ケリー被告公判、初の本格的司法取引...元秘書室長らの証言焦点

ケリー被告公判、初の本格的司法取引...元秘書室長らの証言焦点

  • 産経ニュース
  • 更新日:2020/09/15

日産自動車元代表取締役のグレゴリー・ケリー被告らの公判は、来年7月までに70回以上の期日が指定され、計20人近くの証人尋問が行われる。証人の中で注目されるのが、検察と司法取引(協議・合意制度)して起訴を見送られた日本人元秘書室長と外国人執行役員だ。2人は元会長のカルロス・ゴーン被告やケリー被告の指示で、報酬の計算や受け取り方法の調査・検討などをした「実行役」とされ、公判では元秘書室長らの証言も焦点となりそうだ。

司法取引は、実態解明が難解な事件で捜査協力の見返りに刑事処分を減免する制度で、平成30年6月に導入された。企業など組織の末端の協力を得て上層部の摘発を目指すことが想定されていた。

ただ、適用第1号の「三菱日立パワーシステムズ」(現三菱パワー)のタイの発電所建設に絡む外国公務員への贈賄事件では、不正に関与した社員の捜査に協力する代わりに、会社自体は刑事責任を免れる構図となった。「トカゲの尻尾切り」との批判も出るなど「イレギュラーな形」(検察OB)となった。

一方、ゴーン被告の報酬過少記載事件では、検察側は厳しい守秘義務が課せられる元秘書室長らの協力を得る見返りに、日産トップのゴーン被告とケリー被告を摘発することになり、「まさに想定していた理想的な形」(同)となった。

関係者によると、元秘書室長は問題発覚当初、捜査協力に消極的だったが、周囲の説得で重い腰を上げたという。個人の免責という意味では今回の事件が初の本格的な司法取引となり、ケリー被告の弁護側も元秘書室長らの供述の信用性などを追及する見込みだ。

また、証人尋問では、ゴーン被告の報酬に関する書類に署名するなどした前社長の西川広人氏や、報酬支払いの方法を提案するなどしていた元代表取締役の志賀俊之氏、小枝至氏ら歴代経営陣も証人として出廷する。

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初公判のため東京地裁に入る日産自動車元代表取締役のグレゴリー・ケリー被告(左)=15日午前、東京都千代田区(代表撮影)

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