ラビットハウスの日常が帰ってきた! 『ごちうさ』特集1・畑 亜貴(作詞)インタビュー

ラビットハウスの日常が帰ってきた! 『ごちうさ』特集1・畑 亜貴(作詞)インタビュー

  • ダ・ヴィンチニュース
  • 更新日:2020/10/17
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TVアニメ『ご注文はうさぎですか? BLOOM』TOKYO MXほかにて毎週土曜22:00~放送中 (C)Koi・芳文社/ご注文はBLOOM製作委員会ですか?

もう、何回でも口に出したい言葉である――ラビットハウスの日常が帰ってきた! 間にOVAの劇場上映などを挟み、TVアニメ3期の放送がスタートした、『ご注文はうさぎですか? BLOOM』。ココアやチノたち、ラビットハウスに集まる面々の楽しい会話、作り手の情熱が全編からにじみ出ているかのような素晴らしい映像、ポップにはじけているけどどこか切れ味鋭い音楽――アニメ『ごちうさ』には、たくさんのものが詰まっている。これから3ヶ月間、その世界に浸れるなんて、至福である。

今回の特集では、キャスト・監督・音楽(作詞)、3つの視点から『ごちうさ』を語ってもらった。いずれも、『ごちうさ』への愛情がたっぷり詰まったインタビューとなっているので、毎週の放送後に、ぜひチェックしていただきたい――そして特集一発目から、超レアなインタビューをお届けする。TVアニメ1期オープニング“Daydream café”をはじめ、主題歌やキャラクターソングの数々で作詞を担当してきた畑 亜貴に、話を聞かせてもらった(なんと、『ごちうさ』では初インタビュー!)。『ごちうさ』の象徴的なワードといえば「ぴょんぴょん」であるが、それも“Daydream café”の歌詞が発端。『ごちうさ』の音楽・歌詞が内包する中毒性の高さと、圧倒的なポジティヴィティをもたらすものとは、いったい何なのか?

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同じことをやっていても、キラキラしないじゃないですか。かわいさにも、挑戦は必要

――TVアニメとしては5年ぶりに、『ごちうさ』がスタートします。こうしてまた『ごちうさ』に参加できることについて、どのように感じていますか。

畑:今、5年ぶりって聞いて、全然そんな感じがしなかったので、ビックリしました。曲が出続けていたので、ずーっと『ごちうさ』をやっている気がしてました(笑)。なので、「あっ、また来ましたね」って感じで、あまり途切れた印象がないですね。歌詞を書き始めたときから今まで『ごちうさ』が続いていて、ずっと『ごちうさ』ワールドにいる感じです。

――そう考えると、2014年が1期なので、もう7年近くこの作品に関わっているわけですよね。常に傍らにいる『ごちうさ』は、畑さんにとってどういう存在ですか。

畑:もう、変わらないというか、別の王国がひとつ存在していて、いつでもそこに遊びに行けるような感じですね。自分の中では、『ごちうさ』王国みたいなものがあるんです。で、そこで作詞するときは、『ごちうさ』王国の共通言語を使わなくてはいけない。心がぴょんぴょんするような言葉を使いたくなるのが、『ごちうさ』王国ですね。

――他の作品でも畑さんにお話を伺ったことがありますが、『ごちうさ』の作品の中にあるかわいさというのは、きっと畑さんの大好物なのだろうと勝手に想像していまして。『ごちうさ』におけるかわいいとは、畑さんの中でどんな形・どんな性質のものだと認識していますか。

畑:わたしの中では、『ごちうさ』にはまったく濁りがないんですよ。どこを取ってもかわいくって、甘くって、透明で。たとえネガティブな感情があっても、それも全部曇りや濁りがなく、かわいいところに落ち着く感じなんですね。自分も、ここに濁りとか曇りを持ち込みたくないなって思うし、たとえば天気が雨の話、曇りの話をしても、「絶対に最後は晴れるよね」っていう歌詞にしたいと思ってます。寂しい、悲しい、苦しい、みたいな感情があったとしても、最後は「楽しいよね」に落ち着く世界でありたいな、と思いますね。

そういうことをテーマにすると、逆に哲学的に掘り下げられるな、とも思ってます。なので、単純にかわいいね、だけで終わらないような、「はて、存在とは」みたいなことを考えさせられる曲であると、みんなで一歩深いところまで行けるんじゃないかなって。だから、かなりシュールなことを書いている歌詞が多いと思うんですね、かわいいの裏で。で、ふと立ち止まると「あれ? このかわいさはなぜ存在しているのだろう」「なぜこのかわいさに自分はアクセスしたいんだろう」って、自分の心の中を覗いてしまうような曲であったら面白いな、とは考えてました。

――深い、深すぎる(笑)。

畑:(笑)いやあ、そういう娯楽があってもいいのかなって思ったんですよね。だから、ちょっと深く読んでみよう、楽しんでみようと思った人にとっては、かなりシュールな世界観でもあると思います。で、そこからまたフワッとした世界観に戻っていく楽しさもありますよね。「やっぱりみんなかわいいからこれでいいんだ」っていう着地ですね。聴き手が自分の自由意思で、ふっと自分を振り返り考えてみる、でもまた『ごちうさ』の可愛い世界にフワッと戻ってくる。まあ、精神のトリップですね――という実験を、こっそりしていました(笑)。

――今の一連のお話だけでも、『ごちうさ』の音楽にドハマりする人が続出する理由が、言語化されたような気がします(笑)。

畑:(笑)きっと、皆さんトリップしてくれてるわけですね。本当に、かわいくて懐が深い作品です。

――とはいえ、どんな作品でも畑さんがそのアプローチをするかというと、そうではないですよね。あくまで、『ごちうさ』がそうさせてくれる、という。

畑:そうですね。この手法は、『ごちうさ』だからできることだと思います。何回も聴いて、何回もトリップしてもらいたいですね。

――ちなみに、“Daydream café”の歌詞を文字で読んでみたんですけど……改めて「すごいことやってんな、これ」って思いまして(笑)。

畑:(笑)なかなか、あの、かわいいと思いますよ。まあ、何を言ってるんだかわからないって思われるところもあると思うんですけど。

――文字だけ見たら、そうかもしれないです。でも、曲に乗って、絵がついたときの破壊力がすごすぎる。“Daydream café”を例に出しましたけど、『ごちうさ』でご自身が書いた歌詞に歌と絵がついた状態で体験したとき、畑さんはどんなことを感じますか。

畑:もちろんだいたいは想像していたんですけども、やっぱり声のパワーというのは歌詞を超えてきますよね。自分が考えたかわいさと、人が考えたかわいさって違うじゃないですか。で、それをお互いに共通言語で話さないまま作品ができ上がってくると、そこには自分の想像を超えたかわいさがありますね。で、それを聴いて今度はキャラソンを作っていくときは、主題歌を作ったときとは気持ちが変わってくるところがありました。

キャラソンでは、原作のマンガとアニメがあって、そこでセリフを言ってないキャラクターが言う言葉を探していきたいなって思ったんですね。みんなが考えている、そのキャラクターが言うこと、この子は言いそうだなっていうことを、あたかも最初から決まっていたように口から出てきたら、すごくかわいいんじゃないかなって。だからキャラソンの歌詞はけっこう冒険をしていて、「そんなシーンはなかったよね」っていう歌詞も多いんですけれども、なぜかこう、実は見たことあるんじゃないかって気になるような歌詞が書けたら面白いな、と思ってました。「これ、何話として出てくるのかな」「未発表の物語なのかな」とか想像してもらえたら、楽しいだろうなって。

――今のお話って、原作を読み込んだ、みたいな解釈をしがちですけど、でもそうではなくて、キャラクターや作品の世界観、あるいは曲によってイマジネーションを広げたり、それらの情報を組み合わせていくクリエイティブになるんでしょうか。

畑:この作品は曲が先にできてくるので、曲を聴いたときのイメージが大きいです。「このサウンドは、一体どういう言葉で暴れたがっているんだろう? 遊びたがってるんだろう?」みたいなことを想像して、歌詞を決めていきました。『ごちうさ』の曲だから、という時点で、サウンドがそういうパワーを持っていたんだと思います。そこから作っていくのは冒険しているみたいで楽しいし、曲を作っている側の楽しい気持ちも、聴いてくれるみんなに伝わっていくのかなって思います。

――畑さんの書かれる歌詞って、優しかったり、楽しかったりする世界が多いように認知されてると思うんですが、同時に「鋭い」「尖ってる」部分を、常々感じるんです。実は『ごちうさ』の歌詞には、鋭くて尖ってるほうの感性が投入されているような気がしていて。

畑:なるほど~、鋭いですね(笑)。それはきっと、人知れずいろんな冒険をしているからだと思います。わかる人には、なんか匂っちゃうんだと思うんですね、「あっ、これは危険なことをしている」という感じが。なかなかアバンギャルドなこともやってたりしますし。でもそれも、すべてかわいさが包んでくれちゃうんです。最終的には、キャラクターのみんながどれだけかわいくなるか、歌われたことでさらにかわいなることが目標です。

――かわいさが強すぎて、実験を放り込んでも成立してしまうところがすごいですね(笑)。

畑:(笑)なんでもね、やっぱり挑戦していかないと、切り開いていかないと。同じことをやっていても、キラキラしないじゃないですか。かわいさにも、挑戦は必要だと思います。

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宝箱をジェットコースターにしてみんなが乗っているところを思いついたときに、鼻血が出るかと思いました(笑)

――“Daydream café”を作るとき、映像サイドから何かオーダーはあったんですか。

畑:いや、なかったですね。おそらく、原作をいただいて、「この世界観で」みたいな感じだったと思います。

藤平直孝(NBCユニバーサル・音楽プロデューサー):音楽プロデューサーである僕は、当然映像サイドとも打ち合わせはしているんですけど、曲のジャッジは自分がしているので、こういう曲でいきます、ということで進めています。それこそ、最初に畑さんにやってもらった“Daydream café”は、当初は普通に主題歌としての発注でした。当時はキャラクターだけじゃなくて、声優のユニットとしてもいろいろ飛び越えていくものを意識をしていたんですけど。その後キャラクター性や物語性を重視し始めてからは、原作サイドも「“Daydream café”が好きなので、もうお任せします」「一任しますので、いい意味で遊んでください」みたいなところで、お任せいただいてます。楽曲の方向性を含めて僕が考えて、「こういうチャレンジをどんどんしていきます」と。そこに、絵もどんどん寄ってきたり、相乗効果が出ることで、今まで築き上げてきた『ごちうさ』ワールドになったのかな、と思います。

畑:そうだったんですね。今、初めて全貌を知りました(笑)。

藤平:(笑)これは余談になりますけど、最初、“Daydream café”の曲のほうは、却下されてたんです。

畑:ええ~っ!?。

藤平:「木組みの街なのに、なんでこんなポップな曲なんだ」みたいな感じで(笑)。でも結果、好きになっていただいて、畑さんが書いてくださってる哲学的な歌詞を読み込んで、原作で4コマにしてくださったり、アニメがそれを映像化してみたり。受け手によって、受け取り方がそれぞれ違う。でも、ひとつの『ごちうさ』ワールドにしっかり収まってる。そこが、この作品の魅力だと思ってます。“Daydream café”も、最初は「ケルトミュージックがいいです」って言われていて。

畑:なるほど。

藤平:「作品の世界観には、それが合うよな」って思いました。でも、ケルトでPetit Rabbit'sが歌うってなると、ちょっとよくわからないなって思って(笑)。そういう意味で、楽曲としてオーガニックな方向になんとなく寄せてたのが、1期の頃に畑さんに書いていただいた“全天候型いらっしゃいませ”っていう曲で。そこでは、ポップさよりも、ちょっとヒーリング感を出してみました(笑)。

畑:あっ、そういうこと。そこにけったいな歌詞つけちゃって、申し訳ないです(笑)。

藤平:(笑)でも、そこがすごく面白い部分で。畑さんに依頼する曲はやっぱり攻めた曲、「これは『ごちうさ』である必要があるのか」って思うような曲でも、畑さんの書いていただく歌詞で、そこにチャレンジしていきたいと思って、依頼させてもらってます。

畑:やっぱり。なんとなく、自分は冒険枠なのかなって思ってました(笑)。

――(笑)チノ役の水瀬いのりさんに話を聞いたときに、畑さんが書かれる歌詞はすごくかわいいと同時に、歌っているとふっと現実に戻るような感覚がある、と言ってたんです。ある意味、彼女はチノの声を出していればキャラソンは成立するはずなのに、歌い手として歌詞の奥にあるものに気づいて、考察しているのが面白いな、と思いまして。その歌詞のメカニズムを知りたいな、と思うんですけども。

畑:やっぱり、言葉を出しているときに、自分を覗いちゃうんでしょうね。内省したくなるような罠がある、というか。まあ、それはちょっと、自分でも自覚してます(笑)。そこを通り過ぎるか、そこに引っ掛かるかによって、その人の楽しみ方が浮き出てくるんですね。その罠に引っ掛かる人は、たぶん考えることが好きなんだと思います。「あれ? 引っ掛かっちゃったから考えてみよう」っていう、歌詞の中にある娯楽の罠ですね。だから「あっ、罠あった」って、無意識のうちに感じちゃってるんだと思います。

――今のお話で面白いのは、罠にかかった人も通り過ぎた人も、同じく楽しい、ということですよね。

畑:そうですね。罠にかかった時点で、マリオの土管ルートのように、「こっちでコインも拾えるぞ」みたいな感じになるのではと、わたしは考えてます。最終的なゴールは一緒で、結果あの旗を取るんですけど、違うところでコインを取っていく感覚ですね。

――それと、キャラクター同士の日常を描く作品って、「時間が有限であること」を描くと、歌詞にエモーションが生まれたりするじゃないですか。一方で、「ずっと続く」を描くことは、実は難しいことなのかな、と思うんです。おそらく、有限の時間を描くほうがエモーションは出しやすいような気がするんですけど、『ごちうさ』の場合は「無限」がそこにあるんじゃないかな、と。

畑:そういうところが、シュールだなって思うんですよね。「無限なわけないのに」っていう。でも、あたかも無限が自然であるかのようにみんなが振る舞っているところがシュールだと思ってます(笑)。終わらない世界、ですね。それも、楽しさにつながってると思います。

――無限を当たり前だと思ってる人たちの世界って、言語化するとヤバい空気がありますけど、それは自然とそこにあるんですよね。誰もそれに疑問を持たないし、うがった見方をしようとする人もいない。そうやって、畑さんがおっしゃる『ごちうさ』王国のような世界が、形成されている。

畑:はい。そういうファンタジーを、わたしたちも楽しみたいじゃないですか。もうね、リアルは有限ばっかりだし。「どうせ、生きてても、すぐ終わっちゃうしね、時間」みたいな(笑)。

――(笑)もうひとつ、『ごちうさ』の特徴といえば、擬音と繰り返しですけども。

畑:そうですね。もう大久保(薫。作曲家)さんもイライラしてるかもしれないですけど、「ええ~?またこれなの?」って(笑)。「ここ、擬音くるんでしょ?」みたいな。なかなか挑戦的な感じですよね。まあ、そこにやり甲斐もあるんですけど(笑)。

――(笑)今おっしゃったように、この擬音の多用は、完全に意図的なものなんですね。

畑:繰り返しの擬音は、ほんとにこれは挑戦の域に入っていて。「一体どこまで行けるんだろう?」っていう。聴いてる人も、「どこまでやれるんだろう」と思ってるかもしれないですけど、とにかく限界に挑戦してみようかな、とは思ってますね。

――『BLOOM』エンディング主題歌の“なかよし!○!なかよし!”にも衝撃がありました。この、「○(まる)」。歌詞を見たときに「○」と書いてあって、「ここに何か入るのかな」って思っていたら、音で「まる」って歌われていて、めちゃくちゃビックリしたんですけども。

畑:「仲良しで大好き」っていう気持ちを、もし言語化できなかったらどうなるんだろうって考えたんです。「大好き!」って、言語化できないけれども伝えなきゃいけないとしたら、「もう、もう、みんな、○!」って言うしかないんじゃないかなって(笑)。

――(笑)最高です。

畑:もう全部、そこにこもってる。「好き」「仲良し」「ずっと一緒にいたい」とか。で、それをやってもらいたいなって思っちゃったんです。でも、みんなが歌ってくれると、自然に聞こえると思うんですよ。

――つまり、「好き」が高じて、ということですよね。チマメ隊、チノとマヤとメグがお互いのことを好きすぎて、でもそれを言葉で表現できなくて、なんならじれったくなっちゃって、「もう……○!」って言っちゃってる、みたいな。

畑:はい。「あれ? ○って言ってたよ」みたいな(笑)。身振りで。「言葉にならない」を言語化したら、「○」になりました。

――オープニングのPetit Rabbit's “天空カフェテリア”も、インパクト大でした。「ついに、お空に飛んでいくのか」みたいな。

畑:(笑)当たり前のように言ってますけど、「天空!?」ってなりますよね。よく考えると、恐ろしいですけど。「どこで何してるんだろう、この子たち」っていう。

――《コーヒーカップ飛んじゃって》ですからね。

畑:はい。今度は、カップを覗くのではなくて、もっと発展させたくなったんですよね。一応、主題歌の時系列的には、自分の中でつながっています。

――えっ、これ時系列なんですか(笑)。

畑:はい、時系列なんです(笑)。なのでちょっと、次がきたらどこに行っちゃうのか、考えないといけないですね。

――もう、宇宙ですよね。あるいは地底、土管の中かも(笑)。

畑:(笑)宇宙ですかね、やっぱり。

――Petit Rabbit'sとチマメ隊のよさは、それぞれどんなところに感じていますか。

畑:空間が広いか、空間が密か、ということを考えていて。チマメ隊のほうが、ちょっと密な感じがしてます。ほっぺくっついちゃう、みたいな感じで、そのくっついちゃう感じを大事にしてますね。プチラビには、もっと空気感があると思います。ひとりがいなくなってまた戻ってきたり、そういう自由さがあるというか。その自由気ままな感じの空間を、大事にしてます。

――なるほど。ここまで『ごちうさ』の楽曲を手がけてきた中で、畑さん自身が満足している曲、「このフレーズを書けてよかった、面白かったな」と感じている曲について教えてください。

畑:“Eを探す日常”と“宝箱のジェットコースター”が、すごく好きなんですよ。“Eを探す日常”は、思いついたときに、もう「やった、これしかない!」って思って、クルクル回っちゃったような気がします(笑)。言葉遊びができちゃうかも、それが許されちゃうかも、と思ってウキウキしちゃった曲で、すごく印象深いですね。タイトルだけ見ると、意味が全然わからないじゃないですか。でも歌詞を読むと、「あっ、そういうことね」って――まあ、腑に落ちない人もいるかもしれないですけど(笑)。

――ギリギリ、かろうじて意味がわかりました(笑)。

畑:(笑)でも結局、最終的には、みんながかわいく歌ってるから許してもらえるんじゃないかなって。こういう歌詞は、なかなか書ける機会がないので、嬉しかったですね。“宝箱のジェットコースター”は、宝箱をジェットコースターにしてみんなが乗っているところを思いついたときに、鼻血が出るかと思いました(笑)。「これはかわいいんじゃないの!?」って。そのジェットコースターに乗って、みんながこう、「どこか行こうよ」とかしてるところを考えたらもう、これで「映画1本できちゃうんじゃないの」って思うくらい、ワクワクしましたね(笑)。この歌詞は、ベースに芥川龍之介の『トロッコ』があって、『ごちうさ』王国におけるトロッコ、みたいな感じですね。

――歌詞を作る際にいろんなチャレンジをされていて、「こういうことになるかな」っていう想像もあったと思うんですけど、たとえばかわいい以外の何かの指標で、「こんな感じになるのか」と驚いたこともあったりしますか?

畑:“Daydream café”は、自分が思っていたよりも歌になって映像がついたときに「えっ、さらにシュールだな」って。でも、そこが響いたのだとしたら、やっぱり面白いですよね。それってきっと、「シュールなことを受け取りたい」って思う気持ちがあったからで。「シュールなこと言われたい」っていう。たぶん、聴く人が自分で気づいていなくても、くすぐられちゃったのかなって思います。

――ずっと関わってきて、『ごちうさ』の仕事はそれこそ無限かもしれないですけど、畑さんとしてはこの作品に今後どのように関わっていきたいですか。

畑:いつでも新鮮な気持ちで作り続けていきたいので、これからも冒険とか挑戦とか、実験的なこともどんどん取り入れていって、「それはちょっとダメ」って言われるまで頑張ってみようかなって思います。「ダメ」って言われたら「なんで?」って(笑)。

――(笑)そこでダメってならないのが、この作品なんでしょうね。

畑:行けるところまで、挑戦してみたいですね。

――ダメはないんでどんどんやっていただきたい――と、音楽プロデューサーの前で勝手に言ってますけども(笑)。

藤平:たまにはありますよ、ダメも(笑)。

畑:ええ~っ?(笑)。

第2回は10月24日配信予定です。

取材・文=清水大輔

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ダ・ヴィンチニュース

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