直島に新たなアートが誕生? いえ、実はサウナです。

直島に新たなアートが誕生? いえ、実はサウナです。

  • カーサ ブルータス
  • 更新日:2022/11/25

November 25, 2022 | Architecture | a wall newspaper | text_Housekeeper

曲線的な構造が目を惹くサウナ〈SAZAE〉。なぜこんな形に? 設計を行った隈太一に話を聞く。

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巻き貝型にすることで、扉を内側に隠した。施設名を〈SAZAE〉にしたのは、名前にサのつく貝であるから。

現代アートの聖地として知られる瀬戸内海・直島にサウナが現れた。設計を担当したのは、自身も数年来のサウナーだという隈研吾建築都市設計事務所の隈太一。巻き貝をモチーフに作られた、この〈SAZAE〉の最大の特徴は、トップライトがあることだ。
「温められた空気が上部に溜まってしまうため、サウナにトップライトは採用されてきませんでしたが、今回はその空気を下に送るためのオリジナルの吸排気システムを開発。今までにない神聖なサウナ空間を実現しました。採光は天井からの自然光と足元の間接照明のみ。昼と夜はもちろん、季節によっても室内のイメージがガラリと変わります」

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隣接する水風呂は、入った際に全身が浸かる深さに。

また、“外観があるサウナ” であることも特筆すべき点だ。
「基本的にサウナは建物の中に収められているので、外観と言ったら扉のみ。建築に関わる者として、いつかは構造物としてのサウナを作ってみたいという思いがありました。〈SAZAE〉のサウナ監修に入っている〈TTNE〉とも前々からそんな話をしていたので、実現できて嬉しいですね」

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サウナ内には天井から光が差し込む。座った際にちょうど体に空気が当たるよう対流を設定した。体験可能人数は最大10名まで。

1000枚以上の合板の積み重ねによるヒダのような形状はサウナ内の光に陰影を生みだし、曲線的な構造は座った際に体にうまくフィットするように設計。一見、恣意的には見えるが、裏には明確なロジックが存在するのが面白い。隈は、そんな〈SAZAE〉を“理性から直感に切り替える装置”だと言う。
「アートでよく語られる直島ですが、実は自然も豊かな場所です。鑑賞の対象としてではなく、実際に〈SAZAE〉に入りととのう。それによって自分の内面と向き合い、海や風を直感的に感じ、直島の自然をより深く体験できる装置になってほしいなと思っています」

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目の前には瀬戸内海が広がる。サウナから出て、そのままダイブなんてことも。

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隈 太一くまたいち 建築家。隈研吾建築都市設計事務所取締役・パートナー。TAILAND主宰。過去の担当作・作品に〈タカハマカフェ〉、〈SHAREtenjincho〉など。

casabrutus.com

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