものだらけだが、協力者が少しずつ増えていき、サンドラの小さな家は完成に近づいていく。しかし、ガリーに訴えられ、法廷で娘たちの親権を争うことになってしまう。

〈解説〉

DVや住宅問題、シングルマザーの貧困など、現代社会が抱える問題と、希望を描くヒューマンドラマ。脚本は主演のクレア・ダン、監督は『マンマ・ミーア!』のフィリダ・ロイド。97分。

中野翠(コラムニスト)

★★★☆☆役作りとは言え、不幸を呼び寄せるようなヒロインの表情にちょっとウンザリ。家を建てる作業場面、もっと見たかった。

芝山幹郎(翻訳家)

★★★☆☆苦手な話だが、意外に後味が悪くない。アイルランド的情感をほどよく滲ませたのが正解か。年輩の役者がそろって渋い。

斎藤綾子(作家)

★★★★☆「女房は教育してやるのが当たり前」と信じている男性には脇腹を抉られる物語。ラストのラストまで心がヒリヒリする。

森直人(映画評論家)

★★★☆☆怒りを超克し、振り返らず前を向け。演出はやや安易に情緒の起伏に傾くが、問題意識を背負って立つクレア・ダンに注目。

洞口依子(女優)

★★★☆☆脚本と人物像が見事にシンクロナイズして気持ち良い。DVや住宅問題などケン・ローチにも通じる精神。終盤に錘がある。

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© Element Pictures, Herself Film Productions, Fis Eireann/Screen Ireland, British Broadcasting Corporation, The British Film Institute 2020

『サンドラの小さな家』(アイルランド、英)
4月2日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開
https://longride.jp/herself/

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年4月8日号)

「週刊文春」編集部

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