非情な人、メディア嫌い...元中日・番記者が明かす「落合博満の本当の姿」とは?

非情な人、メディア嫌い...元中日・番記者が明かす「落合博満の本当の姿」とは?

  • TOKYO FM
  • 更新日:2022/05/20
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藤木直人、高見侑里がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「SPORTS BEAT supported by TOYOTA」。5月7日(土)の放送では、スポーツライターの鈴木忠平(すずき・ただひら)さんをゲストに迎えて、お届けしました。

(左から)藤木直人、鈴木忠平さん、高見侑里

鈴木さんは、1977年生まれの千葉県出身。日刊スポーツ新聞社でプロ野球の担当記者を16年間経験後、2016年に独立し、2019年までNumber編集部に所属。現在はフリーライターとして活動。

著書には、「清原和博への告白 甲子園13本塁打の真実」(文春文庫)、「清原和博 告白」(文春文庫)などがあり、昨年9月に発刊した中日ドラゴンズの落合博満元監督の実像を描いたノンフィクション「嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか」(文藝春秋BOOKS)は、12万部を超えるベストセラーとなっています。

◆番記者から見た、落合監督像

藤木:「嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか」を書くきっかけは何だったのですか?

鈴木:元々、日刊スポーツ新聞社で記者をしていまして、ちょうど落合監督時代の中日ドラゴンズを8年間担当させてもらっていたんです。担当記者(番記者)って、キャンプでもどこでも1年間ずっとついていくんです。

藤木:はい。

鈴木:その後、自分は会社を辞めたのですが、その後も落合さんのことがずっと心に残っていました。(番記者時代に)新聞に書けないことがいっぱいあったので、“フリーライターとして、いつか自分が死ぬまでに(落合さんについて)書ければいいかな”と思っていたんですけど、ちょうど新型コロナウイルスが流行り始めたぐらいのタイミングで、「週刊文春」の編集長から「落合さんのことについて書きませんか?」と言っていただいたのがきっかけになりました。

高見:著書を読んでいると、“落合さんはメディアと一線を引いている”という印象があったんですが、本当のところ、落合さんは“メディアが嫌い”なんですか?

鈴木:最初は、自分も世の中で言われているような“メディア嫌い”というイメージを持っていました。でも、僕ら番記者は(取材のために)落合さんの家にもよく行っていたんですが、1人で待っていた場合に限り、タクシーに(一緒に)乗せてくれて、ご自宅から球場まで向かうあいだに、いろんなお話をしてくれたんです。そういうときの落合さんはけっこう饒舌というか、「俺はこうなんだよ」みたいな話をしてくれるんですよね。

藤木:監督として「勝つことがすべて」というやり方で8年間戦っていらっしゃったので、“勝つために”という監督像を演じられている部分も大きかったのかなと。

鈴木:そうですね。僕は最後のほうに気づいたんですが、“しゃべらない”というのも、監督として必要なことだからあえてそうしていたんじゃないかと。しゃべらないときは本当にまったくしゃべらないので、“タクシーのなかであれだけ話していた方が、こういうふうになるのか”と思う瞬間もやっぱりありました。それは、藤木さんがおっしゃるように“監督・落合博満”を演じていた部分があったんじゃないかなと思います。

◆番記者が目にした日本シリーズ唯一の局面

藤木:あの日本シリーズ(2007年・中日ドラゴンズ対日本ハムファイターズ 第5戦)で、山井(大介)投手が8回まで完全試合ペースで投げていたのを、9回に(岩瀬仁紀投手に)交代させた。僕はあのときに“それは良くないんじゃないか”と思ったんです。

もちろん、マメ(山井投手の右手指のマメの状態が良くなかった)の話など“裏話があったんだな”と本を読んで思ったんですけど、あの交代について鈴木さんはどう思われましたか?

鈴木:あの試合も僕は記者席から観ていたんですが、8回が終わったときに“落合さんだし、(投手を)変えるんじゃないかな”と思ったんです。

藤木:予感があったんですか?

鈴木:はい。僕だけじゃなく、周りの記者の方、テレビ局の方、ラジオ局の方も、みんなそういう思いがあったと後で聞きました。ずっと落合さんと接してきているので“落合さんならやりかねない”と。

だけど、(交代させたいと)思っていたとしても、それを実際にはなかなか実行できない状況だろうなと思っていたら、本当に実行された。あの日は新聞紙面もいろいろ大変でした。

しかも、日本シリーズで8回が終わるまで完全試合が続行されたのは、あの試合だけなんですよ。だから、落合さんだけにしか、あの決断の場面が巡ってきていないんですよね。

藤木:しかも、その試合が(中日の)日本一を決める試合だったんですよね。あれが王手の懸かった試合じゃなければ違っていたのかもしれないけど……。

鈴木:そうですよね。例えば1勝1敗などの状況だったら個人の記録を考えたかもしれないですし、それでも変えていたかもしれないですよね。

藤木:それから、だんだん「落合の野球は勝つけれどもつまらない」という雰囲気が広まっていったじゃないですか。鈴木さんは、そのときどういう思いだったのですか?

鈴木:日本シリーズの采配で「非情な人」「勝利至上主義者」というイメージが決定づけられて、いろんな批判もあったんですよね。だからといって、落合さんは世間に歩み寄っていく人じゃないので、ますます世の中との乖離が広がっていっていったんですけど、自分は“それこそが落合さんの面白さなんだ”と。

でも人情として、やっぱり世の中の人が面白くないというのも分かりますし、人として、書き手として落合さんをどう思うのか、本当に(気持ちが)揺れていましたね。

次回5月14日(土)の放送も、引き続き鈴木忠平さんをゲストに迎え、お届けします。どうぞお楽しみに!

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<番組概要>
番組名:SPORTS BEAT supported by TOYOTA
放送日時:毎週土曜 10:00~10:50
パーソナリティ:藤木直人、高見侑里
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/beat/

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