来年朝ドラ主役「伊藤沙莉」が売れない子役から大逆転できたワケ サバサバ系に見えて「粘着質」な一面も

来年朝ドラ主役「伊藤沙莉」が売れない子役から大逆転できたワケ サバサバ系に見えて「粘着質」な一面も

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  • 更新日:2023/09/19
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伊藤沙莉(写真:2021 TIFF/アフロ)

2024年度前期のNHK連続テレビ小説「虎に翼」で主演が決定した俳優の伊藤沙莉(29)。今や、すっかり売れっ子俳優というイメージが定着したが、子役時代は「低迷期」が続いていたことを出演した番組で何度も明かしている。

9月4日放送の「帰れマンデー見っけ隊!!」(テレビ朝日系)で、海がない山梨県ですし店を探すというロケに参加した伊藤。MCに子役時代の苦労をたずねられると「学校でのあだ名が『売れない子役』だった」と告白。別のインタビューでは、芸能界は「露骨な世界」だと話し、周囲の大人や男性の目は「かわいい子」「有名な子」に向くことが多く、なかなか自分を見てもらえない状況だったと明かしていた。そのことが役者を続けるうえで向上心につながったものの、「大げさに言えばトラウマにもなった」とも話していた(「読売新聞オンライン」20年11月13日)。

テレビ情報誌の編集者はこう話す。

「『朝ドラはコンプレックスだった』とインタビューで話している通り、過去には朝ドラのオーディションに何度も落ちたそうです。念願がかない、初めて出演した朝ドラは有村架純さん主演の『ひよっこ』。オーディション時、他の作品に出演していたため金髪で挑み、お嬢様風のセリフを彼女の代名詞ともいえるハスキーボイスで読んだといいます。それを脚本家が面白がり、『米子』という役をつくってくれたそうです。この米子は、彼女の知名度を大きくアップさせる当たり役になりました。ちなみに『虎に翼』はオーディションではなく、NHK側からのオファーで主演が決定したそうで、コンプレックスを見事、自分の実力で克服した形になりました」

売れない子役時代の伊藤が、心の支えにしてきたのが、ある有名俳優からもらった言葉だという。

「伊藤さんは05年に放送されたドラマ『女王の教室』に生徒役のひとりとして出演していますが、“鬼教師”を演じた主役の天海祐希さんのアドバイスからこんなアドバイスがあったようです。ある日、天海さんから呼びだされ、『怒られるのかな』とドキドキしながら向かうと、『あなたはカメラが自分に向いてないときでも、必ずしっかりお芝居をしている。それができる子は少ない』と褒めてくれたそうです。そして『この先、何があってもその気持ちを絶対に忘れないで。どっかで誰かが見ているし、絶対誰かが見つけてくれるから、そのままでいて』と励ましてくれたとのこと。伊藤はそれをずっと守り、今も大切に心にとめているそうです」(同)

一方、「女優として成功したのは家族の存在が大きい」と言うのは週刊誌の芸能担当記者だ。

「伊藤さんは常々、家族が大好きと言っています。仕事をするうえで、周りの人たちに支えてもらっていることを常に意識していると語っていますが、これは母の口癖である『一人で神輿は担げない』という言葉の影響を受けているようです。『天狗になると親から勘当される』とも話しており、謙虚でいることも心がけているそうです。また、実兄であるお笑いコンビ・オズワルドの伊藤俊介さんの存在もやはり大きい。母は伊藤さんの出る作品をいつもチェックしていたそうなのですが、オズワルドがブレークしてからは兄の出る番組ばかり見るようになって、伊藤さんも『もっと仕事を頑張らなきゃ!』とモチベーションになったと語っています」

■プライベートでは生粋の妹気質

伊藤が民放ゴールデン帯で初主演を務めたドラマ「シッコウ!!~犬と私と執行官~」(テレビ朝日系)が9月12日に最終話を迎えた。織田裕二が脇役を務めたという話題性もあり、注目を集めた同作。視聴率は振るわなかったが、TVerのドラマランキングでは3位(9月14日時点)となる健闘ぶりをみせた。前出の「帰れマンデー見っけ隊!!」に出演した際には、現場で織田をイジっていたことも明かしていた。

「『シッコウ!!』撮影時、あの織田さんを『裕二』と呼び捨てにしていたことを激白していました。さらに『サムバディ歌って』とイジっていたとも。伊藤さんはすごくフレンドリーで、人の懐に入るのがうまい方なんだと思います。一見姉御肌のように見えるのですが、実は末っ子で『生粋の妹気質』だと本人が話しています。18歳差の脚本家・蓬莱竜太さんとの交際が報じられましたが、そこも末っ子ならではの甘えん坊気質からだったのかもしれません。サバサバした性格に見える伊藤さんですが、『サバサバのサの字もないくらいめちゃくちゃ乙女脳で、粘着質』と、あるインタビューで話しています。意外ですが、きちんと自己分析できており、それをあっけらかんと話してしまう姿が若年層からの人気にもつながっているのでしょう」(前出の週刊誌記者)

芸能評論家の三杉武氏は伊藤についてこう評する。

「伊藤さんの卓越した演技力は業界内でも定評があり、主演も張れるし、脇に回っても作品や主演を光らせることができる、今どきでは稀有な俳優といえます。実力に加えて気取ったところやあざとさを感じさせるところがなく、親近感や好感度の高さから大手クライアントのCMでも重宝されています。そういう意味では老若男女を問わず幅広い視聴者層を持つ朝ドラのヒロインは適役と言えるでしょう。また、芸人として活躍する兄との仲の良さも好感度をより高めている印象があります。ただ仲が良いだけでなく、同じ芸能界で切磋琢磨(せっさたくま)してお互いを高め合っている様子が、うまく視聴者にも伝わっています」

今年だけで3本の映画に出演し、来年は朝ドラ主演と八面六臂(ろっぴ)の活躍をみせる伊藤。快進撃はまだまだ続きそうだ。

(高梨歩)

高梨歩

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