成果を上げながら定時で帰る仕事術 第172回 作業のチェックにかかる負荷を減らしませんか

成果を上げながら定時で帰る仕事術 第172回 作業のチェックにかかる負荷を減らしませんか

  • マイナビニュース
  • 更新日:2022/09/23
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本連載の第171回では「資料の作成に時間を取られていませんか」という話をお伝えしました。今回は作業の質や進捗のチェックにかかる負荷軽減の考え方をお話します。

仕事を始める前にするべきこと

事務系の仕事では、情報の加工や転記、入力などの作業が頻繁に行われています。そして、特に重要な情報については「作業結果に過不足がないか」、「誤っていないか」などのチェックが行われます。事務系の仕事に携わっている方の中には、このようなチェックに膨大な時間と労力を取られているという方も少なくないでしょう。

ではどうしたらチェックにかかる負荷を減らせるのでしょうか。そのための考え方を3つお伝えします。
○そもそもチェックを不要にする

チェックの負荷を減らすために最も効果的なのは当たり前ですが、そもそもチェックをしなくて済むようにすることです。それを実現するためには、チェック対象作業の質と範囲、スピードに「問題ない」と確信を持って言える状態にしなくてはなりません。

そのための打ち手で最も強力なのは「作業の自動化」です。特に定型的かつ繰り返し行う作業であれば、エクセルの関数やピボットテーブル、マクロ、或いはWindowsのバッチファイルやRPAなどを使って作業そのものを自動化してしまえば、ヒューマンエラーをなくせる上にスピードも各段に上がるので、チェックする必要がなくなります。もちろん、自動化する時には一時的に負荷がかかりますが一旦仕組みが出来上がれば大幅に負荷を減らす効果が期待できます。
○チェックの範囲を狭める

一回あたりのチェックにかかる負荷を減らすには、チェックの範囲を狭めるのがよいでしょう。これは単に手を抜くということではなくて、「作業結果のこの部分だけチェックすれば十分」という範囲を見極めて、そこ以外をチェック対象から外すということです。

たとえば、各支社の日ごとの売上高を営業支援系のシステムに入力した際に、その入力結果が合っているかどうかを確かめるのに一つ一つの入力データを確認するのでは、過剰に負荷が高くなってしまう恐れがあります。しかし、入力前と入力結果の「各項目の合計値」に絞ってチェックすれば十分かもしれません。この場合においては、もしチェックの結果、合計値に誤りが見つかった場合にのみ詳細を確認すれば十分ということになります。もちろん、入力した項目の種別などが誤っている可能性は否定しきれませんが、そこは費用対効果との兼ね合いを考慮して判断すればよいでしょう。
○チェックの頻度を減らす

作業の内容や結果を毎日チェックしている場合には、その頻度を減らせないか検討します。もちろん、ただ闇雲に減らせばよいというものではありません。チェックの頻度を減らした結果、深刻な問題が発生したり問題が頻発したりするようになってしまっては却って負荷が増えてしまい、本末転倒になりかねません。

そのため、作業でミスを犯した際のインパクトについて「ミスが発生した場合の影響の程度」を考慮してチェックの頻度を減らすかどうかを決めるとよいでしょう。

このミスの影響の程度を考慮するにあたっては「深刻度×範囲×持続期間」で考えるとよいでしょう。「深刻度」とは、例えば商品Aの売上を10%減らしてしまうのか、20%減らしてしまうのかといった度合いを示します。「範囲」とは、それが商品Aだけに留まるものなのか、他の全ての商品に影響を及ぼすものなのか、といった波及効果の有無と程度を示します。そして「持続期間」とは、その影響が1週間で収まるものなのか、1年間続くのかといった影響の及ぼす期間の長さを示します。

以上3つの観点を総合的に勘案して、現状のチェック頻度が妥当なものなのかを判断し、過剰かもしれないと判断した場合には徐々に減らしていくとよいでしょう。
○チェックの仕方を変える

これはどのようなチェックにも有効というわけではありませんが、チェック対象の作業によっては、そのやり方を変えることで負荷を軽減させることができます。

チェックの負荷を上げてしまっている要因としてよく見かけるのが、「資料Aと資料Bのデータの整合性が取れているかどうかを確認する」ということです。この作業をしている方に「資料Aと資料Bの値に齟齬があった場合は、どちらを正として修正するのでしょうか?」と尋ねると、「いや、どちらが正とも言い切れないんです」と回答されることがあります。「では、齟齬があった場合はどうやって修正するのでしょうか?」とさらに突っ込んで聞くと、「齟齬があったら両方の資料の元情報から確認するようにしています」という回答をもらいました。

これでは作業量が膨れ上がってしまっても仕方ありません。そもそも「どちらが正か」が分からないもの同士で突合して整合性を確認しようとすること自体に無理があります。

この例のような場合では、資料の基になっている情報があるので、その元情報同士の整合性をチェックする作業をすべきでしょう。それら元情報の転記や加工を繰り返した資料同士で比較したところで、その転記や加工の過程でミスを犯したことで生まれた齟齬なのか、元情報同士での齟齬なのかの判別がつかないからです。

以上、仕事のチェックにかかる工数を減らす方法をお伝えしました。ぜひご自身の職場の改善に活用していただけましたら幸いです。

相原秀哉 あいはらひでや 株式会社ビジネスウォリアーズ代表取締役 慶應義塾大学大学院修了後、IBMビジネスコンサルティングサービス(現日本IBM)入社。グローバルスタンダードの業務改革手法、Lean Six Sigmaを活用したコンサルティングを得意とし、2012年に日本IBMで初めて同手法の伝道師 "Lean Master"に 認定される。その後、幅広い組織や個人の生産性向上に寄与するべく独立。生産性向上による働き方改革コンサルティングや、コンサルティングスキルを実践形式で学べるビジネスブートキャンプを手掛ける。著書に『リモートワーク段取り仕事術』(明日香出版社)がある。 この著者の記事一覧はこちら

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