【甲子園“初戦”注目カード5選】大会2日目の鳴門vs近江は大会屈指の対戦、優勝候補・九州国際大付は名将率いる明徳義塾と激突<SLUGGER>

【甲子園“初戦”注目カード5選】大会2日目の鳴門vs近江は大会屈指の対戦、優勝候補・九州国際大付は名将率いる明徳義塾と激突<SLUGGER>

  • THE DIGEST
  • 更新日:2022/08/06
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8月3日に組合せ抽選が行われた全国高校野球選手権。新型コロナウイルスの集団感染により4校が変則的な日程となったが、初戦となる1回戦と2回戦の24カードの中から、特に注目の5試合をピックアップした。

●“大物食い”樹徳のエースが強力打線を封じられるか

【大会第1日(6日)第2試合/明豊(大分)vs樹徳(群馬)】

大分大会では5試合で52得点、準々決勝から3試合連続2ケタ得点と圧倒的な攻撃力が武器の明豊。2番打者ながら犠打わずかに1、5割を超える打率を誇る宮崎元哉が好調で、4番の嶽下桃之介、5番の竹下聖人も長打力があり、攻撃力は出場校の中でもトップと言える。

近年の甲子園の成績を見ても明豊が有利かと思われるが、群馬大会で前橋育英、桐生第一、健大高崎の3校を破ってきた樹徳も侮れない。その中心がエースの亀井颯玖だ。細身ながら140キロを超えるストレートをコーナーに集める投球は安定感抜群。序盤の集中打でリードを奪って逃げ切ると勝ちパターンができている。甲子園でも樹徳が先制するようなことになれば、面白い展開となりそうだ。

●大会屈指の好カードは好投手の投げ合いに?

【大会第2日(7日)第4試合/近江(滋賀)vs鳴門(徳島)】

初戦で最も注目度が高いのがこのカードと言えるだろう。春のセンバツ準優勝投手・近江の山田陽翔、大阪桐蔭を選抜で最も苦しめた鳴門の富田遼弥と、大会を代表する好投手の投げ合いが期待される。山田は滋賀大会序盤では登板機会が少なかったが、準決勝、決勝ではさすがのピッチングを披露。最速149キロをマークしたストレートと、鋭く落ちる縦の変化球でイニング数を上回る三振も奪っている。

一方の富田は徳島大会4試合を一人で投げ抜き、失点はわずかに4。四死球こそ少し多かったものの、さすがの安定感を見せた。打線はチーム打率4割を超える鳴門が上に見えるが、山田を打ち崩すのはやはり簡単ではなく、ロースコアの展開が予想される。先制点をどちらが奪うかが勝敗を分ける大きなポイントとなりそうだ。●ドラフト候補の日本文理・田中vs海星のW快足投手

【大会第3日(8日)第1試合/海星(長崎)vs日本文理(新潟)】

日本文理のエース・田中晴也は最速150キロを誇る大型右腕で、ドラフト上位候補との呼び声も高い。スピードだけでなく安定感も昨年と比べて大きく向上し、新潟大会でも4試合(34回)を投げて自責点1と見事なピッチングを見せた。打っても3番を任されており、長打力は全国でもトップクラスだ。

一方の海星も宮原明弥、向井恵理登がともに140キロを超えるスピードを誇り、2年時からの経験も豊富。長崎大会ではこの2人がほぼ同じイニング数を投げ、ともに2失点と安定している。総合力では昨年夏の甲子園を経験しているメンバーの多い日本文理がわずかに上回っているように見えるが、海星も失点が計算できるだけに1点を争う接戦になる可能性は高いだろう。

●若いチーム同士の対戦は横浜のショート・緒方がカギを握る

【大会第4日(9日)第1試合/三重(三重)vs横浜(神奈川)】

ともに2年連続の出場で、昨年夏の甲子園を経験しているメンバーが揃うチーム同士の対決となった。横浜は4番&捕手の玉城陽希と、2年生ながら不動の「1番・ショート」を任されている緒方蓮がチームの中心。特に緒方は神奈川大会7試合で14安打、6四死球、打率.538、出塁率.769と驚異的な数字を誇った。この緒方が出塁するかどうかが両チームにとって大きなポイントと言えるだろう。

一方の三重も昨年の初戦で完封勝利をマークした上山颯太に加えて、谷公希が成長したことが大きい。ともに三重大会では全6試合に登板しており、2人による継投で戦うことになりそうだ。両チームとも昨年に続いてレギュラーに下級生が多く、不安定な面もあるが、逆に勢いに乗ることも考えられる。昨年は当時1年生だった緒方が劇的な逆転サヨナラホームランを放ったように、救世主となる下級生が出てくることも期待できるだろう。

●優勝候補の一角に挙げられる九国に名将・馬淵監督はどう挑む?

【大会第6日(11日)第3試合/明徳義塾(高知)vs九州国際大付(福岡)】

センバツではベスト8に進出し、今大会でも優勝候補の一角に挙げられている九州国際大付。福岡大会ではエースの香西一希が故障明けで本調子ではなかったが、2年生右腕の池田悠舞がその穴を埋め、層の厚さを見せつけた。中軸を打つ黒田義信、野田海人、佐倉侠史朗はいずれも長打力抜群で、特にセンバツでは不振だった野田に当たりが出てきたことが大きい。

戦力的には九州国際大付の有利は変わらないが、こういう強豪相手に燃えるのが明徳義塾の馬淵史郎監督だけに、そう簡単にはいかないだろう。キーマンとなるのがエースの吉村優聖歩だ。高知大会では25回を投げて被安打26、10失点と安定感を欠いたが、変則フォームで打ち崩すのは簡単ではない。吉村が中盤まで九州国際大付の強力打線を抑え込むような展開になれば、明徳義塾に勝機が見えてくるだろう。

文●西尾典文

【著者プロフィール】

にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間400試合以上を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。

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