要人警護、海外と格差 要員は米の1割 安倍氏銃撃

要人警護、海外と格差 要員は米の1割 安倍氏銃撃

  • 産経ニュース
  • 更新日:2022/08/06
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安倍晋三元首相の銃撃事件は8日で発生から1カ月。事件では選挙期間の政党幹部らの要人警護の難しさが露呈した。政治とどう折り合いをつけ、安全を守るか。警察庁は警護警備態勢の見直しを進めているが、海外と比べ日本の特異性や改善点も浮かぶ。

日本では、首相や首相経験者、閣僚、政党幹部ら警護対象者には警視庁警護課所属のSP(セキュリティーポリス)らが専属で付く。現職の首相や、ごく一部を除きSPは1~2人だ。SPは警護対象者と行動を共にし、地方遊説の際も同行。地元警察と連携して警護する。

ただ、地元警察はSPとは違い、警護を専門には行っておらず、要人警護の経験値にばらつきがある。警察幹部は「警護警備の主体はあくまでも地元。SPが具体的に地元警察に指示することはない」とも話す。

一方、海外の実情は異なる。米国では、「シークレットサービス」が大統領や副大統領、元大統領や元副大統領らを24時間態勢で警護。日本のSPは200~300人といわれているが、シークレットサービスは職員が6500人で、このうち実際に警護を担当する職員だけでも3200人いるとされる。

韓国も大統領は退任後も最長15年は警護され、警護を専門とする「大統領警護処」に700人が所属。フランスも大統領や首相らを警護する専門部隊に1260人が所属している。

日本では安倍氏銃撃事件を受け、警察庁は警護警備態勢の見直しを進め、8月中に改善策を示す。警察幹部は「警護員を増強することも選択肢だが、誰でもいいわけではない。現実的には厳しいが、一定の強化は必要になる」と話す。

「政治」と「警護」との距離感の難しさもある。米国では、大統領の演説会場に金属探知機が設置され、ゲート通過に1時間を超える場合もあるとされるが、日本では探知機での検査は普及していない。中国やロシアでは国のトップらが大勢の一般人の前に出てくることは、ほぼない。

警護が厳重でも襲撃を許す場面がある。フランスでは昨年、マクロン大統領が、地方視察の際に歓待する住民に紛れ込んでいた男に突然平手打ちされた。韓国でも今年3月、朴槿恵(パククネ)元大統領に焼酎瓶が投げられる事件が起きた。それぞれ、警護員が抱きかかえて避難させたり、取り囲んだりして守った。

警察幹部は「警護最優先で対象者の行動を制限するのは現実的ではない。情勢や場面によって現場で折り合いをつけ、最後は警護員が身をていして守るしかない」と話している。

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