発達障害を抱えながらも、よりラクに快適に生きる! 当事者の著者が推す“サバイバルのコツ”とは

発達障害を抱えながらも、よりラクに快適に生きる! 当事者の著者が推す“サバイバルのコツ”とは

  • ダ・ヴィンチニュース
  • 更新日:2020/09/16
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『「あたりまえ」がやれない僕らがどうにか生きていくコツ47 発達障害サバイバルガイド』(借金玉/ダイヤモンド社)

普通じゃなくていい、生き抜こう――帯に書かれた力強いメッセージと黄色い表紙に目が留まる『「あたりまえ」がやれない僕らがどうにか生きていくコツ47 発達障害サバイバルガイド』(借金玉/ダイヤモンド社)。9月13日現在でAmazonのビジネス実用本1位、楽天ブックス教育・福祉部門1位を記録するなど、目下大きな注目を集めている一冊だ。

著者はADHDのほか双極性障害(躁うつ病)の持病を抱える借金玉さん。本書は発達障害のために「みんながあたりまえにやれていることがうまくやれない。人生がうまくいかない」と悩んできた著者が、“少しでもまともな生活を手に入れるために重ねてきた数々のコツを共有しよう”と書かれたものだ。

実は借金玉さんはベストセラーとなった『発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術』(KADOKAWA)の著者でもある。前著では「組織で働く」ためのノウハウを紹介した借金玉さんだが、考えてみれば「仕事」の前には「生活」が成り立っていることが前提であり、実はその生活にこそ困難を抱えている人が多いことに気がついたのが今回の執筆理由。そのため本書では「何度転んでも、何度落とし穴に落ちても、どうにか立ち直るための再起の方法」という究極のライフハックばかりを紹介しており、まさにタイトル通り、発達障害やグレーゾーンで悩む人たちへの「サバイバルガイド」なのだ。

本書で紹介されているライフハックは全部で47あり、「生活環境」「お金」「習慣」「在宅ワーク」「服」「食事」「休息」「うつ」の8つのカテゴリーにわかれて網羅性も高い。いずれも発達障害当事者である著者自身の「失敗体験」から発見されたものであり、もちろん実践済みで効果のあったコツばかりと心強く、おそらく同じような困難を抱える多くの人が「これが知りたかった!」ということに出会えるのではないだろうか。

ところで「サバイバルガイド」とはいうものの、なにも「しんどいことを我慢してかろうじて命をつなぐ方法」を紹介しているわけではない。むしろ本書でいうサバイバルとは「よりラクに、より快適に、より優雅に生きられる環境を自ら作りあげていく」ことであり、そうした前向きで意欲的な姿勢が前面に出ているのが本書の特色でもある。著者によれば、発達障害などで生活に困難を感じている人ほど、「自分には快適に生活する権利はない」と自虐的に思い込み、ストイックに生活しがちだという。だが本来であれば「快適に生活する」ことはすべての人にとって大切なこと。だから著者は快適な生活を実現するための「投資」も惜しまない。

たとえば第一章の「生活環境編」では「人生をよくするのは努力ではなく設備投資」として、著者の人生を飛躍的に変えたモノベスト5(ラクになった! を実感できる「食洗機」、身体を壊す前のディフェンス投資としての「マットレス」、発達障害にとって武器になる「知識」を磨くための「机と椅子」など)を紹介している。いずれも発達障害でなくても生活向上のヒントになりそうなアイテムばかりだが、著者によればこれらはあくまでも設備投資の「一例」というのがポイントだ。大事なのはこうした思考に刺激され、自分の中にある「自分ががんばればいい。設備投資はしなくていい」という感覚を発見し、可能なかぎり拭い去ること。モノに頼ればラクになるならむしろ積極的に頼っていいし、そんな自分を許す。まずはそうした意識改革が生活を変えるスタートラインになるのだ。

「発達障害だって貧乏人だって、豊かで快適な生活をしていいに決まっています」と著者はメッセージする。そのまなざしは同じ悩みを持つ人たちへの共感に満ちていてやさしく、どん底を知っているだけに現実的で客観的で頼り甲斐がある。なにより失敗から逃げず自ら未来をよりよく変えていこうとする前向きな姿勢には、勇気づけられることだろう。

文=荒井理恵

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