レアル・マドリードはリバプールの弱点を見抜いていた。輝いた3人のMF、クロースを活かす合理的な工夫とは?【CL分析コラム】

レアル・マドリードはリバプールの弱点を見抜いていた。輝いた3人のMF、クロースを活かす合理的な工夫とは?【CL分析コラム】

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  • 更新日:2021/04/07
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【写真:Getty Images】

3人のMFが輝いたレアル・マドリード

UEFAチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝1stレグ、レアル・マドリード対リバプールが現地時間6日に行われ、3-1でレアルが勝利した。トニ・クロースとルカ・モドリッチが3得点を演出し、カゼミーロは攻守に渡って球際の強さを発揮した。レアルは両センターバックを欠く苦しい台所事情となったが、3人のMFが持ち味を発揮している。(文:加藤健一)
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右足ハムストリングを負傷したダニ・カルバハルは離脱中で、セルヒオ・ラモスは3月に召集されたスペイン代表で左足ふくらはぎを負傷。この試合で復帰する可能性があったエデン・アザールも間に合わず、ラファエル・ヴァランは新型コロナウイルス感染症の陽性判定を受けてしまった。

レアル・マドリードはリバプールとの一戦で両センターバックを欠いたが、試合の主導権を握っている。その主役となったのは3人のMF。トニ・クロース、ルカ・モドリッチ、カゼミーロの3人は、攻守に渡って活躍している。

27分に生まれたレアルの1点目はクロースのロングパスからだった。DFラインのすぐ前から放たれたボールに、ヴィニシウス・ジュニオールが反応する。胸トラップで正確にボールを落とすと、右足でゴールに流し込んだ。

2点目の場面では、クロースがフェルランド・メンディへ向けてロングパスを蹴った。トレント・アレクサンダー=アーノルドがギリギリのところで頭に当ててメンディへのパスを遮断したが、そのボールが並走するマルコ・アセンシオの下へ。アセンシオは1タッチでGKアリソンの頭上を越すと、2タッチ目で無人のゴールに流し込んだ。

51分にサラーのゴールで1点を返されたが、65分に再び点差を2点に広げる。深い位置でボールをキープしたカリム・ベンゼマからパスを受けたモドリッチが左サイドから中央に切り込む。モドリッチからパスを受けたヴィニシウスは、ダイレクトで右足を振り抜いてゴールネットを揺らした。

クロースを活かす合理的な工夫

復調の気配を見せていたリバプールを、前半はシュート0に抑え込んでいる。レアルはリバプールの弱点を分かっていたような戦い方だった。

印象的なデータがある。UEFA公式サイトは出場選手の平均ポジションを公表しているが、この試合でカゼミーロ、クロース、モドリッチはセンターサークル付近で、横に細長い三角形を描いていた。アンカーと2人のインサイドハーフというよりは、3人のセントラルMFという表現が正しいだろう。

通常であればアンカーのカゼミーロが低い位置となるはずが、この試合ではそうならなかった。ビルドアップの際はクロースがDFラインの近くまで降りてきた。数的優位を作るためにモドリッチが降りてくることもあったが、カゼミーロはあまり降りてこない。むしろ2人より高い位置を取っていた場面も多かった。

クロースが降りてきてフリーでボールを持てば、先制点のようなロングパスが有効になる。リバプールはファビーニョがアンカーとして広いエリアを受け持っているが、クロースのロングパスはファビーニョを超えていく。リバプールの守備における特長を消すのが狙いだった。

さらに、このクロース砲はリバプールの攻撃を封じるための一助にもなっていた。アレクサンダー=アーノルドとアンドリュー・ロバートソンの両サイドバックはレアルのウイングをケアするために低い位置を取らざるを得ない。レアルの戦いは、攻守両面でリバプールの良さを消していた。

データサイト『whoscored.com』によると、この試合のクロースは9本すべてのロングパスを成功させている。精密機械のようなパス精度を誇るクロースを活かす、レアルの合理的な工夫だった。

(文:加藤健一)

【了】

加藤健一

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