出現が予測されていた火球の飛跡 大気圏突入前に発見された史上6番目の小惑星「2022 WJ1」

出現が予測されていた火球の飛跡 大気圏突入前に発見された史上6番目の小惑星「2022 WJ1」

  • sorae
  • 更新日:2022/11/26
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【▲ 2022年11月19日にカナダ上空で大気圏に突入し、火球として観測された小惑星「2022 WJ1」の飛跡(Credit: Robert Weryk)】

こちらは、2022年11月19日にカナダで撮影された火球の飛跡です。オンタリオ州ロンドン在住の天文学者Robert Werykさんによって撮影されました。実はこの画像は偶然撮影されたものではなく、火球の出現はあらかじめ予測されていたといいます。

2022年11月19日13時53分(日本時間・以下同様、米国東部標準時11月18日23時53分)、アリゾナ大学の全天サーベイ「カタリナスカイサーベイ」が1つの小惑星を発見し、追跡観測が開始されました。後に「2022 WJ1」の仮符号が与えられるこの小惑星は、推定直径約1mの小さな天体とされています。直径30μm~1m程度の天体は流星物質と呼ばれていて、地球の大気圏に突入したものは流星として観測されます。

アメリカ航空宇宙局(NASA)ジェット推進研究所(JPL)の地球近傍天体研究センター(CNEOS)が観測データを分析したところ、2022 WJ1は100パーセントの確率で間もなく地球へ衝突することが判明しました。予想される衝突時刻は発見からわずか3時間半後の2022年11月19日17時27分(米国東部標準時同日3時27分)、場所はオンタリオ州南部です。分析結果が出たのは衝突予想時刻の2時間以上前だったため、オンタリオ州の南西部にいる科学者に向けて火球の出現予測を伝える時間がありました。

2022 WJ1の観測は大気圏突入までに合計46回行われました。最後の観測は衝突の32分前、ハワイ大学の2.2m望遠鏡(マウナケア山)で行われています。2022 WJ1は予測通りの時刻に浅い角度で西から東へ向かって大気圏に突入し、分裂して火球となって観測されました。アメリカ流星協会には数十件の目撃情報が報告されている他に、SNSなどでは火球を撮影した動画も投稿されています。Werykさんが撮影した冒頭の画像も、あらかじめ衝突が予測されていたために撮影できたのです。

~1-m space object - temporary designation #C8FF042 - strikes Earth over Canada, creating stunning #fireball ☄️

For only the 6th time in history, this impact was predicted.

Find out more about predicting #asteroid impacts from the last time this happened 👉 https://t.co/zwPKXeUEUl https://t.co/XbDqtiDuom pic.twitter.com/5yHGWibSki
— ESA Operations (@esaoperations)
November 19, 2022
from Twitter

【▲ オンタリオ州トロントで撮影された2022 WJ1の大気圏突入による火球の動画をシェアした欧州宇宙機関(ESA)関連アカウント】

小惑星は毎日のように発見されていますが、地球に衝突(流星として大気圏で燃え尽きる場合も含む)する前に発見された小惑星は2008年10月に発見された「2008 TC3」以来、これまでに5例しかありません。今回発見された2022 WJ1は、地球への衝突前に発見された史上6番目の小惑星となりました。

関連:去る3月12日に大気圏へ突入。地球衝突前に発見された史上5例目の小惑星「2022 EB5」

Source

Image Credit: Robert Weryk

NASA/JPL- NASA Program Predicted Impact of Small Asteroid Over Ontario, Canada

文/松村武宏

松村武宏

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