中国国防トップの李尚福氏に失脚説...中国機関紙「軍幹部、利益に汲々」

中国国防トップの李尚福氏に失脚説...中国機関紙「軍幹部、利益に汲々」

  • 中央日報日本語版
  • 更新日:2023/09/19
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中国の李尚福国防部長

中国国防部長の李尚福氏の失脚説が取り沙汰されている中で、中国軍部が「指導幹部」の成果主義と事なかれ主義問題を直接批判して規律の引き締めに乗り出した。

18日、中華圏メディアによると、中国軍機関紙「解放軍報」は17日、「幹部が奮発し、責任を果たすよう鼓舞する」という論評で「しっかりとした政治的成果観を確立・実行するためには『逸脱行為』問題を解決しなければならない」とし「現在、指導幹部の逸脱行為現象がまだ一定程度存在している」と明らかにした。

解放軍報は「功罪利益に汲々とし、大きなことをして功績をあげようととしている場合があり、ある者は思いつきで決定を下したり、見せかけ行政と実績行政を行う場合もある」とし「無謀あるいは規則に従わない業務で、事業上ミスを犯す場合もある」と指摘した。

続いて「原因は多様だが、根本的には的外れな政治的成果観を持っているため」としながら「各級指導幹部は人民中心の思想を徹底的して理解し、誰のために政治的業績をあげるのか、どのような業績をあげるのか、どのようにして業績をあげるのかという問題を思慮深く解決することによって、『成果衝動症』を防がなければならない」と強調した。

解放軍報は実績のために無理な行動を取る幹部がいる一方で、ミスを犯すことを恐れて何もしない幹部もいるとし、このような幹部に対しても人事・懲戒体系で手を加えるべきだと指摘した。

同メディアは「幹部を昇進と降格のどちらもありえる状況が日常的になるようにして『仕事をしない』問題を解決しなければならない」とし「一部の幹部は責任を負おうとしないか仕事をしないようにしているが、適時に幹部の業務状況と問題の原因を把握して能力のある人は引き上げ、能力が及ばない人は淘汰させるような構造を構築しなくてはならない」とした。

解放軍報のこの記事が注目されるのは、最近李尚福部長の去就を巡って失脚説が拡散しているためだ。

最近外信は米国政府当局者を引用して、先月29日から3週間ほど姿を見せていない中国国防部トップの李部長が腐敗容疑で当局調査を受けていると相次いで報じた。

ロイター通信は李部長や他8人の高位将校が軍装備調達関連腐敗容疑で調査を受けていると伝えた。今年3月に国防部長に任命された李部長は直前まで中央軍事委員会装備発展部長を務めて軍装備調達の責任を負っていた。

ロイター通信は李部長の動静が分からない中、来月下旬に北京で開かれる香山フォーラムに注目が集まっていると指摘した。

「中国版シャングリラ会合」と呼ばれるこの香山フォーラムは、アジア太平洋地域の安全保障対話体として2006年に発足した。

西側国家主導のアジア安全保障会議に対抗して中国が開催しているこのフォーラムでは、これまで中国国防部長が基調演説を行い、ホストとして他国の代表団を迎えてきた。

一方、李部長は装備発展部長だった2018年、ロシアからSu-35戦闘機10機とS-400防空ミサイルシステムを不法購入したという理由で米国の制裁対象に入っている人物だ。しかし中国は何事もなかったかのように李氏を国防部のトップに据えた。

米国と中国が今年中盤に入って外交や経済、グローバルイシューなどの対話チャネルを次々と復活させる中でも、とりわけ軍事チャネルの復元が遅れている理由として李部長ら中国軍指導部に対する米国の制裁を挙げる見方も出てくるほど李部長は米中葛藤を象徴する人物の一人だった。

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