メルセデスW14は終わったわけじゃない? 古巣の苦境にウイリアムズF1代表が助け舟「強力になってくるコースもある」

メルセデスW14は終わったわけじゃない? 古巣の苦境にウイリアムズF1代表が助け舟「強力になってくるコースもある」

  • motorsport.com 日本版
  • 更新日:2023/03/19
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現在ウイリアムズF1のチーム代表を務めているジェームス・ボウルズは、古巣であるメルセデスの今季マシンW14が、いくつかのコースでは高いパフォーマンスを発揮する可能性があると考えている。

メルセデスは2022年の新レギュレーション導入をきっかけに大きく苦戦。2023年はそこから復活することを目指していたが、開幕戦では先頭を走るレッドブルと、依然として大差があることが明らかになってしまった。

彼らはこの結果を受けてマシンのコンセプト変更も考慮するに至っている。いずれにせよ、まだしばらくメルセデスの苦しい時期は続くと考えられる。

しかし、メルセデスが今季のレースで全く希望が無いというわけではないと考えている者もいる。それが元メルセデス戦略責任者で、現ウイリアムズF1代表のボウルズだ。

彼は2023年シーズン中に、メルセデスが強力なパフォーマンスを発揮するコースもあると考えている。

「レッドブルが今シーズンを通じて支配し続けると思うかと問われれば、答えはノーだ。疑っているよ」

「フェラーリはここ(サウジアラビア)でより接近してくると思うし、シルバーストンやバルセロナといったコースでは私の知っていることからするとメルセデスが強力になってくるだろう」

「しかしシーズン全体のバランスでレッドブルが最速なのか? と言われればそれはイエスだ」

そう語るボウルズだが、彼はレッドブルが空力開発に割ける時間が少ないことを無視してはならないとも指摘しており、まだ状況は変わってくる可能性があると話す。

レッドブルは2021年の予算上限を超過した結果、今年の風洞と数値流体力学(CFD)における空力開発時間が10%削減されることになった。2022年のチャンピオンでもあるため、基準となるチームと比較すると63%の時間しか空力開発に充てられないのだ。

「彼らは風洞の(使用時間・使用回数で)赤字を抱えているんだ」

「バランスをとるために必要なほどの制限ではないと思うが、制限は制限だ。そして、この事はシーズンを通じてライバルたちが彼らに立ち向かっていく姿を見せることになると思う」

「現在のルールは来年も継続されるため、マシンの開発を続ける必要があるし、状況はより接近していくはずだ。絶対的な支配にはならないと思う。1年を通じ、浮き沈みがあるだろう」

ボウルズはF1という競技の性質から、ルールが安定していればしているほど、各チームのギャップは縮まっていく可能性が高いと語る。

彼は「適切な投資ができなかったり、台無しにしてしまう決断を下すこと」が支配的な状況を覆す理由になるとしており、さらに「スピードがあるときは変化を好まない」という性質を例に上げて、他のチームが追いつく余地になっていると説明した。

さらにボウルズは、2023年シーズンの見通しについて、フェラーリもメルセデスもまだ諦めたりはしていないと考えており、先日メルセデスが公開したファン向けの書簡も含めて”負け犬根性“には陥っていないと語った。

「メルセデスもフェラーリも、先週は前進するために持てる全ての時間を使っていたのは間違いないと思う」

「諦めというよりも、むしろ彼らはさらに深掘りしているんだ」

「外部に向けたメッセージをとっても、アレは『我々もファンと同じ痛みを感じているが、戻ってくる』という戦いのメッセージだ。諦めというより、やる気をさらに奮い立たせるものだと思う」

実際、サウジアラビアGPで予選4番手となったジョージ・ラッセルは、チームの作業による進歩をすでに感じるとコメントしている。一方でルイス・ハミルトンはそれほどマシンに満足できているわけではない。その進歩を続けていけるかどうかによっても、メルセデスの状況は変わってくるのではないだろうか。

Jonathan Noble

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