超望遠、マクロ、かつ反射光学系という超変化球レンズがSP 500mm F/8です。筆者が所持する中で一番奇天烈なこのレンズを作例交えてご紹介します。
タムロン SP 500mm F/8とは
まず簡単に製品概要のご紹介です。
モデル名:55B
マウント:アダプトール2
焦点距離:500mm
開放F値:8.0
レンズ構成:4群7枚
最小絞り:-
最短撮影距離:1.7m
最大撮影倍率:1:3
フィルター径:30.5mm
フード:28FH
重さ:575g
最大径X全長:84mmx91.5mm
価格:79,500円(当時の希望小売価格かと思います)
発売時期:1979
製造終了:1983
貰い物なので詳細不明ですが、たぶん上記スペックです。ニコンマウントで使用しており、マニュアルフォーカスのみ対応しています。こんな古いレンズだったのか!知らなかった。
https://www.tamron.com/jp/consumer/lenses/data/a2-lens/55b.htm
製品の特徴
ご紹介したい特徴が2つあります。
反射光学系である
超望遠かつマクロである
特徴1.反射光学系である
通常の交換レンズ製品は透明なレンズを組み合わせて構成される屈折光学系です。一方で本レンズは、透明な屈折レンズも構成に含まれていますが、加えてミラー(鏡)が入っていることが特徴です。ミラー反射を利用することでコンパクトな筐体で超望遠500mmを実現しています。原理は単純とも言えますが、はっきり言ってすごい製品です。

ケンコートキナーHP:https://www.kenko-tokina.co.jp/special/product_type/cat694/mirror_lens.html
次に手持ちの書籍の画像を引用しますが、なんとまぁ。(本レンズとは別製品)

写真レンズの基礎と発展│小倉敏布
そのメリットであるコンパクトさを証明するのが次の通り。お世辞抜きに、手持ちで500mmを使えます!
◆本製品(SP 500mm F/8):全長約92mm 重量575g
◆AF-S NIKKOR 500mm f/5.6E PF ED VR:全長237mm 重量1,460g
明るさが違うので単純比較できませんが、500mmにしてはコンパクトであることが分かります。ちなみに、AF-S500/5.6PFもフレネルレンズで小型化を頑張っているモデルです。

SP 500mm F/8サイズ感わかりにくくすみません

備えついているフードを挙げた状態

フード内側は植毛でもふもふしています

のぞくとミラーが見えます
コンパクトという点以外にも反射径の特徴があります。光学系の中央にミラーが入るため、ボケがリング状になります。作例を見てもらった方が早いです。(ちょっと分かりにくいかな・・・)好き嫌いあるかもしれませんが、通常のレンズと違い面白いですね。リングなのでどちらかというといわゆる「うるさい」ボケと言われるかもしれません。

所々(被写界深度外)にリング状のボケがあります

↑の赤枠部拡大

リングボケ作例2
以上が反射光学系の特徴です。
特徴2.超望遠かつマクロである
筆者は、普段スナップ的に撮影しているので長くて85mm、ほぼ50mmのレンズを使っています。なので、500mmはとっても長いです。ファインダーを覗いてもどこを撮っているか分かりません。笑
あとビックリするのが、マクロなんです。この子。
◆本製品(SP 500mm F/8):最短撮影距離1.7m 最大撮影倍率1:3
◆AF-S NIKKOR 500mm f/5.6E PF ED VR:最短撮影距離3.0m 最大撮影倍率1:5.6
倍率1:3をマクロというのかは置いといて。
ちなみにフォーカス環の至近~∞の回転角度は324度です。ほぼ一周です。至近から無限に回すときは途方に暮れるほど、時間と指を使います。
超望遠かつマクロという点もこのレンズの面白い特徴です。
SP 500mm F/8の作例
それでは作例です。

アユタヤの散歩でエンカウント。遠くから動物が撮るのがこのレンズの一番の楽しみ。

全員こっち向いとる。静かな山では一眼レフのレリーズ音は響きます。

製品が古いだけに性能が悪く、コントラストが下がります


噴水の水を5m先くらいからこんなに大きく撮れます。

DNA!って一人で興奮した(馬鹿)

彼奴は自転車に乗っています。東京の川きったねー。

望遠といえば圧縮効果

高尾山から
作品づくりには使いあぐねていますが、遊びに良いレンズです。F8固定なので昼じゃないとまともに使えません。(高感度性能次第)
各社類似製品を出しているようです。よかったら以下もご参考下さい。千夜一夜のリングボケ例も綺麗でわかりやすいです。
https://www.nikon-image.com/enjoy/life/historynikkor/0013/index.html
https://amzn.to/3sF3wqT
以上、タムロン SP 500mm F/8のご紹介でした。最後まで読んでいただきありがとうございました。
#SP 500mm F/8
最後に
上記内容を読んで満足した方、今後の記事作成を応援していただける方は、
下方のサポート機能や有料記事を通じてご支援承ります。
皆さまの応援が筆者のモチベーションになります。
https://note.com/niko_2022/n/nd119d6d01b2f
このクリエイターの記事をもっと読む

写真とカメラ機材中心|旅|ファイナンス|簿記|野球|東京都在住
NIKOちゃん