食事を抜く女性は蛋白尿に注意が必要、大阪大学研究報告

食事を抜く女性は蛋白尿に注意が必要、大阪大学研究報告

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  • 更新日:2021/01/13
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食事を抜く女性は蛋白尿に要注意――阪大職員対象の研究

朝食や夕食を食べない習慣のある女性は、蛋白尿が現れるリスクが高いことを示唆するデータが報告された。

大阪大学キャンパスライフ健康支援センターの山本陵平氏らが、1万人を超える同大学職員を4年以上追跡して明らかになった結果であり、詳細は「Nutrients」に11月19日掲載された。

朝食を抜くことがメタボリックシンドローム、2型糖尿病、心血管疾患などのリスクと関連することは複数の研究から示されている。

しかし、腎疾患との関連を検討した研究は少なく、さらに昼食や夕食の欠食による影響はほとんど検討されていない。そこで山本氏らは、阪大職員の健診データを用いた後ろ向きコホート研究を行い、それらの関連を検討した。

検討の対象は、2005年1月~2013年3月に健診を受けた19~60歳の職員1万5,226人から、eGFR60mL/分/1.73 m2未満や尿蛋白「±」以上、夜勤が月に15回以上の人などを除いた1万113人(女性5,439人、男性4,674人)。年齢の中央値は女性31歳(四分位範囲26~38歳)、男性34歳(同29~42歳)。

ベースライン時に自記式質問票を用いて、朝食・昼食・夕食それぞれの摂食頻度を「ほぼ毎日食べる」「不規則」「ほぼ食べない」の三つから選んでもらった。

なお、昼食と夕食に関しては摂食頻度が「ほぼ食べない」との回答がわずかだったため、「ほぼ食べない」を「不規則」に含めて解析した。蛋白尿については、尿試験紙検査で「+1」以上を陽性と判定した。

ベースライン時のデータからは、欠食習慣のある群は、女性・男性ともに若年で、BMI、収縮期血圧、総コレステロール、HbA1c、および喫煙率が有意に高かった。

また欠食習慣のある女性では飲酒頻度が有意に高かった。一方、eGFRは女性・男性ともに、欠食習慣の有無による有意差は認められなかった。

観察期間中の蛋白尿出現者数を性別に見ると、まず女性については中央値4.3年(四分位範囲2.0~7.7年)の間に763人(14.0%)に蛋白尿を認めた。

1,000人年あたりの蛋白尿出現率を摂食頻度別に比較すると、朝食を「ほぼ毎日食べる」群は24.3、「不規則」群は35.8、「ほとんど食べない」群は40.8だった。昼食に関しては「ほぼ毎日食べる」が26.3、「不規則/ほぼ食べない」が40.0、夕食では同順に25.8、46.3だった。

次に、それぞれの食事の「ほぼ毎日食べる」群を基準に、欠食習慣のある群の蛋白尿出現率をCox比例ハザードモデルで検討した。

なお、解析に際して蛋白尿出現に影響を及ぼし得る因子(年齢、BMI、喫煙・飲酒・間食摂取習慣、収縮期血圧、総コレステロール、中性脂肪、HbA1c、eGFR、尿蛋白±、糖尿病・高血圧・脂質異常症・心血管疾患の既往)、および食事の摂取頻度は調整した。

すると、朝食を「不規則」に食べる群はHR1.35(95%信頼区間1.09~1.66)、「ほぼ食べない」群はHR1.54(同1.22~1.94)、夕食を「不規則/ほぼ食べない」群はHR1.31(同1.00~1.72)となり、欠食習慣のある人は有意に高リスクであることが分かった。ただし昼食の欠食によるリスク上昇は有意でなかった。

一方、男性に関しては中央値5.9年(四分位範囲2.5~9.5年)の間に617人(13.2%)に蛋白尿を認めた。1,000人年あたりの蛋白尿出現率を摂食頻度別に見ると、朝食を「ほぼ毎日食べる」群は20.6、「不規則」に食べる群は22.7、「ほぼ食べない」群は23.9だった。

昼食に関しては「ほぼ毎日食べる」群が21.0、「不規則/ほぼ食べない」群が23.7、夕食では同順に21.2、22.3であり、Cox比例ハザードモデルでの検討の結果、すべての群間に有意差は認められなかった。

欠食が蛋白尿出現リスクを高める理由について、著者らは「食事回数が少ないことで食後の糖負荷が過大となり血管内皮機能が障害されたり、酸化ストレスが亢進することの関与が考えられる」と述べている。

また女性でのみ有意なリスク上昇が認められたことの背景としては、「欠食習慣のある女性は月経困難症の有病率が高い。

月経困難症では炎症や酸化ストレスが亢進していることが多く、それらが関係している可能性がある」と考察している。また欠食習慣のある女性は野菜や魚の摂取量が少ないとのデータがあり、そのような関連は男性では報告されていないという。

著者らは本研究の結果を、「朝食や夕食を抜くことは、女性の蛋白尿出現のリスク因子であることが示された。女性は欠食をしないことが、慢性腎臓病の予防につながる修正可能な生活習慣の一つであるかもしれない」とまとめている。(HealthDay News2021年1月4日)

Abstract/Full Text
https://www.mdpi.com/2072-6643/12/11/3549

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構成/DIME編集部

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