新「AirPods Pro」速報レビュー 外観のわずかな変化がもたらした“超進化”

新「AirPods Pro」速報レビュー 外観のわずかな変化がもたらした“超進化”

  • マイナビニュース
  • 更新日:2022/09/23
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アップルから、第2世代の「AirPods Pro」が登場します。ノイズキャンセリングと外音取り込み、サウンドもパワーアップした最新の完全ワイヤレスイヤホンの実力を検証しました。新しいワイヤレスイヤホンの購入を検討されている方々の参考になれば何より幸いです。

新AirPods Pro「3つの特徴」 充電ケースも探索可能に!

外観のわずかな「変化」から垣間見える「進化」

AirPods Proは、アップルが2019年10月に最初のモデルを発売した、アクティブノイズキャンセリング機能を搭載する左右独立スタイルの完全ワイヤレスイヤホンです。

約3年ぶりにアップデートを遂げた新製品には、アップルが独自に設計するポータブルオーディオ向けの「Apple H2」チップが載っています。前世代のH1よりもチップの処理性能が向上したことと、イヤホン本体の構造に見直しをかけたことで、遮音性能と音質に磨きがかかりました。

外見は、先代のモデルと比べてほぼ変わらないように見えますが、ひとつ注目すべきポイントは、空気の通り道となる小さな穴(ベンチレーションポート)の配置が、耳と接するハウジングの内側からトップに移行したことです。この部分が、イヤホンの音が生まれるドライバーの背圧を巧みにコントロールして、切れ味鋭いサウンドを引き出す役割を担っています。

新しいAirPods Proは紛失しにくくなる!

充電ケースには、「イヤホンを紛失しないための工夫」が大きく2点盛り込まれました。ひとつは、iPhoneの「探す」アプリから、イヤホン本体だけでなく充電ケースも探せるようになったことです。充電ケースには超小型のスピーカーが内蔵され、「探す」アプリから「サウンドを再生」すると、充電ケースのスピーカーからチャイムが鳴って所在を知らせてくれます。

充電ケースは、UWB(超広帯域無線)による通信を可能にするApple U1チップを内蔵しています。Bluetooth LEによる探索に比べ、精度が上がるメリットが期待できます。

でもその前に、そもそも初代のAirPods Proはイヤホンを充電ケースに収納してしまうと「探す」アプリから探索ができない弱点がありました。巷に数多くある左右独立型の完全ワイヤレスイヤホンの中にも、充電ケースごと探索できる製品はあまり多くありません。でも、大抵の場合ワイヤレスイヤホンは充電ケースに入れたまま見当たらなくなりますよね。第2世代のAirPods Proは「紛失しにくいワイヤレスイヤホン」として合理的な進化を遂げています。
ノイキャン性能の向上は「2倍以上」?

アップルは、AirPods Proのアクティブノイズキャンセリング機能による消音効果が「2倍にパワーアップした」と伝えています。その進化のほどは、データとして数値化した形では公開されていませんが、新旧モデルを聴き比べてみると違いは明らかでした。

というより、初代のAirPods Proが手元になくても、第2世代のAirPods Proのノイズキャンセリング機能は多くの人が十分に高い満足感が得られると思います。

筆者は、電車の中や賑やかなカフェなど、いろんな場所でAirPods Proのノイズキャンセリング機能を試しました。音楽再生を始めなくても、AirPods Proを耳に装着しただけで「ググッ」とノイズがシャットアウトされます。低音域から中高音域までまんべんなく消音効果がかかり、漏れ聞こえてくる「苦手な帯域」がありません。フラットに静かなリスニング環境の中でゆったりとサウンドに浸れます。あまり音量を上げなくても、うるさい環境でも静かなピアノのソロ演奏のディティールまで明瞭に聞こえます。シリアスなドラマのセリフも逃さずに追えます。

AirPods Proの実力を最大限まで引き出して適切な遮音効果を得るためには、ユーザーの耳のサイズに一番合うイヤーチップを選んで装着することが大事です。AirPodsの設定メニューから「イヤーチップ装着状態テスト」を何度か繰り返し実行すると、左右の耳に最も合うサイズのイヤーチップがどれなのか、すぐに調べられます。

AirPods Proには、XS/S/M/Lの4種類のイヤーチップが同梱されています。たとえ体格のよい男性でも、耳の穴は形が特殊なのでSサイズが一番フィットして音が聞こえやすい…という場合もあります。新しいAirPods Proを使いながら、もしも「みんなが言うほどノイキャン性能が高いと感じられない…」と感じることがあれば、それはイヤーチップのサイズが合っていないことが理由かもしれません。すぐにチェックしてみましょう。

熱いグルーヴを感じるサウンド

新旧AirPods Proを揃えて比較試聴してみました。リファレンスのプレーヤーはiPhone 14 Pro Maxとして、Apple Musicの楽曲とApple TV+の動画をチェックしました。

最初は、アクティブノイズキャンセリング機能はオンの状態から。

Official髭男dismの軽快なポップチューン『ミックスナッツ』では、冒頭からスピード感あふれるベースラインが展開します。並みのイヤホンで聴くと“ベタッ”と地面に張り付いた平坦なリズムに聴こえてしまいますが、新しいAirPods Proのリズムは起伏に富み、パワーの出し引きの抑揚感がとても豊かです。ボーカルは明るくエネルギッシュ。ブラスバンドのゴージャスな高音域が煌めき、天井高く一気に伸びて爽やかな余韻を残します。

初代AirPods Proは、原音に忠実なバランスの良いイヤホンでした。新生AirPods Proもリアルな再現性を引き継ぎながら、音の彫りが一段と深くなり、立体的な音場を描き出します。ボーカルや楽器のメロディから熱いグルーヴ感が漂い、まるでライブ会場で演奏を聴いているような没入感が楽しめました。

続いて、村治佳織のアルバム「Music Gift to」から『How Deep Is Your Love』を聴きました。繊細なクラシックギター1本で奏でられる優しいメロディが、AirPods Proのノイズキャンセリング機能を味方に付ければ、騒々しい地下鉄の車内で聴いても繊細なニュアンスの変化が浮かび上がり、広々とした音場を見渡すことができます。指先がギターの弦を弾き、柔らかく深い低音をリッチに響かせます。第2世代のAirPods Proは、初代のモデルよりも各帯域の音のつながりがとてもスムーズになりました。音楽を通して、演奏者の体温までが伝わってくるような生々しさを味わい尽くしました。

強力なノイズキャンセリング機能により「音に近づく体験」は、iPhoneでシリアスなドラマや映画を視聴する場面でも真価を発揮します。Apple TV+オリジナルの『インベージョン』は緊迫した展開が連続するSFサスペンスですが、賑やかなカフェで作品を視聴しても、役者の声の表情がよく見えて、物語の舞台に深くのめり込むことができました。

騒々しい場所で参加せざるを得ないWeb会議もまた、新しいAirPods Proのノイズキャンセリング機能があれば、一生懸命に耳を傾けなくてもリラックスしながら会話を聴くことができるので疲れません。
外部音取り込みのサウンドも聴きやすい

そして驚くことに、新しいAirPods Proは「外部音取り込み」にモードに切り替えても、張りのある伸びやかなサウンドがそのまま変わらず楽しめます。

外部音取り込みとは、AirPods Proが搭載するノイズキャンセリング用のマイクを使って環境音を取り込み、再生するコンテンツの音にミックスして聴ける機能です。

新規に開発されたドライバーのパフォーマンスが向上したことと、音のエネルギーを効率よく耳に届けるハウジングの構造が改良されたことで、コンテンツの音に環境ノイズが覆い被さることなくストレートに鼓膜まで到達します。

とはいえ、さすがにノイズキャンセリングモードの状態からは少し音量を上げる必要はありましたが、髭danの楽曲はボーカルや楽器の演奏の力強いインパクト、低音のビートの躍動感がバシッと伝わってきます。初代のAirPods Proよりも音楽に弾力感があり、音の輪郭もボールドに描かれます。

周囲の安全にも気を配りながら、音楽を聴いてワークアウトで汗を流したい場面では、新しいAirPods Proの外部音取り込み機能が真価を発揮します。AirPods Proをビデオ会議で使う際にも、周りの環境音にも注意を向けながら会話に集中できると思います。

外部音取り込みモードの選択時、「適応型環境音除去」という新機能が使えるようになりました。AirPods Proの設定からオン・オフの選択ができます。

機能をオンにすると、突発的に大きな音が聞こえてきた場合にAirPods Proが一定レベルのノイズキャンセリングを働かせてノイズを低減。ユーザーの聴覚を保護します。

筆者が試してみたところ、外部音取り込みモードの選択時に大きなノイズが飛び込んできても、85dB前後までノイズの強さを抑えるようにAirPods Proが動作します。線路の真横や工事現場、車通りの多い道路などいくつかのうるさい場所で試しましたが、「ノイズの種類」を検知して特定の音が飛び込んできた時だけに作動するといった機能ではなさそうです。
同価格帯の高級完全ワイヤレスイヤホンに匹敵する魅力

新しいAirPods Proは、完全ワイヤレスイヤホンのトレンドをしっかりと押さえつつ、ノイキャン性能や音質など、オーディオ機器としてとても基本に忠実なレベルアップを遂げていました。同じ3万円を超える高価格帯のオーディオ専業メーカーが発売する、フラグシップモデルの完全ワイヤレスイヤホンと肩を並べても引けを取らないクオリティに到達していると筆者は感じました。

加えて「空間オーディオのダイナミックヘッドトラッキング」や「iPhoneのワンタッチペアリング」、「Appleデバイス間での自動切り替え」など、AirPodsシリーズならではの楽しみ方ができることの魅力は大きいと思います。今後のソフトウェアアップデートによる新機能追加にも期待がわいてきます。

新しいAirPods Proの登場により、また多くの人々がポータブルオーディオへの興味関心を深めてくれるのではないかと筆者も楽しみにしています。

著者 : 山本敦 やまもとあつし ジャーナリスト兼ライター。オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。独ベルリンで開催されるエレクトロニクスショー「IFA」を毎年取材してきたことから、特に欧州のスマート家電やIoT関連の最新事情に精通。オーディオ・ビジュアル分野にも造詣が深く、ハイレゾから音楽配信、4KやVODまで幅広くカバー。堪能な英語と仏語を生かし、国内から海外までイベントの取材、開発者へのインタビューを数多くこなす。 この著者の記事一覧はこちら

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