
この記事をまとめると
■ロータリーエンジン(RE)復活のひとつの方向性が「ジャパンモビリティショー」で提示された気がする
■近頃はRE車の傑作マツダRX-7のモデルカーが各メーカーから次々と発売されている
■最近のモデルカーは実車を3Dスキャンしており、似ていないということはなくなったが仕上がり具合はメーカによって大きく異なる
ロータリーエンジンは動力ではなく電源となってしまうのか?
「電気モーターのようなエンジンフィール」、かつてはそんなフレーズが常套句だったロータリーエンジン(RE)車のインプレッション。レシプロ車のピストンの上下運動に対して、オムスビ状のローターとエキセントリックシャフトによる回転運動がパワーを生むREゆえに、当たり前と言えば当たり前だが、それでも吸気~圧縮~爆発~排気というサイクルを組み合わせた内燃機関であることを感じさせないスムースなフィーリングはクセになりそうな気持よさがある。
もう何年も前から(相当な期待を込めて)REの復活が話題に挙がっているが、先だって行われた第1回ジャパンモビリティショー(JMS)において、ひとつの方向性が示されたのではないかと思う。REの未来を語る際、燃料をガソリンではなく水素としたもの、あるいは動力源ではなく、モーターをまわすための発電機としたもののふたつがメインの方向性として挙げられてきた感が強い。

JMSで発表されたアイコニックSPは、後者を採っており、カーボンニュートラル燃料を使って2ローターの“発電用”REをまわして、そこで得られた電力で370馬力のモーターを駆動するという――。つまり、ドライバーがアクセルペダルでコントロールするのはREではなく、モーターということになる。
「電気モーターのようなRE」が「電気モーターの電源」になってしまった、と嘆きたくなるのをグッとこらえて、コンパクトさが身上のREだからこそできるワザだと目線を変えてみるのも悪くないのかもしれない。

そう考えると、NAのRX-8を飛び越えて(RX-8もNAゆえのREフィールがたまらないが)、やっぱりターボとREの組み合わせで「ビュイーン(稚拙な表現で恐縮だがこれに勝る表現を思いつけない)」と走る現状最後のRX-7、FD型への憧憬がやたらと強くなってしまう今日このごろだが、時すでに遅しとはこのこと。実車は高い高い。
「FD型RX-7」のモデルカーが各メーカーより相次いで発売
そういう動きを察してか、昨今はモデルカー業界ではFDの製品化が相次いでいる。

昨今の日本製のモデルカーの多くは実車を3Dスキャンし、それで採取したデータを元に原型を設計しているので、「全然似てない」ということはほぼなくなったが、仕上げのクオリティやグレードや年式に関する考証などで良し悪しが存在することは確か。ここに紹介するのは、日本が世界に誇るハイエンドモデルカーの名門、『メイクアップ』製の43分の1スケールのFDである。
再現されたのは後期型(5型~)の最上級グレード、RSである。専用の17インチホイールとそれをしなやかにいなすビルシュタイン製ダンパー、さらに可変機構付き大型リヤウイングを備えた最高にカッコいいFDの姿が楽しめる。

価格は各2万6400円(税込)と安くはないが、他の43分の1スケールのFDのミニカーといろいろ見比べてみてからぜひ購入を検討して欲しい。それほどミニカーマニアじゃないよ、という方ほど素直にその違いがわかるはずだ。
取材協力:メイクアップ
https://www.makeupcoltd.co.jp/products/detail/870


































鵜飼 誠