地球外生命体探査史上「最大」の進展、金星の大気に生命の痕跡

地球外生命体探査史上「最大」の進展、金星の大気に生命の痕跡

  • GIGAZINE
  • 更新日:2020/09/15
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嫌気性の微生物が生成するガスが、「生物に向かない環境」として知られる金星から検出されました。研究者は今回の発見を予想外のものとしており、NASAの長官は「地球外での生命を示す上で、過去最大の進展です」と述べています。

Announcement About Research on Venus's Chemistry | NASA

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https://www.nasa.gov/feature/announcement-about-research-on-venuss-chemistry

Phosphine gas in the cloud decks of Venus | Nature Astronomy

https://www.nature.com/articles/s41550-020-1174-4

Hints of life on Venus | The Royal Astronomical Society

https://ras.ac.uk/news-and-press/news/hints-life-venus

Scientists Find a Possible Sign of Life on Venus - The Atlantic

https://www.theatlantic.com/science/archive/2020/09/venus-life-phosphine-microbes/616342/

Possible hint of life discovered on Venus | Live Science

https://www.livescience.com/phosphine-signature-life-on-venus.html

今回の調査で金星から検出されたのは「ホスフィン」と呼ばれるガス。ホスフィンガスは地球上にも存在し、多くは嫌気性微生物や人為的活動によって生み出されるため、なぜ金星でホスフィンガスが生まれたのかという理由が科学者にはわからないとのこと。

2017年、研究者たちはハワイにあるジェームズ・クラーク・マクスウェル望遠鏡を使って、金星にホスフィンガスの印がないかどうかをチェックしていました。ホスフィンガスは惑星が自然に生成するものではないので、ホスフィンガスの存在が今後の宇宙開発の基準になると考えられたのです。そして、研究者の予想に反して、最初の調査で金星にホスフィンガスが存在する可能性が示されたとのこと。その後、アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計を使って金星にあるホスフィンガスの存在が確かめられました。

研究に参加したマサチューセッツ工科大学(MIT)のClara Sousa-Silva氏は「奇妙に聞こえるかもしれませんが、最も妥当と思われる説明は、生命の存在です」と述べています。

またNASAのジム・ブライデンスタイン長官はホスフィンガスの発見について「地球外での生命を示す上で、過去最大の進展です」とTwitterに投稿しました。

Life on Venus? The discovery of phosphine, a byproduct of anaerobic biology, is the most significant development yet in building the case for life off Earth. About 10 years ago NASA discovered microbial life at 120,000ft in Earth’s upper atmosphere. It’s time to prioritize Venus. https://t.co/hm8TOEQ9es
— Jim Bridenstine (@JimBridenstine)
September 14, 2020
from Twitter

これまでに地球以外でホスフィンガスが検出された場所は木星と土星で、いずれも激しい嵐の中に存在していました。そこで研究者がコンピューターシミュレーションを用いて、金星でも同様の状況を再現してみましたが、わずかなホスフィンガスが生成されるものの、地球から検出されるほどの量ではなかったそうです。
一方で、ホスフィンガスが存在するからといって、必ずしも金星に生命が存在するということではないと、研究者は述べています。嫌気性微生物によってホスフィンガスが生み出されることはよく知られていますが、これまでに地球上では確認されていないプロセスによって、ホスフィンガスが生成される可能性も同様に考えられるためです。
「生命の存在が可能性として考えられるように、光化学的、あるいは地球化学的なことも考えられます」「情報が足りません。金星を覆う雲の光化学的な特性についても、ほとんど何もわかっていないのです」と研究者はレポートにつづりました。
金星の気圧は地表で92気圧と非常に高く、温度も約460度と高温で、有毒ガスで覆われていることから、太陽系内の中でも金星は「生命が存在しそうな場所」として考えられず、火星のように生命探査が行われてきませんでした。しかし、今回ホスフィンガスが検出されたのは地表ではなく、雲の上の方で30度と低温な場所でした。ホスフィンガスが生物によって生み出されたものなのか、それとも別の発生源があるのかを明らかにするには、惑星の動きに関する詳細なモデリングデータが必要だと研究者は述べています。

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