
格闘家の皇治(TEAM ONE)がCEOを務める格闘技イベント「NARIAGARI」の第3弾大会となる「NARIAGARI VOL.3」(12月2日、大阪・176BOX)の追加カード発表会見が11月21日、都内で開催された。
会見にはK-1グループの宮田充Krushプロデューサーも出席し、NARIAGARI vs K-1グループの対抗戦3試合が発表された。
会見の冒頭、宮田氏は「前回のK-1の会見でNARIAGARIのファイターが出場することに対してファンの皆さんや関係者、ファイターの皆さんからいろいろな声が上がった。それが収まりつつある中で今回の発表になる。いろいろなファイターが出てきて賛否を呼ぶイベントだが、今回の3人のファイターについてはとてもいい選手が対戦相手に挙がっていて、とても意義のあるものだと思っている。ここでどんな戦いが繰り広げられて、来年、NARIAGARIがどんなふうに展開していくかも含めて僕も楽しみだし、今回の大会は生配信もされるということで、これをきっかけに見たことのない人もNARIAGARIの戦い、そこで戦うK-1ファイターの戦いに注目していただければうれしいと思う」などと今回の参戦についての見解を口にした。
これを受けて皇治は「僕はK-1が好きで、感謝もしていて、K-1があったから今の自分がいてますし、勝ったり負けたりですが、こうなってRIZINの舞台で張り切らさせてもらっているのはK-1があったから。だからK-1に感謝していて、K-1がちょっと元気がない時に僕が行くことで賛否両論起こるならええわと思って行ったんですよ。それでPRおじさんみたいになって、PRしにいったら思いのほかファイターたちがやかましい。“NARIAGARIの選手を出すな”とかファンが言うのはいいんですが、ファイターまでごちゃごちゃいうのは“お前らが盛り上げられないから俺が来てんやろ”という話なんで、気に食わんからしばき倒したろ、と思ってNARIAGARIvsK-1は面白いんじゃないかなと思った。NARIAGARIに対してK-1ファイターは“調子に乗るな”と思っていると思うんですよ。それを代表してNARIAGARIをつぶしに来てくれていると思う。これに勝ったら逆にみんなK-1に上がっていくと思うし、負けたら僕らは考えなあかんところ。僕が言いたいのは結局、出所なんて関係なくて、必死こいてる奴が成り上がっていいけばいいと思っている。僕らはそういう選手を抱えていると思っているんで、それを全力でK-1ファイターにぶつけたいと思いました」と今回の対抗戦が実現した経緯を語った。

K-1グループからは三宅祐弥(Hacker GYM)、植村真弥(WSRフェアテックス幕張)、YOHAN(T.K.F)の3選手が参戦。それぞれNARIAGARIファイターの来希(NARIAGARI/TEAM ONE)、カンホサ(NARIAGARI)、平山迅(NARIAGARI/TEAM ONE)と対戦する。
三宅と来希はライト級の3分1Rで対戦する。来希は「今回の対戦相手は格上と思っていて、K-1の強さというのがどれくらいなのかな?と思っている。ほんまに強いのか、まあまあやなという感じで思うのか。今回の試合でそれが分かるのでめっちゃ楽しみ。自分からしたらNARIAGARIのコンセプトに合っている。今回は下剋上。自分、これ食ったらおいしいしかない。この勢いで成り上ろうかなと思ってます」と下剋上に燃える。対する三宅は「今日、皇治さんに渡したいものがあって。僕、大阪市の此花区でハッカージムというキックボクシングジムを出すんですけど、12月4日にオープンするんでちょっと宣伝させてほしいと思っていて。未来の子供たちのためにもキッズに力を入れていきたいと思っていて。ただで皇治さんに来てほしいというわけではなくて、K-1勢が全勝したら皇治さんにハッカージムに来てほしいなという願いです。どうですか?」とジムをPRし皇治に招待状を手渡した。これに皇治は「罰ゲーム的に行くのは嫌やから、行きますよ。チビたちの力になりたいし」と無条件でのジム訪問を約束した。三宅にとってはジムの今後を考えてもここは必勝を期しての参戦となる。

植村とカンホサはヘビー級の3分1Rで対戦する。カンホサは「ヘビー級でスターになったろうかなと思っている。今回の相手は格上かもしれへんけど、NARIAGARIルールなんで、こっちが得やと思っているんで、どっちかが倒れるスリリングな試合をみんなに見せようかなと思っています」と1Rの試合ではあるが、ヘビー級ならではのKO決着を約束。対する植村は「よろしくお願いします。以上で」とさらりと挨拶。

YOHANと平山はウェルター級の3分3Rで対戦する。平山は「いろいろな声がある中、宮田さんと皇治の信頼関係があって、こういう試合が実現できたことを感謝しています。今年1月にK-1でできなかったことをやるためにK-1を抜けたんですが、こうやって現役のK-1ファイターとできるというのはめちゃくちゃおもろいなと思っている。ここでしっかりNARIAGARIファイターのエースとして、ばちっと勝って、もう一度、K-1、Krushにカムバックして、NARIAGARIファイターとして暴れに行こうかなと思っています」とK-1グループへの乗り込みを狙う。
YOHANは「試合をしていない1年間、自分のルーツである韓国で修行を積んできました。その途中で首のヘルニアをやってしまって松倉選手との試合が流れてしまったんですが、今、僕めちゃくちゃ強いんで、平山選手がケガしちゃうかなと心配です。僕がK-1王者になる過程としてここは勝ちに行く」と語った。平山はK-1参戦時には不可思にも勝利しており、YOHANにとってはここでの勝利はK-1グループ内でも大きなアピールとなりそうだ。
また平山は「僕はK-1を抜けてISKAとか一つの形、ベルトを獲りたくて行動したんですが、来年もう一度ベルトに挑戦して、獲って、そのベルトを持ってK-1にケンカを売りに行ってもいいし、それこそRIZINとかほかの団体にケンカを売りにいってもいい。1回、木村ミノル選手に負けているので、木村ミノル選手はいろいろな問題がありますが、本来の木村ミノルともう1回殴り合いができればおいしいなと思っている。まずはここをしっかり勝って、もう1回ベルトに挑戦する権利をもらって、自分をしっかり体現していこうかなと思っている。あと、僕はK-1のころから言っているんですが、非日常をお客さんに見せないとあかんので、倒すか倒されるかの試合を見せたい。その覚悟で挑みたい」とかつて敗れている木村“フィリップ”ミノルへのリベンジにも言及した。

最後に宮田氏は「今回の戦いは非公式試合も含めて意義のあるものかなと思っている。どこにでも出ていくというものではないが、K-1も開国ということを打ち出している中で、海外で日本人選手がISKAの王者になったり、続々と他団体への出撃が決まったり、他団体のファイターがK-1に上がってきたりといろいろな行き来があるが、その中で、NARIAGARIとの対抗戦がどう転んでいくかはこの3試合にかかっていると思う。どちらが勝つにせよ、お客さんの心に残るような試合を見せてほしいし、ドラマチックな残酷な決着になれば、その分、心に残ると思う。中途半端な試合ではなく、白黒はっきりつくような試合を6選手には期待したい」、皇治は「どんどんNARIAGARIの舞台を踏み台にして、いろいろな道へ上がっていってもらえれば本望ですし、そういう団体でありたいと思っているので、そういう意味ではK-1ファイターを食って全国の格闘技関係者とかファンに覚えてもらうチャンスだと思っている。乱闘がすべてではない。いい意味で暴れて、どんどん日本中に名を知らしめていってほしいし、いろいろな新しい選手が出てきて格闘技界を盛り上げてくれないと、魔裟斗さんの時代や武尊や僕らが頑張っていた時代を超えられないと思うので、どんどんそういう若い選手を作っていきたい。今回はNARIAGARIに来てもらう選手を踏み台にして上がっていってもらおうと思っているし、ファイターは生の声が力になるので、できるだけ会場で応援してあげてほしいし、視聴者の皆さんも温かい声でファイターたちを応援してもらえればうれしいなと思います」と選手たちの頑張りに期待した。
hmotoyoshi