平安時代から続く「衣替え」実は穢れを祓うための儀式でもあった一大イベント

平安時代から続く「衣替え」実は穢れを祓うための儀式でもあった一大イベント

  • Japaaan
  • 更新日:2020/11/20
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「衣替え」。近年は温暖化の影響で、昔とは衣替えの時期が変わってきていますが、季節がまた一つ移り変わったことを服装が教えてくれる、四季のある日本の風物詩とも言えるでしょう。

この衣替え、洋服を着替えるというイメージのせいでしょうか。日本に洋装が入ってきた近代以降になって行われるようになった風習だと思われていることがあるようです。

しかし、衣替えの歴史は少なくとも1000年ほど前、平安時代まで遡ることが出来ます。中国の宮廷から伝わってきました。しかもかつては、宮中の大切な儀式として受け継がれてきたのです。

あまりそういうイメージがないかもしれませんが、衣替えはれっきとした日本の伝統行事なのです。

穢れを祓うためでもあった「更衣」

平安時代、宮中ではおおよそ半年ごとにまとう服を替え、さらにいつもより念入りに掃除をして気持ちを入れ替える習慣がありました。これを「更衣」と呼んでいました。更衣は、夏と冬、1年のうち2度行われていました。この時代、着替えるほどたくさんの服を持っていた層はごくわずかだったため、この儀式は宮中の貴族などごくわずかの人に限られて行われていました。

更衣の目的は、季節によって服を変えていき、暑さや寒さに対応していこうとすること、そしてまた「穢(けが)れ」を祓うことにありました。

厄や災いを呼ぶものとされる穢れは、だんだんと家や心身にたまっていくものと思われていました。だからときには一度に祓う必要があります。これを「大祓」といいます。更衣は日本から古くある「大祓」の概念と結びつき、宮中から「厄」を一掃するための一大イベントであり、重要な神事となっていったのです。

「穢れや厄が災いをもたらす」という考え方は、今の時代なかなか見えにくくなっているかもしれませんが、これは現代の日本人にも通じる感覚なのです。

例えば、ホコリやダニ、ハウスダスト。またカビや細菌。これらは少しずつ家や職場に積もっていきます。そして、喘息やアレルギーなどの病を引き起こします。

衣替えとは、単に冬服から夏服に装いを変えるためだけのものではありません。半年間の汚れをさっぱりさせて、健康を維持するための大切な行事なのです。そして、その更に半年後、冬場に行われる厄払いが年末の大掃除です。

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幕府によって「衣替え」の時期が指示されていた

平安時代の衣替えは、鎌倉時代になると服装だけではなく、普段から持ち歩いている扇子などの道具を変えるようにまでなりました。

そして、江戸時代になると春夏秋冬と、1年で4回の「衣替え」を行うことが幕府によって定められ、なんと「衣替え」の日付までも指示されていたそうです。武士のみならず庶民に至るまでそれに従ったといいます。

そして、服装の上では、春や秋には裏地を縫い付けた「袷(あわせ)」、冬には袷に綿をいれて暖かくした「綿入れ」、夏には袷の裏地を外し単衣にした「帷子(かたびら)」をきるようになっていったのです。

やがて、衣替えそのものが、商業活動にも取り入れられるようになっていったのです。

参考

暮らし歳時記

江戸monoStyle

日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan

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