
ソフトバンク・泉
◆記者コラム・タカ番24時
こんがり日焼けした顔が、2軍暮らしの長さを物語っていた。筑後で練習に励む5年目の泉に話を聞いた。今季は自己ワーストの3試合登板にとどまるなど、悔しいシーズンを送っている。それでも冷静だった。「(1軍に呼ばれるか)気にしてもしょうがない。継続して、いい調子を続けようとしか考えてない」
1軍では2回2/3を投げ、5与四死球。制球に苦しんだ。崩れた登板を振り返ろうとしても「反省する材料がストライクを入れることしかなくなってしまう」と答えを失っていた。
5月末に出場選手登録を抹消された後も、2軍戦登板5試合で計10失点するなど打ち込まれた。「早く戻りたい気持ちが先行して空回りしていた」と明かす。それでも打たれてようやく気づいたこともあった。「〝テンポよく打たれる〟と改善の仕方も見える。そうやって課題と向き合うことがあまりなかった。そこはいい経験になった」
2軍戦では今季43回1/3で被安打44の一方、与四死球はわずか「2」。コツコツと改善点をつぶしていった右腕。8月以降は17試合登板で3失点など復調の兆しをつかんでいる。
昨季、特に終盤戦は展開にかかわらず登板してフル回転。1年前の自分とのギャップはあっても、焦りはない。「そこ(1軍)ばかり固執して、自分を見失うのは良くない。とにかく今後の野球人生を考えながらやっている」。残り試合で泉を1軍で見られなかったとしても、来季はやってくれる。たくましい顔つきを見て、そう感じた。
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