香川真司、本田圭佑...ブランク後の華麗なる復活はあり得るのか

香川真司、本田圭佑...ブランク後の華麗なる復活はあり得るのか

  • Sportiva
  • 更新日:2021/02/22

ポルティモネンセ(ポルトガル)入りが幻となり、現在、無所属の本田圭佑。欧州の主要リーグでのプレーを望むなら、今シーズン終了までこの状態が続くことになる。

一方、2月7日、新天地PAOK(ギリシャ)で約半年ぶりに公式戦のピッチに立った香川真司。まだトップフォームとはいえないものの、日本代表返り咲きを目指す香川の復帰は、日本のファンにとって喜ばしいニュースとなった。香川が前所属のサラゴサ(スペイン)との契約を双方合意の下で解除したのは、昨年10月のこと。以来、香川は無所属状態が続き、プレーすることが何より重要なプロ選手にとって屈辱的な状況にあった。

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PAOK(ギリシャ)に移籍、明るい表情を見せる香川真司

半年も実戦から遠ざかることが、選手に深刻な影響を及ぼすことは容易に想像できる。しかし、サッカー界には、さまざまな理由によって長く実戦から遠ざかった後、見事に復活を遂げた例も少なくない。

身近なところでは、日本代表GK川島永嗣も、過去に同じような経験を味わったことがある。2015年6月にスタンダール・リエージュ(ベルギー)を退団してから、次のダンディー・ユナイテッド(スコットランド)との契約が正式発表されるまでには、約半年の月日がかかった。しかしその後は、日本代表に復帰してW杯の舞台に立ち、現在はストラスブール(フランス)でレギュラーとして活躍している。

同じことは現在マルセイユ(フランス)でプレーする長友佑都にもいえる。前所属のガラタサライで戦力外となって以来、約半年にわたって実戦から遠ざかっていた長友は、昨夏にマルセイユ入り。ここまでリーグ戦16試合に出場(2月21日時点)しているだけでなく、チャンピオンズリーグの舞台でもプレーした。

日本人以外でいえば、元スペイン代表のサンティ・カソルラのケースは、近年のサッカー界で最も印象的な復活劇として挙げられる。

2012-2013シーズンからアーセナル(イングランド)でプレーしていたサンティ・カソルラが右足首に大ケガを負ったのは、2016年10月のことだった。当初は手術を受ければ数週間で復帰できるはずだったが、術後も痛みが続いたため、改めてメスを入れてみると、状況が悪化していることが判明。結局、計9度もの手術を受け、実戦に復帰するまでには、実に2年近くもかかってしまったのである。

2018年、アーセナルとの契約を終えたサンティ・カソルラは、古巣ビジャレアルでトレーニングを重ねた後にプレシーズンマッチで実戦に復帰。万雷の拍手が沸き起こる感動的な復活を遂げると、はれてビジャレアル入りが正式発表された。すると、そのシーズンはチームの中心としてリーグ戦35試合に出場し、翌2019-2020シーズンも35試合11得点をマーク。そしてビジャレアルを退団した今シーズンは、シャビ・エルナンデス監督率いるアル・サッド(カタール)で元気にプレーしている。

所属クラブとの軋轢によってピッチから遠ざかってしまうケースも意外と多い。今シーズンからボルドー(フランス)に所属する元フランス代表FWハテム・ベン・アルファは、その典型といっていい。

もともとピッチ外での問題が多いベン・アルファ。2016年から2年間所属したパリ・サンジェルマン(PSG)では、自分を誘ってくれたロラン・ブラン監督が加入前に退任し、ウナイ・エメリ監督のもとでプレーすることになった。しかし、監督の信頼を勝ち取れずにいると、自分の扱いに対する不満をクラブの出資者であるカタール首長に直訴。このことがフロントの逆鱗に触れてしまう。その結果、クラブから干されたベン・アルファは約1年半にわたって実戦から遠ざかる羽目に陥り、問題はクラブを相手取って訴訟を起こすまでに発展した(結局、ベン・アルファ側の訴えは認められず敗訴)。

契約期間を終えてPSGを退団したベン・アルファは、その年の9月にレンヌ(フランス)に移籍すると、公式戦41試合に出場して9ゴールを挙げるなど、かつての輝きを取り戻すことに成功する。ただ、レンヌとの契約を終えた後は移籍先が見つからず、結局、2020年1月にバジャドリード(スペイン)に入団するまでの約半年間は無所属状態に。現在はボルドーで再び高いパフォーマンスを見せているベン・アルファだが、その才能とは裏腹な、波瀾万丈すぎるキャリアとなっている。

一方、何らかの規則違反を犯したことによって、長期の出場停止処分を受けるケースもある。

有名なのは薬物使用疑惑(1991年)と94年W杯のドーピング検査で陽性反応を示したことで、2度にわたって15カ月におよぶ出場停止処分を受けた故ディエゴ・アルマンド・マラドーナ。2度の処分後は、セビージャとボカ・ジュニオールズで復活を遂げており、稀有なエピソードとして伝説にもなっている。

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最近では、元トルコ代表アルダ・トゥラン(ガラタサライ)が、アシスタント・レフェリーに暴行を働いたことにより、16試合の出場停止処分を受けた例がある(後に10試合に軽減)。その影響でバシャクシェヒル(トルコ)との契約を解除されたトゥランは、所属元のバルセロナに戻ったものの、選手登録されないまま半年以上、実戦から遠ざかることとなった。

古巣ガラタサライで復帰を果たしたのは、昨年9月のこと。つまり約9カ月ものブランクがありながら、今シーズンは約2年半ぶりのゴールを決めるなどキャプテンとしてチームを統率し、華麗なる復活を遂げている。

ちなみにバルセロナ時代の元チームメイトでもあるウルグアイ代表ルイス・スアレス(アトレティコ・マドリード)は、2014年W杯における"噛みつき"事件によって4カ月の活動禁止処分を受けている。

さらに、一度は現役引退を発表しながら、再びピッチに復帰した例もある。直近では、元オランダ代表のアリエン・ロッベンが、2019年7月にバイエルンで現役引退を発表したものの、昨夏に古巣フローニンゲンで現役復帰を表明すると、開幕戦となった9月のPSV戦でキャプテンマークを巻いてスタメン出場。不運にも負傷により途中交代を強いられたが、約1年4カ月ぶりに公式戦のピッチに立っている。

同じような例としては、元イングランド代表ポール・スコールズ、元イタリア代表アントニオ・カッサーノ、あるいは元アルゼンチン代表ファン・セバスティアン・ベロンらのケースもある。ただし、いずれもトップレベルで完全復活を果たしたとは言い難いものに終わっている。今シーズンのロッベンも、これまでリーグ戦2試合出場にとどまっており、現役引退からの復帰は想像以上にハードルが高いようだ。

この冬は、香川と同様、それまで無所属状態だったマリオ・マンジュキッチがミランに、ジャック・ウィルシャーがボーンマス(イングランド)に、アレシャンドレ・パトもオーランド・シティ(アメリカMSL)に、それぞれ新天地を求めている。

果たして、約半年のブランクを乗り越えて、彼らはどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか。本田圭佑の今後を占う意味でも、彼ら復帰組の動向に注目したい。

中山淳●文 text by Nakayama Atsushi

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