爆笑・太田光「日本には無責任な態度を取り続けていく賢さがある」

爆笑・太田光「日本には無責任な態度を取り続けていく賢さがある」

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  • 更新日:2021/01/14
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爆笑問題 太田光さん  (撮影/写真部・東川哲也)

社会を切り取り、笑いを生み出してきた爆笑問題の太田光さん(55)。今の世の中を独創的視点でぶった斬る。

【前編/爆笑・太田光「小池さんは大した玉、菅さんはあの程度の存在、コロナ恐れるな」】より続く

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*  *  *

──桜を見る会問題で騒がれている安倍前首相はどう見ていますか。

安倍さんは強権的って言われるけど、あれだけ悪口を言われた総理も珍しいよ。アベノマスクのときの言われようといったらなかったよね(笑)。僕らも安倍さんのネタはできないんじゃないかって散々言われたけど、毎日のように茶化していたし、自民党から圧力がかかるなんてこともなかった。言論を封じ込める力を持ってるという、本来の姿以上の印象をみんなが勝手に抱いていた。それはたぶん憲法改正論者で、それを前面に出していたからでしょうね。

──憲法といえば、国民は改正について議論しないといけないとわかりつつ、避けてきたような印象です。

そのもやもやした感じは戦後ずっとそう。でも、実はそれが日本なんですよね。先日、たまたま木村拓哉さんの「教場II」っていう警察学校を舞台にしたドラマを見て、日本の警察官の役割について考えたんだけど、彼らは拳銃を持っていながらほとんど発砲することはない。米国では警官が黒人に向かってガンガン撃つじゃない。あれを見てると日本は優秀だなと思う。これは日本人じゃないとできないだろうし、自衛隊も同じだよね。

──武力行使を制限されてきました。

軍隊があやふやな存在にされているんだけど、うまく立ち回っていろんな状況をすり抜けてきた。日本という国は銃を持っているんだか持っていないんだかって状態で今まで来ていて、僕なんかはいい加減だから、ある意味そうやって無責任な態度を取り続けていく賢さっていうのが、この国にはあると思ってる。憲法改正しようがしまいが、この日本人のメンタルっていうのはそう変わらないんじゃないかな。国民投票すればいいと思うけど、憲法上、白黒はっきりさせたとしても、日本のあり方自体は変わらないだろうなって思う。

──今の社会には閉塞感があります。芸能界で感じることはありますか。

テレビに出ていて、これをしたらクレームが来るかな、ここまでは大丈夫かって、様子を見ながらやっていくのは変わらない。でも、視聴率全体が落ちている今、ネットの声をスポンサーが割と気にするようになってきていて、その意味で、今まで以上に発言を意識しないといけないのかなと。まあ、それができないから失言が多いわけだけど(笑)。ただ、ステイホームが続いて、視聴率が多少上がってきているのは確かで、サンジャポもそうです。でもそれは素直には喜べないよね。

──一方で、太田さんは文芸活動にも積極的です。

元々本も好きだし小説も書きたいなっていうのはあったけど、書くことは苦ですよ(笑)。それはネタ作りも同じ。この年末年始も、とにかく漫才の機会が多いから、連日、田中が家に来てネタ作り。憂鬱だけどしょうがないよね、それが仕事だから。

──正月の浅草演芸ホールでの漫才は無観客となりました。

例年なら正月気分でお客さんがウキウキしていて、何やってもウケて、一年の中で一番盛り上がるんだよね。客のいない客席に向かっての漫才は、呼吸がつかめなくて本当にやりにくくて、ベテランがぼろぼろになるとか、芸人殺し。つくづく寂しいなと思ったね。こうなってみて本当にお客さんのありがたみがわかりました。早く普通に戻ってほしいし、2月くらいになれば見えてくるんじゃないかって希望的には思っているけどね。

(構成/本誌・秦正理)

※週刊朝日  2021年1月22日号より抜粋

秦正理

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