一目惚れした主人公がガンダムとともにヒロインを守る! 幻の続編を収録したコミカライズ復刻版『機動新世紀ガンダムX Re:Master Edition』

一目惚れした主人公がガンダムとともにヒロインを守る! 幻の続編を収録したコミカライズ復刻版『機動新世紀ガンダムX Re:Master Edition』

  • ダ・ヴィンチWeb
  • 更新日:2022/05/14
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『機動新世紀ガンダムX Re:Master Edition』(ときた 洸一:漫画、矢立肇・富野由悠季:原作/KADOKAWA)

※本稿は作品の内容を含みます。ご注意の上お読みください。

1996年のアニメ放送からおよそ四半世紀を過ぎた『機動新世紀ガンダムX Re:Master Edition』。そのコミック版『機動新世紀ガンダムX Re:Master Edition』(ときた 洸一:漫画、矢立肇・富野由悠季:原作/KADOKAWA)を紹介したい。

アニメ『機動新世紀ガンダムX』は宇宙世紀とは異なる世界を舞台にした「ガンダム」のひとつで、主人公の少年、ガロード・ランがニュータイプの少女ティファ・アディールと出会い、コロニーが落ちて滅んだ世界で「ガンダム」に乗って戦う物語。

個人的には関東地区で前番組だった『新機動戦記ガンダムW』とともに「新しい時代のガンダム」として大きな衝撃を受けた印象が強く、毎週非常に楽しみにしながら全話を視聴した。当時の私がなぜ気に入っていたのか、今回コミック版を読み返して、その理由が分かった。

まず『X』は宇宙世紀とは違う世界ながら、「ガンダム」の要素を取り入れている。「モビルスーツ」(以下MS)はもちろん、「スペースコロニー」や「ニュータイプ」などのキーワードが使われ、それらが再解釈されているのだ。そして主人公とヒロインの関係や、荒廃しほぼ何もなくなった地球を、軍所属ではなく自由に旅をするという設定。ほかのガンダム作品とは異なる独特の空気感が「こういうガンダムもいい!」と思わせてくれたからだ。

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当時のアニメ視聴者はぜひ手に取ってほしいし、アニメを知らずに本作を読むとアニメ版を見たくなるだろう。特に視聴済みの人にはうれしい“おまけ”があるのでおすすめだ。

月は出ているか? ニュータイプ少女を守るため、少年はガンダムに乗る!

舞台は地球連邦軍と、スペースコロニーに住む宇宙革命軍との間で戦争が起きた世界。革命軍が複数のスペースコロニーを落とすことで、地球は壊滅的な被害を受けた。ただ革命軍もまた連邦軍の決戦兵器で壊滅寸前となった。勝者なき終結を迎え、アフター・ウォー(A.W.)と呼ばれる時代になって15年。天涯孤独の少年ガロード・ランが、少女をさらう、という仕事の依頼を受けたところから物語は始まる。

ガロードは使われなくなった軍事施設の物資や兵器の残骸を売りさばくことを主な仕事とする「バルチャー」と呼ばれる何でも屋。ある日、ティファ・アディールという少女をさらうという仕事を受ける。だが彼はティファ奪取時に彼女に一目ぼれ。依頼者がティファの敵であると分かると依頼者を裏切り、以後ティファを守っていくことを決意する。

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非常に分かりやすい形のボーイミーツガール。だからこそ新鮮だった。「ガンダム」シリーズでは、主人公がヒロインにあたる人物とは悲恋となることが多い印象があるのだが、『X』のガロードのティファへの好意は、シンプルに物語を引っ張るエネルギーとなり、最後までブレることはない。

またティファはニュータイプと呼ばれる能力者であった。彼らは人の思念を感知したり、未来を予知したりする力を持ち、先の宇宙戦争で兵器として扱われていた。戦後もニュータイプ研究は、再編成された新連邦軍と宇宙革命軍の残党により続けられていたのだ。宇宙世紀を描く「ガンダム」シリーズ以外でニュータイプの概念が出てくることは珍しい。それでいて主人公がニュータイプでない、というのもレア。本作はニュータイプではない人間がニュータイプを守る物語なのだ。

ガロードはティファに導かれて連邦軍が開発したMS「ガンダムX」を手に入れ、彼女のニュータイプ能力により本機を起動させることに成功する。彼はニュータイプではなくてもパイロットとしては凄腕。ティファの助けを借りつつ、敵のニュータイプたちと戦う。

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「ガンダムX」には「サテライトキャノン」が装備されている。これは月面にある太陽光発電施設から送信されるスーパーマイクロウェーブを受信し、そのエネルギーを発射することができるものだ。スペースコロニーすらも一撃で破壊できる。これが「ガンダムX」が旧宇宙革命軍を追い詰めた決戦兵器たる理由であり、これはあくまで個人的な想像だが宇宙世紀を含めた全ガンダムシリーズのMSのなかで最大級の火力ではないだろうか。なお地球上では「月が出ている」時にしか使えないという制約がある。この「サテライトキャノン」のシステムもストーリーのポイントになる。

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ガロードは「ガンダムX」と、のちに搭乗する新型MS「ガンダムDX(ダブルエックス)」で、新連邦軍と革命軍の残存勢力との決戦へ挑む――。

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生き延びた先に何を見る? 幻の続編エピソード!

最後に紹介しておきたいのが3巻に収録されている『機動新世紀ガンダムX NEXT PROLOGUE「あなたと、一緒なら」』という、64ページのストーリーだ。

こちらは『機動新世紀ガンダムX Blu-Rayメモリアルボックス』の特典用コミックで、アニメの監督を務めた高松信司氏が監修し、アニメのメインシナリオを担当した川崎ヒロユキ氏がストーリーを書き下ろしたアニメの続編エピソードである。アニメの最終回から約1年後のガロードとティファを描いた話で、おなじみのキャラクターたちも登場。さらに作者のときた洸一氏がオーダーしたという、メカニックデザインの石垣純哉による新MSも登場する。

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この3巻だけでも当時のファンには涙モノだ。本エピソードは物語が非常に美しくまとまっているので、ぜひとも読んでほしい。

名作ロボットアニメ「勇者シリーズ」も制作した、高松信司監督の「ガンダム」。『X』放送からこれまで多くの「ガンダム」が生まれている今だからこそ、「X」の魅力が改めて分かるこのコミック版を手に取ってもらいたい。

文=古林恭

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